【医師監修】「漢方薬で痩せる」は本当?効果が期待できる5つの漢方薬

漢方薬で体質改善さえすれば、無理なく痩せられると期待していませんか?

しかし、体に合った漢方薬でなければ、効果がないばかりか、逆に体を害することもあります。大事なことは、いかに体重が落ちるかよりも、いかに健康的に体を整えるかです。

漢方薬選びを間違えないために、気を付けるべきポイントをお伝えします。
※この情報は、2017年4月時点のものです。

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1.「漢方薬で痩せる」は本当?

漢方薬で痩せやすくなることはあります。

ただし、漢方薬は本来、体のバランスを整えて、不調を取り除き健康になるためのものです。ダイエットを目的に作られた薬ではありません。体重を落とすことだけを目的に漢方薬を服用するとか、漢方薬を服用するだけでラクに痩せられるのでないか、と考えること避けるべきです。

 

もし間違った漢方薬の使い方をすれば、効果がないばかりか、逆効果(リバウンドの原因)になることもありますし、副作用のおそれもあります。
では、痩せたい人が漢方薬を使うことのメリットは何でしょうか?

 

漢方薬によって簡単にコレステロール値が下がるとか、脂肪がメラメラと燃えて痩せていく、という効果はなかなか感じにくいものです。
一方で、漢方薬は、冷え、むくみ、膨満感、便秘など、なんとなく調子が悪いという状態を改善することには長けています。肥満の人、体重がなかなか減らない人にもこのような不調がよくみられます。

 

例えば冷え症が改善されれば、基礎代謝量が上がり、それによって食事療法の効果が出やすくなります。むくみのある人が、水分代謝が改善されると体が軽くなったり疲れにくくなり、それによって運動療法の効果が出やすくなります。

 

つまり、食事療法や運動療法に漢方薬を併用することのより、ダイエット効果が増す可能性がある、ということです。

 

 

2.漢方薬の選び方3つのポイント

1-1. ネットの情報は冷静に読む

ネットで検索すると、「この漢方薬が一番効果がある」とか「ダイエットにおススメの漢方薬はコレ」とかの情報はすぐに見つかります。しかし体質に合った漢方薬を服用しなければいけません。

「〇㎏痩せた」「漢方薬だから安全」など自分にとって都合の良い部分にどうしても目が行ってしまいますが、自分に適しているのかどうかしっかりと検討する必要があります。

2-2. 痩せられない原因を探る

『痩せようと思っていながら、イライラしたとき急に無性に食べたくなってしまってダイエットに失敗する』『運動しようと思って挑戦しても、すぐに疲れて長続きしない』『同じ職場のあの人と比べても自分は大して食べていないはずなのに、なぜかあの人は痩せていて自分だけ太っている』

このような原因で痩せられない人は、ダイエットの意志が弱いのでしょうか。人より努力が足りないのでしょうか。自分だけ食べ方が間違っているのでしょうか。

本当の原因はもしかしたら、ストレスを受けやすい、疲れやすい、代謝が悪い、といった体質のせいなのかもしれません。体質が原因であれば、その体質に合った漢方薬を選ぶべきです。

3-3. 体重だけにとらわれない

体重を減らしたい理由は何ですか?

健康的でいたい。魅力的に見られていたい。オシャレがしたい。

痩せて美しくなりたいと思って無理なダイエットをして、おかげで体重が落ちてウエストも細くなったけれど、栄養が偏ったせいで、貧血でめまいがして、肌が荒れて、髪の毛がボロボロになっていたりしたら意味がありませんよね。

便秘ぎみ、肌が荒れやすい、指先が冷える、疲れやすい、生理不順、眠れない、むくみやすい、イライラしやすい・・・日常で感じている心身の悩みを改善して、以前よりもイキイキと過ごせるように、見た目だけでなく内面から健康になるための漢方薬を選ぶことが大事です。

 

次に、具体的にどの漢方薬がどのような体質の人に適しているか、を説明します。

3.ダイエットに効果が期待できる5つの漢方薬

3-1. 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

脂肪燃焼効果がある薬という宣伝文句でテレビのコマーシャルでもよく見かける漢方薬です。

普段から脂肪分や糖分の多い、高カロリーの食事を続けていて、結果肥満になっている人によく使われ、ナイシトールやコッコアポEXなどの名で販売されているのもこれにあたります。

カロリー(熱量)の多い食事をすると、体内に熱が生じやすくなります。この熱を発散させられなければ、体内に熱がこもり、こもった熱は臓器を弱らせます。代謝が悪くなり、体内に余分なものを溜めやすい体質となっていきます。腸内の熱は便を乾燥させるので便秘になり、便秘はまた体重増加の原因にもなります。

防風通聖散には18種類の生薬が少量ずつ配合されており、体内にこもっている熱を冷ますはたらきを持つ生薬、食べ過ぎて弱った臓腑のはたらきを改善させる生薬、体内に溜め込んでしまった余分なものを体の外に出させる生薬、などがバランスよく配合されています。

