【つらい痰や鼻水に】ムコダインの効果は?授乳中の服用やムコソルバンとの違いについても解説

風邪や鼻炎のときによく処方されるお薬にムコダインがあります。

ムコダインは錠剤、ドライシロップ(DS)、液体のシロップと様々な剤型があり、大人から子どもまで幅広く処方されているお薬ですが、具体的にどのような効果があるのかしっかりと理解されていない面もあります。

そこで、今回はムコダインの詳しい効果や、類似薬のムコソルバンとの違い、妊娠中や授乳中の服用の可否などについて解説していきたいと思います。
※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.ムコダインとは?

1-1. ムコダインの成分と効果

ムコダインはカルボシステインと呼ばれる有効成分を含むお薬です。気道から分泌される粘液を調整したり喉や鼻の粘膜を修復したりする作用があります。痰(たん)や鼻水をサラサラにして体外に排出されやすくし、鼻づまりの症状を和らげるのにもよく用いられます。

 

1-2. どんな症状に適している?

ムコダインは大人から子供まで幅広く用いられているお薬です。

 

主に、風邪(急性上気道炎)、急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支喘息、肺結核などの患者さんの痰を取り除いたり、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の患者さんの膿を取り除いたりするのに用いられています。

 

風邪や蓄膿症などにかかると、ドロッとした鼻水が喉の方に降りていく後鼻漏が生じることがありますが、ムコダインにより鼻水をサラサラにすることで鼻水が喉に停滞するのを防ぐこともできます。

 

1-3. ムコソルバンとは何が違う?一緒に服用できる?

ムコダインとムコソルバンは名前も似ており、薬局などではどちらも「痰を切ったり出しやすくするお薬です」などの説明を受けることが多いため、どちらも同じお薬だと思っている方が多いかもしれません。

 

確かに両者は効果の似たお薬ですが、作用の仕方は明確に異なるため、時として同時に使われることもあります。以下にムコダインとムコソルバンのそれぞれの薬の作用の仕組みについて解説いたします。

 

【ムコダインの作用】

痰や鼻水にはムチンと呼ばれる成分が入っており、痰や鼻水をネバネバさせる原因となります。

 

ムコダインには痰や鼻水中のムチンの濃度を低下させる働きがあり、これによって痰や鼻水の粘度を低下させ(サラサラにして)、体外に排出しやすくします。また、ムコダインには気道の表面に細菌などがくっつくのを妨げる作用もあるといわれています。

 

このため、風邪などの時にムコダインを服用することで細菌による2次感染を予防する効果も期待できます。

 

【ムコソルバンの作用】

ムコソルバンの主な作用は、気道を潤滑化して痰を排出しやすくすることです。

 

通常、痰はネバネバしているため、気道にべっとりと張り付いてしまい、外に排出されにくくなっています。これは、お皿についた油汚れのようなものであり、きれいに洗い落すためには食器用洗剤の使用が効率的です。人体には肺サーファクタントと呼ばれる物質が存在しており、肺サーファクタントは気道に粘着した痰を洗い流す洗剤のような働きをしています。

 

ムコソルバンには肺サーファクタントの分泌を促進する働きがあります。ムコソルバンを服用すると肺サーファクタントの働きが活発になり、気道からより多くの痰を体外に排出することができます。

 

ムコソルバンには気道の繊毛運動を亢進する作用もあります。気道の表面には繊毛と呼ばれる微小の毛が無数に存在しており、気道内の異物を体外に排出する働きをしています。ムコソルバンはこの繊毛の運動を活発にすることで他の異物と一緒に痰を体外に排出させやすくします。

 

このように、ムコダインとムコソルバンはよく似た効果があるものの、その作用の仕方には明確な違いがあります。どちらの作用がより優れているかについて明確な答えが出ておらず、個人差もあります。

 

また、痰や鼻水の症状が特にひどい方にはムコダインとムコソルバンが同時に処方されることもあります。作用の異なる二つのお薬を併用することで、相乗効果によってより優れた効き目を期待することができるのです。

 

「同じようなお薬だからどっちか一つを飲んでおけばいいや」などと安易に決めつけず、2つ処方された場合はきちんと両方服用することが大切であると言えます。

 

ムコダインとムコソルバンはどちらも安全性が高いことで知られており、副作用についてはほとんど心配する必要がないと言えます。どちらか一方が片方に対して副作用のリスクが高いということもなく、安全性についても優劣はないと言えるでしょう。

 

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2.ムコダインの正しい使用方法(注意点)

ムコダインは大人の方の場合は1回500mgを1日3回服用します。

 

