咳が止まらない場合は要注意、長引く咳で考えられる病気を解説

西口 めぐみ

咳が出ることは、よくあることです。そのため、すぐに良くなるだろう、と様子を見ることも多いと思います。ですが、なかなか咳が止まらないと、不安を覚えることも少なくないでしょう。咳が長引く場合には、ただの風邪症状だけではなく、様々な原因や病気が考えられます。原因に応じた治療を行わないと改善しないことも多く、早めに病院で診察を受けることが大切です。

今回は、咳が止まらない場合の原因・病気やどんな時に受診が必要なのかについて解説していきます。

※この情報は、2018年5月時点のものです。

1.咳が長引く。長引くの基準って?

咳が長引くことは、とてもつらいものです。しかし、“咳が長く続く”といっても、その感覚は、人それぞれでしょう。医師の場合は、咳(咳嗽)が続く期間により、急性、亜急性、慢性に分けて考えます。

 

それぞれ、

急性咳嗽・・・持続期間が3週間未満

亜急性咳嗽・・・3週間以上8週間未満

慢性咳嗽・・・8週間以上

 

と定義されています。

そのため、医師は亜急性・慢性咳嗽の場合には、長引いていると判断します。つまり、3週間以上続く場合に長引いていると判断するというわけです。

 

2.咳が止まらない場合の原因・病気

咳が長引いている場合には、様々な原因が考えられます。気道という空気の通り道が原因となっていることもあれば、薬の副作用、消化管、喫煙や心臓の疾患などが原因となっている場合など、様々考えられます。

 

その中でも多い原因としては、感染後咳嗽、後鼻漏、胃食道逆流症、咳喘息、アトピー咳嗽です。

それぞれについて詳しく解説しています。

 

感染後咳嗽(がいそう)

風邪をひいた後、鼻水や喉の痛みは治っても、咳が長引く場合があります。これを感染後咳嗽と言います。この場合は、特別な治療法はなく、自然に軽快します。

 

後鼻漏(こうびろう)

鼻水が鼻腔といわれるスペースから喉に流れることを後鼻漏と言います。

鼻腔に鼻水が溜まる原因は色々あり、アレルギー性鼻炎、急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎などです。

喉に垂れ込んだ鼻水を外に出すために咳が出ます。横になった姿勢の方が喉に垂れ込みやすくなるため、咳がひどくなりやすいです。

後鼻漏の治療は、鼻腔に鼻水が溜まる原因によって、治療法が異なります。

 

胃食道逆流症

胃酸が食道に逆流することを胃食道逆流症と言います。

胸焼け、呑酸(口やのどに酸っぱさや苦味が込み上げてくる症状)がみられます。

胃酸が喉まで逆流してくると刺激となり、咳が出ます。この場合も、横になると重力がかからずに胃酸が逆流しやすい状態となるため、悪化しやすい状況となります。

 

咳喘息

喘息というと、ゼーゼーする病気と思われがちですが、症状として咳だけみられるものは咳喘息と呼びます。

気管支に炎症が生じている状態で、室内外の温度差やタバコの煙、運動、飲酒、ハウスダストなどが発作の原因です。

治療は喘息と同じ気管支を拡げる薬を使用します。

 

アトピー咳嗽

咽頭や気管にイガイガ感を伴う乾いた咳がでるものをアトピー咳嗽といいます。アレルギー素因がある場合にみられることが多いです。

咳喘息と似ていますが、気管支を拡げる薬は効きません。

抗アレルギー薬を用いて治療します。

 

3.市販薬で対処できる?こんなときは早めに受診を

咳はよくみられる症状のため、市販の感冒薬で対処しようとする場合も少なくないと思います。ですが、原因は様々であり、なかなか改善しない場合は、受診をした方が望ましいです。

 

咳が続いており、特に、体重が減っている場合、微熱が持続している場合、寝汗をかく場合、血痰がみられる場合は、肺結核や肺癌など重篤な疾患による咳の可能性があるので、早めに受診しましょう。

 

4.まとめ

今回は、咳が止まらない場合に考えられる原因・病気について解説するとともに、どんな時に受診が必要なのかについても説明しました。咳が長引いている場合には、様々な原因が考えられます。

 

咳が3週間以上続く場合には、咳が長引いていると判断されます。長引く咳には様々な原因が考えられ、原因に合わせて治療することが大切です。市販の感冒薬で対処しようとする場合もあるかと思いますが、しばらく様子をみても改善しない場合には、重篤な疾患による咳の可能性もあるため、早めに医療機関に受診をすることをお勧めします。

 

文献

  1. 咳嗽に関するガイドライン第2版/日本呼吸器学会
  2. Chest.2006 Jan;129(1Suppl):75S-79S.

 

 

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