 

服用の注意点
また通便作用、利尿作用、発汗作用があることにより、便や尿や汗が出やすくなるという効果もあります、この作用により一時的に体重が減ることがあるかもしれません。しかし、それだけでラクに体重が落ちたと思ってしまうと、リバウンドを招くことになりかねませんので、食習慣の改善を合わせて行う必要があります。

 

服用が適していない方
冷え性の方。服用を続けていると体を冷やしやくなります。
胃腸が弱い人方。服用すると下痢をしやすくなります。

 

 

 

3-2. 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)

色白で、筋肉がとても軟らかくて力が弱く、すぐに疲れるという人向けの漢方薬です。

「私はそんなに食べていません。水を飲んだだけで太るのです。」
「膝が痛いので、運動はできないのです。」
「運動しようとしても、汗ばっかりかいてすぐに疲れてしまうのです。」

このような訴えをされる方に使われることが多いです。

先ほどの防風通聖散はお腹(おへそのあたり)がポッコリと前に突き出ているような肥満の方に使いますが、防己黄耆湯の場合は、ぽっちゃりタイプで、下腹の肉がブヨブヨしていて下に垂れている方向けです。全体の水代謝が悪くなっており、上半身は汗をかきやすいのに、下半身は浮腫みやすい、それによって下半身が冷えやすい、膝関節が痛くなりやすいという特徴があります。

防己黄耆湯は6種類の生薬が配合されており、胃腸のはたらきを良くして気力を増す効果と、水代謝を良くして浮腫をとる効果があります。

3-3. 大柴胡湯(だいさいことう)

大事な仕事をしているときなどにストレスがたまると、イライラとし怒りっぽくなることがありますが、それが特に癇癪をおこすように症状が激しく現れるような人に使う漢方薬です。

精神的に鬱々とした状態が原因で、胃腸の動きが悪くなり、食べ物が胃腸内に停滞しやすく、腹部膨満感があるような人に適します。ダイエット目的で使われる場合は「ビスラットゴールド」という商品名の方がよく知られているかもしれません。

弱まった消化管の蠕動運動を促進するはたらきのある生薬が配合されているので、便秘傾向の人は便が出やすくなり、減量の効果があるかもしれません。逆に、ストレスで悪心や食欲不振の起こる方は、消化器の機能を整えられるので、食欲を改善させる薬にもなります。

服用が適していない方
ストレスに伴う、高血圧、肩こり、頭痛、不眠などがある人にも適していますが、イライラと熱しやすい、熱っぽいものを冷ます薬ですので、もともと冷え症の人、元気のない人には合いません。

3-4. 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

のぼせの症状と、ひどい便秘のある方に適した漢方薬です。
月経と関連して、のぼせ、便秘の他、イライラ、頭痛、不眠、ニキビなどがひどくなるという場合や更年期障害にも効果が期待できます。

服用が適していない方
桃核承気湯は、便秘の解消に効果がある生薬に、気血を巡らせる生薬が加えられており、イライラや不安を鎮める効果がありますが、便秘がない人や下痢をしやすい人には使えません。

3-5. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

貧血傾向で倦怠感があり、むくみやすい体質の方に使われる漢方薬です。

このタイプの方は、めまい、立ちくらみ、頭痛(頭重感)があり、朝起きたときは顔がむくみ、夕方になると足がむくんで靴が合わなくなる、車酔いしやすい、などがあります。

当帰芍薬散は、血の不足を改善するための生薬と、水の代謝を整える生薬とが配合されています。体に貯留されている余分な水を除かれると血行が良くなるので、冷え改善の効果があり、冷えのために基礎代謝が低下している場合に適しています。

 

4.漢方薬を使う上での注意点

漢方薬の使用は、体質改善を目的として行われるため、長期間服用を続けることが多くなります。

初めは体に合っていると思っていても、服用していくうちに別の症状が現れるかもしれません。それは体質が変わった可能性もありますし、副作用の可能性もあります。その時の症状に応じて減量、または場合によっては薬を変更するべきかもしれませんので、心配なときは専門家に相談をして下さい。

通院中の方、投薬を受けている方は、漢方薬を使う場合には必ず医師や薬剤師にその旨をお伝え、支障がないかを確認してもらって下さい。

また、たくさん飲めば早く痩せられるというものではありませんので、用法用量を守って服用することが大切です。

5.まとめ

漢方薬をダイエットに用いる場合は、体重が減るのかどうかだけで選ぶのではなく、「自身の体調が今どのような状況か」、「またなぜそのような体質になったのか」に目を向けましょう。そしてその原因に応じて、症状に合った漢方薬を正しく選ぶことが大切です。

服用後は、体重が落ちたかどうかだけでなく、便秘、冷え、むくみ、生理痛、肌荒れなど、普段感じていた不調が以前よりも改善されているかどうかに着目しましょう。

体調の変化を感じながら、健康的に減量して頂きたいと思います。

 

執筆
薬剤師:田伏 将樹
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