メタボリックシンドロームとは?肥満と同じだと思っていたら要注意!

メタボリックシンドロームという言葉をよく聞くようになりました。「なんとなく肥満と関係があるような気がするけど・・・」と思っている人も多いのではないでしょうか?

メタボリックシンドロームは確かに肥満と密接な関係がありますが、実は、決して肥満と同じではありません。メタボリックシンドロームは肥満よりも危険な状態です。では一体、何が異なるのでしょうか?

今回は、メタボリックシンドロームと肥満の違いを解説するとともに、メタボになるとどのようなリスクが考えられるかについても説明していきます。
※この情報は、2017年9月時点のものです。

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1.メタボ(メタボリックシンドローム)と肥満の違い

肥満の定義は国や期間によって異なりますが、日本ではおおよそ「BMI指数が25を超えること」を指します。BMI指数とは人間の肥満度の指標となる数値です。BMI指数は以下の計算式で求めることができます。
BMI=体重(kg)÷(身長(m))2

例えば身長170cmで体重60kgの人のBMI指数は60÷(1.7)2=20.76となり、
身長170cmで体重80kgの人のBMI指数は80÷(1.7)2=27.68となります。

日本肥満学会ではBMIによる肥満の判定基準を以下の表のようにしています。

 

上の例で言えば、体重60kgの人は普通体重で、体重80kgの人は肥満(Ⅰ度)となります。低ければ低いほどいいものではなく、低体重だと免疫力の低下や骨粗鬆症のリスクが高まるなどの害があります。そのため、なるべく普通体重の範囲にすることが重要です。なお、日本では最も健康的なBMIは22の時、としています。

対してメタボリックシンドロームには診断基準が4つ存在します。
まず必須の診断基準として「腹囲が男性85cm以上、女性で90cm以上」というものです。この腹囲は内臓脂肪の面積が100cm2以上に相当するものと考えられています。ただしこの腹囲の基準内であっても、内臓脂肪の面積が100m2を超えることもあるため、正確な計測にはCTスキャンが推奨されます。

腹囲の診断基準を超えたうえで、次の要件となるのが脂質異常症、高血圧、血糖値です。それぞれ診断基準は以下のようになっています。

脂質異常症:
中性脂肪値が150mg/dL以上、もしくはHDLコレステロール値が40mg/dL未満

高血圧:
最大血圧が130mmHg以上、もしくは最小血圧が85mmHg以上

空腹時血糖値:
110mg/dL以上

これらの診断基準のうち、2つが基準値を超えているとメタボリックシンドロームと診断されます。
肥満がBMI指数により判断されるのに対して、メタボリックシンドロームは腹囲と他3つの基準によって診断されます。BMIによる肥満判断は正確ではない場合がありますが、メタボリックシンドロームは基準をいくつか組み合わせることでより正確性の高い診断となっています。

2.内臓脂肪がついているとどんなリスクがある?

メタボリックシンドロームの診断基準はなぜ、「腹囲(正確には内臓脂肪面積)」が重要になるのでしょうか?
それは腹囲、内臓脂肪面積が様々なリスクを高めるためです。

人間の脂肪を燃焼させる「アディポネクチン」という物質があります。内臓脂肪はこのアディポネクチンの分泌量を低下させ、脂肪を燃やしにくい状態にする働きがあることが分かっています。

そのため、内臓脂肪が過剰に蓄積していると脂肪をうまく代謝できなくなり、脂質異常症や高血圧を引き起こしやすくなります。また内臓脂肪が蓄積していると血液中の血糖値が増加し、糖尿病になりやすい状態が続きます。

内臓脂肪は脂質異常症や高血圧、高血糖の原因となるもっとも根幹的なものです。そのため診断基準の中心となっています。

3.メタボは放っておくと危険!健康診断で気をつけるべき理由

メタボリックシンドローム自体は自覚症状があまりなく、せいぜい「最近太った」程度です。しかし、体内では確実に悪い方向へ変化しています。高血圧や高血糖は血管に負担をかけ、血管内部に傷ができやすい状態を作ります。また脂質異常症により血液中に中性脂肪が増えると、血栓ができやすくなり動脈硬化が進行します。

動脈硬化自体は加齢により誰にでも起こるものですが、内臓脂肪の蓄積により高血圧や高血糖、脂質異常症が進むと動脈硬化の進行するスピードが高まります。動脈硬化自体には症状らしい症状はありませんが、それは後々の脳血管疾患や心疾患などの血管の病気のリスクをはるかに高めます。脳血管疾患も心疾患も生命の危機になる可能性が高い致死的な疾患です。また内臓脂肪が蓄積すると大腸がんを引き起こすリスクが高まることも明らかになっています。

メタボリックシンドロームも肥満も動脈硬化もそれ自体には症状はほとんどありません。しかし致死的な疾患のリスクを高めてしまう怖い病気です。一年に一回受診する健康診断では、メタボリックシンドロームの診断をしてくれます。もしメタボリックシンドロームと診断されたら生活習慣を改め、治療するようにしましょう。

4.まとめ

肥満とメタボリックシンドロームは別のものです。肥満はBMI指数により判断されますが、メタボリックシンドロームは腹囲とほか3つの基準により診断されます。
メタボリックシンドローム自体には自覚症状はなく、ついつい放置してしまいがちです。しかし体内では動脈硬化の進行を早め、脳血管疾患や心疾患、がんの原因となる怖いものです。健康診断でメタボリックシンドロームと診断されたら、生活習慣を改善するようにしましょう。

執筆
医師:大見貴秀
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