むくみ、血尿、タンパク尿に要注意。腎臓病の進行度合いによる症状を解説

ご自身が腎臓の疾患を抱えている、ご家族など大切な方が腎臓病で治療を行っているなどの理由で、腎臓とはどのような病気か、どのような症状が起こり得るのか知りたいという方もいらっしゃるかと思います。
尿は体内の老廃物を排泄し、その尿を作り出す腎臓は非常に重要な器官です。この腎臓に障害が起こると、体内に毒素が溜まり体に害を与えます。腎臓は異常が生じてもなかなか気づきづらい器官の一つです。

今回は、腎臓のはたらきについて解説するとともに、腎臓病の初期症状、腎臓病のリスクになりうる生活習慣病、また、主な疾患についても説明していきます。
※この情報は、2017年9月時点のものです。

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1.腎臓は体の重要なはたらきを担います

腎臓は「ろ過装置」のような働きをする器官です。人間が生きていくうえで溜まった血液中の老廃物をろ過し、尿として体外に排泄する働きをします。尿を作り出すだけではなく、ナトリウムやカリウムなどのバランスを取り体内の水分量を調節したり、血液のpH値を調節したり、血圧を調整するホルモンを分泌したりする働きもあります。

腎臓の代表的な働きは尿を作り出すことです。尿は体内の老廃物を排泄する役割があり、もし尿を排泄できないようになると「尿毒症」になってしまいます。
本来は排泄されるはずの老廃物が体内に留まり続けると毒性を発揮するようになり全身に異常が生じてしまいます。腎臓は体内の恒常性を維持するためにとても重要な臓器と言えるでしょう。


腎臓は常に働いている強い臓器ですが、その分痛みや異常を感じづらく、なんらかの症状が出ている場合はすでに腎臓病が進行している可能性があります。そのため常に腎臓の健康を意識して過ごすことが重要です。

2.腎臓病の初期の症状とは?

腎臓病の初期の症状の特徴として、「浮腫(むくみ)」、「血尿」、「タンパク尿」などがあります。

2-1. 最も代表的な症状、浮腫(むくみ)

腎臓病の初期症状として最も代表的なものは「浮腫(むくみ)」です。
顔や手足などに水分が留まり、パンパンに腫れているように見えます。腎臓に異常が生じると水分や電解質、老廃物をろ過する「糸球体(しきゅうたい)」が詰まってしまいます。体内の余計な水分やナトリウムの排泄が滞り、浮腫が生じます。
・鏡を見たら太っているように感じる
・靴下や輪ゴムのあとがなかなか消えない
・指輪が入らなくなった
などの自覚症状があれば浮腫が生じている可能性があります。

2-2. 尿の色の変化で分かる「血尿」

また、尿の色も腎臓病の初期症状の一つです。尿に血液が混じる「血尿」は最も分かりやすい尿の色の変化でしょう。糸球体に何らかの異常が生じて血液をろ過する機能が低下すると血尿が現れます。ただし尿の色に変化が現れない程度の血尿もあり得るので、腎臓病になったら必ず血尿で把握できるわけではありません。

2-3. 尿が泡立つと要注意「タンパク尿」

タンパク尿も腎臓病の初期症状の一つです。血尿と同じく糸球体に異常が生じることで、ろ過がうまくいなかなくなり、尿の中にタンパク質が混じってしまいます。尿の色自体の変化は薄いですが、尿が泡立つため変化に気づくことができます。
ただし、タンパク尿だからといって必ず腎臓病というわけではありません。運動や発熱によってタンパク尿が現れることもあります。

3.腎臓病のリスクとなる生活習慣病

中高年の年代になると気になってくる生活習慣病は腎臓病になるリスクを高めてしまいます。その中でも特に腎臓病のリスクとなるものが、高血圧、糖尿病、脂質異常症の3つです。

3-1. 高血圧

高血圧は腎臓病と深いかかわりがあります。高血圧の原因となる高塩分の食事はナトリウムを排泄する腎臓の負担を高めます。また腎臓自体が血圧を調整するホルモンを分泌するため、高まった血圧を低下させようとまた負担がかかります。高血圧により腎臓の血管に負担がかかることで腎臓の機能も低下します。

3-2. 糖尿病

糖尿病は血液中の血糖が高まる病気です。血液中に血糖が多いと腎臓の糸球体部の毛細血管が詰まり、腎臓の機能が低下します。糖尿病により人工透析をする人が多いように、糖尿病から腎臓病になる人は年々増えています。

3-3. 脂質異常症

脂質異常症は血液中の中性脂肪やコレステロールが増える病気です。血管内に中性脂肪やコレステロールが増えると、動脈硬化や血管の狭窄を起こし腎臓の機能を低下させます。脂質異常症は腎臓病だけではなく、脳や心臓の血管の病気のリスクにもなるためとても怖い病気です。

4.腎臓の主な疾患とは?

腎臓病は急性か慢性かで分類されます。それぞれどのような病気があるのか見ていきましょう。

4-1. 急性糸球体腎炎

腎臓の血液をろ過する糸球体という部位に炎症が起きる病気です。細菌感染などが原因になることが多く、発熱や血尿、タンパク尿、むくみなどの症状が見られます。ほとんどの場合は完全に治るため、きちんと病院で診察を受ければ過剰に心配する必要はありません。

4-2. 糖尿病性腎症

糖尿病患者に合併症として発症する腎症です。糖尿病により血糖値が高い状態が続くと、糸球体の毛細血管が動脈硬化し、ろ過機能が低下してしまいます。いくつかのステージがありますが、最終的に人工透析をする必要があり完治はしません。なるべく早いステージで発見し、治療を施すことが重要です。

4-3. 腎硬化症

腎硬化症は高血圧が原因により発症する腎臓病です。高血圧により動脈硬化が起こり、腎臓の機能が低下していきます。進行が遅い良性のものと、進行が非常に速い悪性のものがあります。良性のものは40代以降から高血圧の進行とともに、徐々に症状が進んでいきます。悪性のものは30代から発症することもあり、急激に状態が悪化します。悪性の場合は素早く適切な治療をすることが必要になります。

5.まとめ

腎臓は体内の恒常性を維持するための重要な臓器です。しかし、異常に気付きづらいこともあり、何らかの症状が出始めたら腎臓病の症状がそれなりに進行していることもあります。
腎臓病は生活習慣病と密接な関係があります。腎臓病だけではなく、脳や心臓の病気などを予防するためにも高血圧や糖尿病、脂質異常症などにならないような生活を送ることが重要です。

執筆
医師:大見貴秀
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