かかりつけ薬剤師って何?薬局で同意書にサインする前に知っておくべきこと

"いつも通っている薬局で、突然説明された「かかりつけ薬剤師」制度。いつもお世話になっているのに、よく分からずついつい断ってしまった。そんな方も多いのではないでしょうか?

かかりつけ薬剤師は、患者さん一人一人と向き合い、服用状況、飲み合わせ、副作用などお薬の管理をはじめ、健康全般の相談・アドバイスをうけることができます。今回は、かかりつけ薬剤師制度について説明するとともに、同意書にサインする前に知っておくべきこと、又、かかりつけ薬剤師の活用方法を解説していきます。

かかりつけ薬剤師について理解し、信頼できる薬剤師の方とより良い関係を築くことで、ご自身の健康の向上につながれば幸いです。"
※この情報は、2017年5月時点のものです。

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1.かかりつけ薬剤師とは

1-1.かかりつけ薬剤師とは

“かかりつけ“というと、なかなか聞き慣れない方もいますが、”行きつけの”と言えば、イメージがつきやすいかと思います。「行きつけの居酒屋」「行きつけのラーメン屋」など。

つまり、“行きつけの薬剤師”のことを言います。まずは、“行きつけの薬局”があって、その薬局の中でいつもお話する“行きつけの薬剤師”です。

毎回、その薬局の薬剤師の方に相談するので、自分のことをよく知っています。どんなお薬を服用していて、今、どんな疾患で、どんな健康状態なのか、どのような悩みをかかえているか、など。信頼できる薬剤師なので、気軽になんでも相談ができます。そうです、このような関係性を築ける薬剤師が、かかりつけ薬剤師です。

例えば、

いくつもの病院から、沢山のお薬が処方されていて、お薬の飲み合わせに問題があったり、服用の管理ができていない方。

お薬をもらったのはいいものの、副作用が心配で結局お薬を飲まず、症状が悪化してしまった方。

副作用が出ているのに、それがお薬の副作用だと気づかずに過ごしている方。

などなど。

かかりつけ薬剤師とは、このような患者さん一人一人と向き合い、お薬を一元管理し、継続的に服用状況を把握します。医師と連携し、他のお薬との飲み合わせや副作用などの相談をはじめ、必要に応じて健康全般のアドバイスを行います。薬剤師が、その患者さんの状況に応じて、お薬による治療を主として、最適な提案をしていきます。

1-2.2016年から始まった「かかりつけ薬剤師」制度

次に、かかりつけ薬剤師制度について解説していきます。

第1章で説明したことは、従来は、特にサービスとして意識せずに行われてきたことです。しかし、2016年の薬局の制度の改定で、「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」という項目が新しくできたことにより、薬局で正式にルールが定められ、かかりつけ薬剤師制度が始まりました。

「多剤・重複投薬」や「残薬」、「医療費の高騰」などが社会問題とされる中で、患者さんのお薬による治療の安全性と有効性を高めるために、薬局の薬剤師がより専門性を発揮し、患者さんに寄り添えるようにと定められた制度です。

このことにより、薬局では、薬剤師の方が、かかりつけ薬剤師についてあらためて患者さんに説明を行い、同意を求める機会が増えてきました。

患者さんご本人が、信頼のおける薬剤師を選び、書面で同意を交わすことによって、このサービスを利用することができます。

2.こんなに特する!かかりつけ薬剤師制度

2-1.実際のサービスの内容

実際にかかりつけ薬剤師を利用すると、主に次のようなサービスを受けることができます。詳しいサービスについては、薬局にてご確認下さい。

  • 専任の薬剤師が受診している全ての病院、服用しているお薬、市販薬・健康食品などの情報をまとめて把握し、問題がないか確認することやお薬・健康上の相談やアドバイスを行います。
  • 服用状況や体調の変化を継続的に把握し、必要に応じて医師と連携し、医師に報告や提案、相談を行います。
  • 薬局の営業時間外・休日でも[24時間対応]、薬の副作用、服用のタイミング、飲み合わせなど電話で相談することができます。
  • 家に余っているお薬がある場合に、その調整を行います。必要に応じて、ご自宅に訪問し、お薬の整理を行います。

(※かかりつけ薬剤師指導料の算定要件を参考に文章の表現を変更し記載しました。)

2-2.かかりつけ薬剤師の活用方法

自分の健康や薬のことをよく知っている薬剤師の方が専任でいることはとても心強いですよね。せっかく、かかりつけ薬剤師をお願いしても活用しきれないともったいないです。活用することで、かかる費用以上にメリットを感じることができます。ここでは活用の一例をご紹介します。

 ①薬局の営業時間外でも相談できます。

深夜や祝日など、病院や薬局がやっていない時間帯に、お薬の副作用症状らしきものがでたり、体調が変化してどうして良いか分からない、など緊急事態が起こるかもしれません。そんなときに、かかりつけ薬剤師であれば、連絡のとれる電話を携帯しているため、相談やアドバイスを求めることができます。基本的には、専任のかかりつけ薬剤師が対応しますが、やむを得ない場合には、別の薬剤師が対応することもあります。

