うがい薬は風邪予防に効果がある?うがいの効果と市販薬の選び方を解説

風邪やインフルエンザなど感染症が流行すると、うがいをこまめにされている方も多いのではないでしょうか?

実は、うがいを行う文化は海外ではなく、日本独自の文化です。驚きですよね。
そんなうがいですが、うがい薬(ポビドン・ヨード)を使った方が良いのか、水だけでも十分なのかと疑問に思われている方もいるかもしれません。

今回は、うがい薬による風邪予防の効果について私自身が調べてみたことをご紹介するとともに、市販のうがい薬の選び方についても解説していきます。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.うがい薬(ポビドン・ヨード)による効果

うがい薬(ポピドン・ヨード)によってうがいをすることは感染予防に効果があるのでしょうか。

2005年に発表された、京都大学保健管理センター(現・健康科学センター)の研究報告の論文(※1)があります。テレビやWEBでも広くとりあげられ、ご存知の方も多いかもしれません。

健常者のうがいの風邪予防効果を検証したものです。18施設387名を「水でうがい」「ポビドン・ヨード(ヨード液)でうがい」「特に何も指示しない」の3グループに分けて、60日間追跡調査しています。

 

その結果は、水でうがいすることによって、風邪発症が4割抑えられました。一方、ポビドンヨード(ヨード液)でうがいした場合には、有意な予防効果は認められなかったとのことでした。水道水に含まれる塩素の影響や、ポビドンヨードによる常在菌の殺菌などの考察がありますが、なぜ、そのような結果になったかのメカニズムに関しては、この研究では明確に分かっていません。

 

つまり、ここでの報告では、うがいを行うことに効果が認められ、水でうがいするほうが、うがい薬を使用するよりも予防効果が高かったとのことでした。但し、罹患後にポピドンヨード(ヨード液)を用いた場合の有効性は否定してはいません。

 

一方、他にポピドンヨード(ヨード液)による効果が得られたという報告がないか調べてみたところ、大規模に行われたものがありませんでしたが、少し古いもの (※2)がありました。小学校においてインフルエンザの流行があった時期に、「ポビドンヨード(ヨード液)でうがい」「食塩水を用いてうがい」でその効果を検証してみたところ、そもそもうがいを指示しているクラスは、発症者も欠席者も少なく、ポビドンヨード(ヨード液)と食塩水のうがいでは、発症者、欠席者では差がないが、摂取したうがい液中の感染性を持つウイルス数を調べたところ、ポビドンヨードでうがいしていた場合には有意に少なかったことから、ウイルスの拡散を防ぐという意味では、有効ではないかと結論づけています。

 

これらの報告だけでは、正直うがい薬による風邪予防の効果を結論づけることは非常に難しくあります。

メーカーに問い合わせしてみたところ、添付文書上では、風邪予防のための用途では記載してはおらず、あくまでも殺菌効果が臨床的に認められており、感染による疾患などに用いるものとのことでした。尚、予防効果の実証においては、臨床上で試験を行うことが難しく、現状は大規模に行われたものがないようでした。

 

たしかにイソジンガーグル液(成分:ポビドンヨード)の添付文書上の効能・効果は次のようになっています。風邪予防効果についての記載はありません。

(効能・効果)

咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防、口腔内の消毒

 

以上をふまえて、私個人の見解となりますが、風邪予防を目的としてうがいをするのであれば、やはり、うがいをすること自体は予防を行う上で大切であり、水で行っても十分効果が得られるものだと考えます。

但し、実際に感染しているような場合には、治癒を早める、感染を拡げないために、一時的に殺菌効果を示すポビドンヨード液を使用してうがいを行うことは、効果的なのではないかと考えます。その他、特定の用途があり、医師から処方された場合には、指示どおりにうがいを行うようにしましょう。

 

※1  American Journal of Preventive Medicine   29(4) 302-307   2005.

