なかなか治らない喉の痛み…それは重病のサインかも?

喉の痛みで最も多い原因は、喉の粘膜に何らかのウイルスや細菌が感染して炎症を生じる咽頭炎です。
いわゆる「風邪」の一般的な症状であり、発熱がなくてもちょっとした体調の不調によって咽頭炎を生じることがあります。

発熱もなく、喉の痛みだけがある場合には、様子を見て病院に行かない人も多いですが、特に問題なく数日で自然と治ることがほとんどです。

しかし、なかなか治らない喉の痛みは単なる「風邪」ではなく重篤な病気のサインであることも…。ここでは、治らない喉の痛みの原因と、重病が疑われるサインを詳しく解説します。
※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.「風邪」による喉の痛みの正体は?

喉が痛くなる原因で最も多いものは「風邪」による喉の炎症です。「風邪」をひくと全身に様々な症状が現れますが、喉の痛みは多くの「風邪」で生じる症状です。

では、なぜ喉は炎症を起こしやすいのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

1-1. 防御反応によるの?

私たちの体には、ウイルスや細菌と言った病原体が体内に侵入すると、それをブロックして排出しようとする働きがあります。病原体の侵入経路は様々ありますが、最も一般的な経路は口や喉から病原菌を吸いこんだり、飲み込んだりすることです。

 

このため、喉や鼻の粘膜は、病原体が更に体の奥へ侵入するのを防ぐため、「せん毛」と呼ばれる構造を持ちます。「せん毛」は細かい毛が密生した構造であり、侵入した病原体をキャッチして体外へ押し出す働きをします。この「せん毛」が正常に働くことで、私たちの体は病原体の侵入をブロックすることができ、肺炎などの重篤な感染症を防いでいるのです。

 

しかし、喉の粘膜に「せん毛」があることで、喉には多くの病原体が存在し、完全に体外へ排出されなかった病原体は喉で炎症を起こし、「喉の痛み」や「喉の腫れ」を引き起こすのです。

 

つまり、喉の痛みは私たちの体で病原体に対する制御反応が正常に行われている証拠でもあるのです。

 

1-2. 風邪による咽頭炎…悪化すると?

喉には、「せん毛」と呼ばれる病原体をキャッチする構造だけでなく、「扁桃」と呼ばれるリンパ組織があり、喉に入り込んだ病原体を捕らえ、素早く退治するための構造があります。

風邪による咽頭炎が悪化して喉に病原体が増殖すると、扁桃が活発に働くようになり、炎症を起こすことがあります。

 

これを「扁桃炎」といい、子どもに多く見られますが、咽頭炎が悪化すると大人でも発症することがあります。扁桃炎は一般的に咽頭炎よりも痛みが強く、唾や水分を飲み込むのも困難なことも少なくありません。また、喉の痛みだけでなく、高熱や関節痛、全身倦怠感などの症状を伴いやすいのも特徴です。

 

2.長引く喉の痛み…その原因は?

軽度な咽頭炎は、治療を行わなくても数日で自然に治ることがほとんどです。また、重度な咽頭炎や扁桃炎を発症した場合でも、適切な治療を行えば、熱が下がる頃に治るものです。

しかし、中には鎮痛剤や抗生剤を服用しても頑固に治らない喉の痛みが生じることがあります。

このような長引く喉の痛みは、単なる咽頭炎や扁桃炎ではなく、喉の周囲に関連した病気が隠されている可能性があります。では、具体的にどのような病気が考えられるのでしょうか?病気のサインを含めて詳しく見てみましょう。

 

2-1. 咽頭炎や扁桃炎が長引いている?

なかなか治らない喉の痛みは、咽頭炎や扁桃炎が治りきらずに症状が長引いているケースが多いです。次のような場合には、咽頭炎や扁桃炎が長引くことがあるので注意しましょう。

 

①喉の乾燥

喉は外気を吸い込むため、冬場などは乾燥しがちになります。喉は乾燥すると粘膜が荒れるだけでなく、せん毛機能が損なわれることもあるため、病原体への感染が生じやすくなります。特に咽頭炎を生じている部位の粘膜は炎症によってせん毛が一時的に減少するため、乾燥すると更に他の病原体に感染しやすいという負のスパイラルに陥ることがあります。

炎症によって荒れた粘膜が再生するにも適度な保湿が必要であり、喉の乾燥は咽頭炎や扁桃炎の回復を遅らせることが考えられます。

 

②喫煙

タバコを吸うと、有害物質を大量に含んだ煙は喉にダイレクトに到達しますが、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮する働きがあり、喉の血行を悪くします。その結果、咽頭炎や扁桃炎によって炎症を起こした粘膜への血流が悪くなり、粘膜の再生が十分に行われないことがあります。

