片頭痛の治療薬・予防薬と注意すべき生活習慣について

日本人の10人に1人が悩まされていると言われる片頭痛。女性は男性の約4倍で、年齢は20代〜30代で多く見られるのが特徴です。中には症状が酷く、仕事や家事が手に付かないぐらい痛む方もいますが、しっかりと薬を服用したり、生活習慣に気をつければ症状を軽減することができます。

今回は、「片頭痛」について他の頭痛との見分け方や治療薬・予防薬、注意すべき生活習慣について解説していきます!
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.頭痛の種類 〜他の頭痛との見分け方〜

パソコンやスマートフォンの普及により、頭痛の患者数は増加傾向にあると言われています。

頭痛にはいくつか種類があり、種類によって治療法が異なるため、どのタイプの頭痛かを把握することが大切です。

1つずつ特徴と見分け方を紹介していきます。ご自身の頭痛がどのタイプかを見分けるに当たり、参考にしてください。

 

1-1. 片頭痛

症状

「ズキンズキン」や「ガンガン」と脈を打つように強い痛みが現れるのが特徴です。体や頭を動かすと、痛みが増してしまいます。多くは頭の片側に症状が現れますが、頭全体に広がる場合もあります。

 

痛みが続く長さ

4時間〜72時間

 

頻度

月に1〜2回、多い時には週2回

 

痛みの強さ

仕事や家事などが手に付かないぐらい痛み、時々寝込むほど痛くなります。

 

頭痛以外の症状

吐き気・嘔吐、光や音、臭いに敏感になる など

 

前兆症状

片頭痛が現れる15〜30分前からギザギザした光が見えたり(閃輝暗点)、視野の半分が見えにくくなるなどの前兆が現れる場合があります。

※全ての方に前兆症状が現れるのではなく、片頭痛患者の3割程度にみられます。

 

1-2. 緊張型頭痛

症状

頭の全体や後頭部、首筋が「ギュー」と締め付けられるように痛みます。片頭痛とは違って、体や頭を動かすと、痛みが軽減します。横になると楽になることもあります。また、入浴やシャワーで頭部を温めることでも症状が軽くなります。

 

痛みが続く長さ

30分〜1週間継続します。

 

頻度

1日〜1週間程度持続して起こります。頻度は人それぞれです。

 

痛みの強さ

仕事や家事ができない程の痛みではありません。

 

頭痛以外の症状

肩こりやめまい、吐き気(実際に嘔吐はしない) など

 

前兆症状

緊張型頭痛には前兆症状はありません。

 

1-3, 群発頭痛

症状

片方の目の奥に強い痛みがあらわれ、頭の片側や顎まで痛みが広がります。必ず頭の片側だけで痛みが起こり、頭全体に広がることはありません。体を動かすことで痛みが和らぎます。

 

痛みが続く長さ

15分〜3時間

 

頻度

1〜2ヶ月間に集中して、ほぼ毎日痛みが起こります。夜間から早朝に起こりやすく、頭痛で目がさめることがあります。

 

痛みの強さ

目の奥がえぐられるような激痛で、痛くてじっとしていられないぐらい強い痛みが続きます。

 

頭痛以外の症状

目の充血、涙、鼻水 など

 

前兆症状

群発頭痛には前兆症状はありません。

 

1-4. 薬物乱用頭痛

片頭痛や緊張型頭痛を持っている方が、鎮痛薬を飲みすぎることにより毎日のように頭痛が起こってしまう状態を「薬物乱用頭痛」といいます。

 

薬物乱用頭痛の特徴

・以前から片頭痛や緊張型頭痛を持っていた

・1ヶ月に15日以上頭痛が起こる

・頭痛薬を月に10日以上服用している状態が3ヶ月以上続いている

・朝起きた時から頭痛が起きることが多い

・以前は効いていた頭痛薬が効きにくくなった

 

これらに当てはまる方は、現在使っている頭痛薬の使用を中止し、受診しましょう。

 

 

「片頭痛」と「偏頭痛」の違いは?