※2  BIOMEDICA 2(12) Page:59-62(1987)

 

風邪予防だけではないうがい薬の効果

 

風邪予防におけるうがい薬の効果について先述しましたが、殺菌・消毒効果をもたらすポビドンヨードによるうがいの用途はそれだけではありません。

 

口腔内で感染による疾患を起こしているときに用いることがある他に、細菌感染によって起きている口内炎に対して用いられることや、口臭が気になる方が口臭の原因となっている菌の繁殖をおさえるために用いることもあります。また、歯科で抜歯などの治療を行ったときに、患部に感染を起こさないように用いたりもします。

 

その他の用途で処方されることもあるため、処方された場合には、医師の指示を守り、正しく使用するようにしましょう。

 

2.市販のうがい薬の選び方

次に、市販でうがい薬を購入される際には、どのようなポイントで選ぶと良いのかについて説明していきます。

 

2-1. 殺菌・消毒のために

殺菌・消毒のために使用するうがい薬としては「ポビドンヨード」が主流です。ポビドンヨードは、ヨウ素を酸化させた成分で、ヨウ素を緩やかに遊離することで、殺菌消毒作用を示します。様々な細菌に対して殺菌効果があることに加え、ウイルスに対しても不活化させる(本来の働きを失わせる)効果が期待できます。

 

風邪予防効果については第1章部分で述べたとおり、見解が難しいところですが、殺菌・消毒作用に関しては臨床上確かな効果が期待できるお薬ですので、罹患後の殺菌作用や感染拡散を妨げる効果が期待できます。

 

市販薬例

イソジンうがい薬【第3類医薬品】 / シオノギヘルスケア

明治うがい薬【第3類医薬品】 / 明治

 

2-2. 喉の痛みや腫れなど炎症を起こしているとき

喉の痛みや腫れなど炎症を起こしているときには、抗炎症作用がある「アズレンスルホン酸ナトリウム」を含むうがい薬が適します。安全性が高いお薬で市販薬にも含まれていることが多く、うがいタイプの他にも、トローチやスプレーなどのタイプがあります。

 

市販薬例

水溶性アズレンうがい薬【第3類医薬品】/ 浅田飴

パブロントローチAZ【第3類医薬品】/ 大正製薬

ルルのどスプレー【第3類医薬品】/ 第一三共ヘルスケア

 

2-3. 小さなお子さんの場合

小さなお子さんの場合も、ご紹介しているようなポビドンヨードやアズレンスルホン酸ナトリウムを含むうがい薬は年齢制限がないため、使用することができます。但し、うがいが上手に自分でできることが条件であることと、あくまでも保護者の指導の管理のもとで使用するようにしましょう。

 

また、小さなお子さん向けに、苦味が少ないうがい薬も販売されています。成分としては、抗菌成分(セチルピリジニウム塩化物水和物など)と抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウムなど)などが含まれています。

 

市販薬例

キレイキレイ うがい薬【指定医薬部外品】 / ライオン

ママはぐ うがい薬P【指定医薬部外品】 / ロート製薬

 

3.うがいをする際の注意点・ポイント

うがいは、喉の奥に届けて行う「ガラガラ」タイプと、口の中に含んで行う「プクプク」タイプがあります。

ガラガラタイプは、主に喉に対して、殺菌・消毒や炎症を抑えたいときに行い、プクプクタイプは、主に口内に対して効果を期待したいときに行います。

 

うがい薬については、副作用がほとんどないため、基本的には、安心して使用していただけます。一般的に、原液を薄めて使用しますので、正しい効果を得るために、必ず指示されている適量の水を加えて薄め、使用するようにしましょう。また、衛生上の観点から、薄めた後に放置したり、作り置きはせずに、その都度薄めて使用するようにしましょう。

あくまでもうがい用のお薬ですので、飲み込まないように注意しましょう。

 

また、次に該当するような方の場合は、

・口の中にひどいただれがある方

・甲状腺の疾患をお持ちの方

・アレルギーをお持ちの方

ポビドンヨードを含むうがい薬を使用する際には医師に相談するようにしましょう。

 

4.おわりに

今回は、うがい薬による風邪予防の効果について私自身が調べてみたことをご紹介するとともに、市販のうがい薬の選び方についても解説しました。

うがいを行うことが風邪予防に効果があることは、本記事でご紹介した臨床の報告以外にもいくつかあり報告されています。

 

風邪予防に対して、うがい薬(ポピドンヨード)が効果を示すかどうかは、まだまだ解明されていないことが多いですが、殺菌効果は実証されており、口腔内の感染予防や口臭対策、口内炎などに対して効果が期待でき用いられます。

うがいを行うことは、感染予防や口腔ケアの観点からも大切です。正しいうがい方法で継続するようにしましょう。

 

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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