1.メニエール病の症状の特徴と進行するとどうなるの?
メニエール病は放置したとしても命の危険がある病気ではありません。しかし、だからといって軽く見てはいけない病気です。
メニエール病の主な症状は
・視界がぐるぐると回るような回転性のめまい
・難聴
・耳鳴り
です。
回転性のめまい発作が聴覚症状を伴って繰り返し現れる場合はメニエール病の可能性が高くなります。
メニエール病の怖いポイントは、早期に治療を開始しないと、症状が固定化されてしまうことがある点です。
特に難聴による聴力の低下は固定化されやすく、治療の開始が遅れると生涯を通じて低下したままということもあり得ます。また難聴だけではなく平衡感覚が乱れた状態が固定化されて、日常生活に支障が現れることもあります。
2.メニエール病の原因とは?
人間の耳には内耳という器官があります。内耳には聴覚を司る「蝸牛(かぎゅう)」と平衡感覚を司る「三半規管」が存在します。
内耳の内部にはリンパ液で満たされています。しかし何らかの理由により、リンパ液が過剰に溜まってしまうことがあります。そうなると内耳内部に内リンパ水腫という水ぶくれのようなものができて、蝸牛や三半規管の機能を阻害します。その結果、メニエール病を発症します。
このようになぜメニエール病になるか、は解明されています。
しかし、なぜ内耳にリンパ液が溜まり内リンパ水腫が生じるのかは分かっていません。男性に比べて女性に多く発症することからホルモンが関係するという説、睡眠不足や過労が関係するという説、ストレスが関係するという説などがあります。特にストレスはメニエール病の発症に強く関わっているとされており、予防するためにはストレスを適度に発散させることが重要です。
そのためストレスを感じやすい人に多く発症すると考えられています。例えば几帳面な性格で多少のミスでも自分を責めてしまう人や、嫌なことがあっても我慢をしてしまう人、心配性の人、不眠症の人などです。また仕事が忙しかったり、育児や介護など慣れないことのストレスだったりという点もメニエール病を発症させるリスクとなります。
3.早めの治療が重要なメニエール病
メニエール病を発症したら早めの治療を受けることが重要です。
治療の基本は服薬によるものなので、生活への負担はあまりありません。メニエール病を発病すると難聴が生じて聴力が低下することがあります。しかし、これも早め早めの治療を心がけるほど、元通りの聴力に回復する可能性が高くなります。
メニエール病の治療に用いられる薬は、抗めまい薬と利尿薬が基本となります。めまいを薬で抑えつつ、内耳からリンパ液を減らす利尿剤を用いて症状の改善に努めます。また難聴の症状が強く出ている際はステロイドを用いることもあります。
またメニエール病にはストレスや過労が関わっていると考えられているため、生活習慣の改善をすることとが重要です。生活習慣を改善してストレスなどが減ればメニエール病の発作を予防したり、症状を軽減したりすることができます。
4.症状を感じたら何科を受診すべき?
メニエール病は耳に関する病気なので診療科は耳鼻科のクリニックになります。耳鼻科ならばどこのクリニックでも検査と診断をしてくれるはずですが、もしも心配な場合は、「めまい外来」のようにめまいに特化した外来があるクリニックを探しましょう。
めまいを引き起こす病気はメニエール病以外にも様々なものがあるので、症状から患者自身で病気を診断することはとても危険です。微熱がありめまいがすると思っていたものでも、実はメニエール病だったという可能性も十分に考えられます。
視界がグルグルと回るようなめまい、突然の難聴や耳鳴りといった症状が現れたらなるべく早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
5.まとめ
メニエール病は繰り返すめまいの発作とそれに伴う聴覚症状が特徴の病気です。耳の内耳という器官にリンパ液が溜まり、内リンパ水腫という水ぶくれのようなものができることでメニエール病が発症します。しかし、なぜリンパ液が溜まり、内リンパ水腫ができるのかはまだ明らかになっていません。
メニエール病は放置しても命の危険があるわけではありません。しかし、平衡感覚の乱れや難聴が固定化されてしまう可能性があります。めまいや難聴と言った異常を感じたらできるだけ早めに病院で診察を受けるようにしましょう。