また、自身が喫煙者でなくても、身近に喫煙者がいる場合にはタバコの煙を吸い込むだけで同様の現象を引き起こすことが知られていますので注意が必要です。

 

③アルコールや香辛料

アルコールや香辛料、塩分の多い食べ物は、粘膜に刺激を与えて再生を妨げることがあります。このため、咽頭炎や扁桃炎を発症したときには、治るまでこれらの刺激物は控えた方が無難です。

 

④声を出す機会が多い

私たちが声を出すときは、喉の奥にある「声帯」と呼ばれる二枚の蓋が震え合い、共鳴した状態となっています。このため、声を出すときには、喉は細かく震えた状態となり、粘膜に負担をかけることとなります。また、声を出すことで喉の湿度が一時的に低下することも考えられます。

喉の炎症を治すには、喉を安静にする必要がありますが、声を出す機会が多い人は喉の安静が維持できず、乾燥状態も相まって喉の炎症の回復が遅れる傾向にあります。

 

⑤免疫力が低下した状態

病原体を退治するためには白血球などを始めとした免疫細胞が重要な働きを行います。病原体を退治するための力のことを一般的に「免疫力」といいます。この「免疫力」が低下した状態が続くと、咽頭炎や扁桃炎の回復は遅くなり、炎症が長く続くことがあります。

 

免疫力が低下する原因としては、慢性的な疲労やストレス、不規則な生活習慣などの環境的なものと、糖尿病など免疫力が低下する病気が挙げられます。

 

2-2. 咽頭炎や扁桃炎以外の病気?

喉の痛みの多くは咽頭炎や扁桃炎が原因ですが、中には異なる病気によって喉の痛みが引き起こされていることもあります。では、どのような病気が喉の痛みを引き起こすことがあるのでしょうか?その見分け方と共に詳しく見てみましょう。

 

①逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃酸が食道へ逆流する病気のことで、胃酸過多や肥満、加齢など原因は様々です。代表的な症状は食後の胸焼けですが、夜間横になっている状態で胃酸が逆流すると喉の辺りまで届くこともあります。胃酸によって粘膜が荒れると喉の痛みと感じることも少なくありません。

 

食後や夜間など決まった時に痛みを生じ、胸焼けなどの胃腸症状を伴うのがポイントです。

 

②がん

食道や咽頭部にがんができると、痛みを伴うことがあります。また、喉の位置にある甲状腺にがんができた場合にも「喉の痛み」と感じることがあるようです。

これらのがんは、喉の痛み以外にも様々な変調を来たし、食欲低下や体重減少、貧血などを生じるのがポイントです。

 

③大動脈瘤

心臓から血液を送り出す大動脈は、心臓を出るとアーチを描いて胸を通ります。高血圧などによってこの大動脈の内側に亀裂が生じると、血管の一部が大きく膨れる「大動脈瘤」が生じます。大きく膨れた動脈瘤が喉の位置にできると、喉や周囲の神経を圧迫した状態となって痛みを生じることがあります。

締め付けられるような痛みや慢性的な声の枯れを生じるのがポイントです。

 

④狭心症

狭心症とは、心臓に酸素と栄養を送る血管が部分的に詰まったり、細くなったりすることで心臓への血流が悪くなり、痛みを生じるものです。

狭心症の痛みは、心臓がある部位だけでなく、肩や背中、首など様々な方向へ放散するのが特徴で、中には喉の痛みとして感じることもあります。

体を動かした後や明け方など決まった時間帯に生じ、数分で治まるのがポイントです。

 

⑤喉にうつる性病

性病と言えば、性器にうつるというイメージが強いと思いますが、クラミジアや淋菌、ヘルペスなどはオーラルセックスによって喉に感染して炎症を起こすことがあります。

痛みは非常に軽度で自覚がない人もいますが、ヘルペスの場合には口内炎が喉にできると非常に強い痛みを生じることも少なくありません。

自身やパートナーが性病にかかったことがある人や、難治性の口内炎がある場合には注意が必要です。

 

3.まとめ

喉の痛みは軽度な風邪でも生じ、多くの人が一年に何度も悩まされるものです。しかし、適切な治療を行っても痛みが改善しないケースでは、生活習慣によって咽頭炎や扁桃炎が治りづらい状態であることや、何らかの病気が原因の可能性があります。

 

喉の痛みが長く続くときには、放置せずに病院を受診し、適切な検査を受けることをおすすめします。

執筆
医師:ママさん女医あっきー
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