 

インターネット上のページには「片頭痛」と「偏頭痛」の2つの表記が見受けられます。

どちらも同じ病態を指す言葉ですが、医学的には「片頭痛」が正しい表記です。頭の片方だけに痛みが現れるため「片」という字が使用されています。

ではなぜ「偏頭痛」という表記が広まったのでしょうか?

それは、パソコンで「へんずつう」と変換すると「偏頭痛」が一番に出てくるためだと考えられています。

今では「偏頭痛」の表記も一般的になり、どちらでも意味は通じます。

2.片頭痛の治療薬

2-1. 市販薬

片頭痛に有効な市販薬には、「非ステロイド性消炎・鎮痛薬(NSAIDs)」と「アセトアミノフェン製剤」の鎮痛薬があります。

商品名でいうと、「ロキソニンS」「イブA」「バファリンA」「タイレノールA」などです。

これらの市販薬は、痛みが現れたタイミングで服用します。

 

「NSAIDs」は、消化器の粘膜を保護する働きをもつ「プラスタグランジン」と呼ばれる物質の生成を抑制するため、胃腸障害(症状:胃痛・腹痛、貧血、便が黒くなるなど)を引き起こす場合があります。

 

消化器への負担を和らげる成分を配合した「ロキソニンS プラス」「イブクイック頭痛薬」「バファリンEX」など(いわゆる胃に優しい鎮痛薬)もあります。

また、「タイレノールA」に代表される「アセトアミノフェン製剤」は「NSAIDs」よりも胃腸障害が起こりにくい鎮痛薬です。

胃腸障害を防ぐために、なるべく食後に服用することをオススメします。吐き気などで食事を取れない場合は、多めの水(コップ1杯以上)で服用しましょう。

 

服用の間隔は少なくとも4時間程度あけ、1日の服用量・服用回数は、説明書きにある量・回数を超えないようにしてください。

 

市販薬の中には、鎮痛成分が1種類のみ含まれているものと複数含まれているものがあります。複数含まれているものは「薬剤乱用頭痛」に移行しやすいとされているので、単一成分の鎮痛薬を選択しましょう。

 

2-2, 処方薬

処方薬には市販薬と同じ「アセトアミノフェン製剤」と「NSAIDs」の他にも「エルゴタミン製剤」と「トリプタン製剤」があります。

 

エルゴタミン製剤

商品名:クリアミン、ジヒデルゴット

 

エルゴタミン製剤は、痛みが出てきて直ぐに、または前兆症状がある場合にはその段階で服用します。タイミングを逃してしまうと効果が発揮されないことが多いため、注意が必要です。

妊娠中・授乳中、高血圧、狭心症、心筋梗塞などをお持ちの方には使用できず、また副作用も多いため、トリプタン製剤が登場してからは使用頻度が低くなりました。

 

トリプタン製剤

商品名:イミグラン、ゾーミッグ、マクサルト など

 

トリプタミン製剤は、片頭痛の痛みであると確信した場合に、症状が軽度の内に服用します。

頭を軽く左右に振ってみて鈍い痛みがあれば片頭痛が始まっていると考えられるので、そのタイミングで服用すれば良いでしょう。

前兆症状が出ている内や痛みが強くなってしまってから服用しても効果は期待できません。

片頭痛の痛みだけでなく、吐き気や光・音に過敏になってしまう症状も軽減させます。

 

3.片頭痛の予防薬

片頭痛には、症状を抑える治療薬以外に、予防薬もあります。片頭痛が改善しない場合や月に6日以上頭痛が起こる場合などでは、予防薬の処方も検討されます。

予防薬は片頭痛が起こるのを抑えるための薬なので、症状の有無に関わらず毎日決まった時間に服用します。

 

【片頭痛の予防薬】

 

主な商品名

β遮断薬

インデラル、セロケン、ロプレソール

Ca拮抗薬

ミグシス、テラナス、ワソラン

抗うつ薬

トリプタノール

抗てんかん薬

デパケン、トピナ、ランドセン、リボトリール

ARB

ブロプレス

ACE阻害薬

レニベース

 