 ②処方薬以外にも市販薬、健康食品などの相談もできます

服用している処方薬のことについてはもちろんのこと、日常で購入したり、家で常備している市販薬、健康食品やサプリメントについても、飲み合わせなどに問題ないかなど、気軽に相談することができます。何か購入したいと思っている場合があれば、その旨をかかりつけ薬剤師に事前に相談すると良いでしょう。

 ③家に余っているお薬の管理をします

毎日しっかりとお薬を飲んでいても、少しずつお薬が家に余ったり、又、いつもらったか分からないような臨時で処方されたお薬が家に残っているという方もいるのではないでしょうか?

残薬(家に余っているお薬)がある場合には、薬剤師が確認し、次回処方時に日数を調整したり、古いお薬は処分してくれたりと対応することが可能です。何のお薬か分からないようなものが残っている場合には、薬剤師が判別することもできます。

また、飲みにくい、副作用が心配、などお薬を飲めていない理由がある場合には、遠慮せずに薬剤師に相談するようにしましょう。かかりつけ薬剤師が患者さんに合わせた、お薬の飲み方を提案し、工夫してくれます。

足腰が悪いなど何か事情があり必要な場合には、自宅まで伺い、相談やアドバイスなどお薬の整理を行うこともできます。

 3.同意書にサインする前に知っておくべきこと

薬局にて同意書にサインをする前に、かかりつけ薬剤師について詳しい説明を受けますが、あらためて、同意書にサインする前に、知っておくべきことをお伝えします。

 3-1.サービスにかかる費用

かかりつけ薬剤師サービスを利用するには、費用が発生します。但し、保険が適応されますので、実際には、60円〜100円(3割負担の方)の費用です。

この仕組みを詳しく説明します。

かかりつけ薬剤師サービスを利用する場合は、薬局で定められている「薬剤服用管理料(38点=380円)、又は50点=500円」の代わりに「かかりつけ薬剤師指導料(70点=700円)が適応されます。そのため、その差額は、200円〜320円です。

そのため、

・1割負担の方は、およそ20円〜30円

・2割負担の方は、およそ40円〜60円

・3割負担の方は、およそ60円〜100円

の支払いがサービスの利用に必要です。

 3-2.薬剤師であれば誰でも選べるわけではない

ご自身が信頼のおける薬剤師を選んで、かかりつけ薬剤師サービスを受けることができますが、実は、薬局に勤めている薬剤師であれば誰でも選べるわけではありません。「あの薬剤師の方が良い!」と思っても、できない場合がありますのでご注意ください。

かかりつけ薬剤師サービスを提供できる薬局・薬剤師側の条件があります。

薬剤師として一定以上の知識や経験(研修など)が必要となっており、国に事前にかかりつけ薬剤師として届出を行わなければなりません。そのため、薬局によっては、限られた薬剤師しか該当しない場合や、薬局にかかりつけ薬剤師が在籍していない場合や、そもそも届出を行っていないこともあります。

 

(参考)かかりつけ薬剤師の条件

保険薬剤師が、以下の経験等を全て満たしていることが必要です。

・薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があり、その薬局に週32時間以上勤務しているとともに、その薬局に半年以上在籍している
・薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得している
・医療に係る地域活動の取組に参画していること。(地域の行政機関や関係団体等が主催する講演会、研修会等への参加、講演等の実績)

条件を満たしている上で、国に届出を行っている必要があります。

 3-3.かかりつけ薬剤師は1人しか選べない(変更は可)

患者さん1人に対して、1人の薬剤師だけがこのサービスの適応です。

そのため、サービスを利用し、1人のかかりつけ薬剤師を決めてしまうと、複数の薬局に行っているからといって、それぞれの薬局でかかりつけ薬剤師のサービスを受けることができません。もし、他の薬局でお薬をもらった場合には、かかりつけ薬剤師が別の薬局にいることを伝えなければなりません。

但し、やっぱりあちらの薬剤師の方のほうが良い、信頼できそうだから変更したい!という気持ちが起きることもあると思います。そのような場合は、1ヶ月単位で、かかりつけ薬剤師を変更することは可能です。同じ薬局内での、かかりつけ薬剤師の変更もできますので、何かあれば、薬局に相談するようにしましょう。

 

4.おわりに

今回は、かかりつけ薬剤師制度について説明するとともに、同意書にサインする前に知っておくべきこと、又、かかりつけ薬剤師の活用方法について解説しました。

かかりつけ薬剤師のサービスを利用するかどうかは、今回の記事を参考にし、あなた自身でご判断ください。サービスの有無に関わらず、いつも同じ行きつけの薬局に通うことや、自分の健康や薬のことをよく知っていて気軽に相談できる薬剤師が居ることは、あなたの健康を支える点でとても大切なことだと思います。ぜひ、ご自身で、信頼できる薬局、そして薬剤師を探してみてください。

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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