したがって500mg錠の場合は1回1錠、250mg錠の場合は1回2錠を服用することになります。お子様の場合は体重に従って服用量を調節するのが一般的です。メーカーの添付文書には体重1kg当たり、1回につき10mg服用するように指示されているため、ドライシロップ(DS)やシロップ剤を使って体重に合わせて服用量を調整するやり方がよく用いられています。

 

【飲むと鼻水の量が増えることに注意】

ムコダインにはネバネバした鼻水をサラサラにする作用があります。このため、鼻水が鼻腔内を流れて体外に排出されやすくなります。

 

ムコダインを飲むと水溶性の鼻水の分泌が増えるため驚かれる方がいらっしゃいますが、これは副作用ではなく薬が良く効いている証拠ですので心配する必要がありません。ただし、こうした事態に備えて事前にポケットティッシュなどを常備しておく方が良いかもしれません。

 

【ムコダインシロップの保管方法】

ムコダインのシロップを服用する場合は保管場所にも注意が必要です。ムコダインシロップの添付文書には「開栓後は汚染防止のため、使用の都度必ず密栓し冷所に保存すること」と明記されているため、シロップの入った容器はしっかりと栓をしてから冷蔵庫に入れるようにしてください。

 

【飲み忘れに気づいた場合は?】

ムコダインを飲み忘れたことに気づいたときは、その時点で忘れた分を服用してください。

 

ただし、次の服用時間が近いときは、忘れた分については服用しないでください。また、1度に2回分を服用しないように注意してください。

 

3.ムコダインの副作用 

ムコダインは非常に安全性の高い薬であるため、重い副作用が起こる心配はほとんどありません。ムコダインで主に報告されている副作用は以下のようなものがあります。

 

・食欲不振、下痢、腹痛、嘔吐、おなかの張り

・口の渇き

・発疹

 

また、ごく稀に起こる重大な副作用として、以下のようなものが報告されています。

 

・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

・中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)

・肝機能障害、黄疸

・ショック、アナフィラキシー様症状

 

正しい服用法をお守りいただければこうした副作用が起こる可能性はほとんどないと言えますが、万一、服用後に異常が生じた場合は直ちに服用を中止して医師や薬剤師にご相談ください。

 

4.ムコダインは妊娠中や授乳中でも服用できる?

ムコダインの添付文書(製薬会社によるムコダインの取扱説明書)には、妊娠中の使用について、「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない)」と記されています。

 

こうした記載を目にすると服用することに不安を感じてしまう方もいるかもしれません。

 

ただし、製薬会社は万一の事態に備えて、ほとんどの医薬品について、添付文書にこのような書き方をするのが常となっています。実際、妊娠中にムコダインを服用したことで胎児に奇形のリスクが増加したという報告はなく、動物実験においてもそのような報告は上がっていません。実際の医療現場でもムコダインは妊婦さんにもごく一般的に処方されているお薬のため、妊娠中の服用についてそれほど神経質になる必要はないと言えるでしょう。

 

ムコダインの授乳中の使用については、添付文書には服用を制限する旨は記載されていません。これはムコダインが母乳中に移行する量はごくわずかであり、たとえ赤ちゃんの口に入ったとしても安全性が高いため問題が生じないためと考えて良いでしょう。

 

これらのことから、ムコダインは医師から指示された正しい使用法を守って服用いただければ、妊婦中や授乳中でも問題なく服用できるお薬であると考えられます。

 

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5.ムコダインは市販でも販売されている?

ムコダインの有効成分のカルボシステインは古くから使われている安全性の高い成分のため、市販薬(OTC医薬品)にも含まれています。

 

ただし、市販薬は医療用医薬品と違って一見しただけではカルボシステインが含まれているかどうかは分かりません。市販薬は箱の裏などに個々の成分名が記載されているので、ムコダインと同じ成分のお薬が欲しい方は箱に「カルボシステイン」の成分名があるかどうかを確認するとよいでしょう。

 

ちなみに、カルボシステインを含むメジャーな市販薬としては、ASADAAME(浅田飴)から発売されている『去痰CB錠 30錠(第2類医薬品)』や、サトウ製薬から発売されている『ストナ去たんカプセル 18カプセル』などがあります。

 

6.まとめ

今回の解説を通じて、今まで何となく服用していたムコダインについて、その効果や安全性、類似薬との違いがお分かりいただけたことと思います。

 

自分が飲む薬について、どのような性質があるのか、何のために服用するのか、服用中にはどのような点に注意すべきなのかという「薬識」を持つことは、副作用を予防し、より良い薬物治療を行うためにとても大切なことです。

 

今後はムコダインが処方されるたびに、本記事で解説した事項を思い出していただき、服用意義についても併せて考えていただければ幸いです。

 

 

執筆
薬剤師:おくすり スペシャリスト
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