これらは全て処方薬です。予防薬には市販されているものはありません。

市販薬を予防的に使用すると、「薬剤乱用頭痛」に移行してしまう可能性があるのでご注意ください。

 

4.薬を使用する上での注意

・気管支喘息、消化器潰瘍をお持ちの方は、鎮痛薬で症状を悪化させてしまうことがあります。服用前に医師・薬剤師にご相談ください。

 

・「薬物乱用頭痛」にならないために1日の使用回数を必ず守りましょう。また、市販の頭痛薬の服用は月に10日までにとどめ、それ以上服用しなければいけない状態ならば受診してください。

 

・市販薬には予防薬はありません。予防的に使用するのではなく、症状が出てきてから服用しましょう。

 

 

5.片頭痛を起こさないために

片頭痛の患者さんそれぞれに、片頭痛が起こりやすい条件というのがあります。

できるだけ、起こりやすい条件を避けることで、ある程度片頭痛の発生を防ぐことができます。

いくつかご紹介しますので、心当たりがある方はこれらの条件を避けることを試してみるのもいいかもしれません。

 

5-1. 片頭痛を起こしやすい食品

片頭痛は脳の血管が拡張し、神経を刺激することで痛みが起こります。そのため、血管の拡張・収縮に影響を与えてしまう成分を含む食品を摂取することで、片頭痛を起こしやすくなってしまいます。

オリーブオイルや赤ワイン、チーズ、ハムなどには血管を拡張・収縮させる作用のある「ポリフェノール」や「チラミン」という成分が多く含まれています。

また、アルコールやチョコレート、柑橘類は血流を良くすることで片頭痛を誘発してしまうことがあります。

 

5-2. コーヒーの飲み過ぎに注意

「カフェイン」には頭痛を抑える働きがありますが、摂取し過ぎると逆に頭痛を引き起こしてしまう場合があります。

コーヒーは1日3杯程度に抑え、飲み過ぎには注意してください。

普段5杯以上コーヒーを飲んでいる人が、コーヒーを飲まない日に頭痛が起こることもあります。減らす場合には徐々に減らしていった方が良いでしょう。

また、コーヒー以外にもココア、紅茶、栄養ドリンクなどにもカフェインが多く含まれていますので気を付けましょう。

 

5-3. 乗り物に乗る際の注意

片頭痛は振動や高速で過ぎていく窓からの景色、日差し、気圧の変化などが引き金になることがあります。

バスに乗る場合には、エンジンの振動が伝わりやすい後部座席や衝撃を受けやすいタイヤの上の座席には座らないようにしましょう。

新幹線などの高速鉄道では、進行方向に対して右側の窓の席では、車両がすれ違う時に、気圧の変化が激しくなるため、なるべく通路側に座るようにしましょう。

 

5-4. 強い光や大きな音、臭いに注意

強い光や大きな音、臭いなどの刺激も片頭痛を誘発してしまいます。

コンサート会場、映画館、日差しの強い夏の海、カラオケボックス、タバコの煙が多い場所などで片頭痛が出やすい人はなるべく避けるようにしましょう。また、強い日差しや臭いから身を守るために、サングラスやマスクの着用もおススメです。

 

6.おわりに

今回は片頭痛について解説しました。鎮痛薬を飲むと直ぐに良くなるため、ついつい薬に頼りたくなりますが、服用のし過ぎは「薬剤乱用頭痛」に繋がってしまいます。

 

記事で紹介した、片頭痛を起こしにくい生活習慣も取り入れて、なるべく薬に頼らないようにすることも大切です。

また、「頭痛ダイアリー」という日々の症状を記録するものを用いれば、受診時に医師が病態を把握しやすく適切な治療を行えるのでとてもおススメなツールです。

 

医師監修

片頭痛の薬を薬剤師が紹介!服薬タイミングを掴んで憂鬱とはサヨナラ

医師:良雪 雅
2017.04.03
くすり
執筆
薬剤師:篠ケ瀬 蒼惟
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