吐き気・嘔気(おうき)の原因は様々。原因別に何科にかかるべきかを解説

お腹の調子が悪くて、吐いたがあるというような経験はどなたでもあるでしょう。

吐き気の原因としては、食あたりや風邪症状の後ででてきた胃腸症状のこともありますが、消化管の病気であることが多いです。しかし、吐き気があるからといって、消化器系の病気と即断することができないこともあります。

多くの吐き気の場合はすぐよくなってあとは問題ないことも多いです。又、女性の場合は妊娠時のつわりなど、全く病気でないものもあります。しかし、放っておけないもの、つまりすぐ医療機関に受診しないといけない吐き気もあります。

ここでは、様々な吐き気の原因とかかるべき科についてご説明していきます。
※この情報は、2018年5月時点のものです。

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1.吐き気の原因について

吐き気の原因として最も多いのが、消化器系の病気になります。その他、めまいに伴う吐き気や神経に伴う吐き気、又、腎臓・尿管の病気に伴う吐き気などもあります。

次に、それぞれの吐き気について説明し、何科に受診するのが良いのかについて詳しく説明していきます。

 

2.消化器の病気が原因となる吐き気

吐き気の原因として最も多いのは消化器系の病気ですが、その原因は様々で、軽度で様子をみていればよいものから、重症なものまであります。

 

2-1. 胃の病気

急性胃炎は胃粘膜の炎症ですが、みぞおちのあたりの痛み、胃部の不快感だけでなく、吐き気を伴うこともあります。暴飲暴食、コーヒーの飲み過ぎ、風邪の際にのんだ熱冷ましの薬など、さまざまな原因で起こります。胃潰瘍でも腹痛や吐き気を起こすことがあります。

 

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流して炎症を起こす状態ですが、やはり胸焼け、吐き気などの症状が起きることがあります。胃がんは初期のうちは症状がないことが多いですが、場合により腹痛や吐き気が生じることがあります。

 

2-2. 小腸、大腸の病気

急性胃腸炎は腸の粘膜が急性に炎症を起こしている状態で、腹痛や下痢などがみられます。これに伴って吐き気も出現してくることがよくあります。下痢は、感染性のものと非感染性のものにわけられますが、感染性のものは、病原性大腸菌であるO157や、ノロウイルス、最近ではアニサキスなどの寄生虫などがあります。

腐った食品や毒性の物質を含む食品を摂取した場合にも吐き気が起きることがあります。

 

腸内にガスがたまっているときにも腹痛や吐き気が見られることもあります。腸内ガスは健康な人では主に食事中に飲み込んだ空気によるものと考えられますが、米、パン、イモ類などのでんぷん質の食品を食べすぎると、腸内にガスが発生しやすくなるといわれています。腸内環境が悪い場合や便秘がある場合にも、腸内の細菌がガスを発生することがあります。

 

イレウスは腸の内容物が途中でとまってしまい、先にいかなくなる状態です。イレウスでも吐き気、嘔吐が見られます。

 

イレウスには様々な原因がありますが、大きく分けて腸の一部がつまって先に進まなくなる場合(腸閉塞)と、腸管の蠕動が休んでしまう場合(腸管麻痺)に分けられます。前者の場合には、腸の内容物だけでなく、がんなどにより腸管が閉塞する場合もありますので注意が必要です。

 

通常の胃腸炎の他にも、様々な炎症や細菌の感染によって吐き気が起こることがあります。憩室は腸管の壁の一部が腸管内圧の上昇などにより袋状に腸壁外に突出したものですが、ここに腸の内容物が入り込み、炎症が起きた状態を憩室炎と言います。憩室炎が起きると、やはり腹痛や下痢、吐き気を起こすことがあります。

 

虫垂炎、いわゆる「盲腸炎」は最も注意しなければならない病気の一つです。

 

通常、腹部の不快感や痛みから始まり、段々右の下腹部に痛みが移ってきます。それとともに下痢や熱、吐き気、嘔吐なども出現してきます。虫垂炎では腸の盲端になっている盲腸といわれる腸の一部に腸の内容物が入り細菌などが感染するのですが、重症になると腸管の壁が破けて、腹腔の中に腸の内容物が漏れ出して広がってしまう、腹膜炎という重篤な状態になることがあります。

 

虫垂炎では抗生物質などを投与して経過をみる場合もありますが、手術が必要なことも多いです。このような経過で様々な症状が出てきたら、虫垂炎を疑って直ちに病院にかかることが必要です。

 

2-3. 肝臓・膵臓・胆嚢の病気

肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、多少の機能障害があっても症状が出ないことも多いのですが、急激に肝臓の機能が低下した場合などには吐き気がでてくることがあります。

例えば急性ウイルス性の肝炎の場合には吐き気、食欲低下の他、黄疸などが出ることがあります。

 

一方、膵炎は膵臓の炎症で、アルコール多飲や胆石の人で起きることがあります。急性の膵炎では、突然強い痛みが現れますが、吐き気が伴うこともあります。

 

膵臓の炎症に伴って膵臓から消化酵素が漏れ出し、この消化酵素は消化液の成分であるため、お腹に漏れ出すと周りの組織を「消化」して溶かしてしまいます。上記のような急性肝炎、急性膵炎の状態は入院を必要とする緊急事態です。

 

コレステロールや胆汁の成分などが固まった胆石が、胆嚢や胆管にできた状態を胆石症といいます。胆石が胆嚢の入り口や、胆管につっかえてしまうと、胆汁が鬱滞し、細菌感染などによる炎症、胆管炎が起こり、強い腹痛、発熱、黄疸、吐き気を起こします。内科的に抗生物質の点滴や鎮痛剤などの内服で症状を緩和させますが、手術が必要となることがあります。

 

何科にかかるべき?

以上のような消化器の病気による吐き気や腹痛は、症状がずっと続くのではなく、往々にして腸の蠕動に伴って間欠的に強くなったり弱くなったりします(しかしそうでない場合もあります)。

 

ひとことで消化器系の病気と言っても、上のような様々な原因があります。症状だけで診断がつかないことも多く、内視鏡、断層撮影などの検査が必要になる場合もあります。消化器の病気が原因と思われる吐き気の場合はまず内科に受診して下さい。ここからさらに専門の消化器内科に紹介されたり、手術が必要なら外科に紹介されることもあります。

 

3.めまいに伴う吐き気

吐き気は消化器系とは全く関係のない病気でも起きることがあります。その中でも多いのが、めまいに伴う吐き気です。めまいにも様々な原因があるのですが、一番多いものは良性頭位性発作性めまい症と言われるものです。

 

これは頭を急に動かしたとき、あるいは急に起き上がったり、横になったときに、ぐるぐる回るようなめまい(回転性めまい)が出現します。めまいだけでなく、吐き気も伴うことが多く、めまいの治療により吐き気もよくなります。良性頭位性発作性めまい症の他にも多くの原因があり、小脳や脳幹の脳梗塞など重大な病気でもめまいが起きることがありますので注意が必要です。

 

何科にかかるべき?

めまいを起こす病気には様々なものがありますから、まずは医療機関を受診して診断をつけてもらうことが重要です。耳鼻科または神経内科を受診しましょう。診断をつけるのに、様々な耳鼻科的な検査やMRIなど頭部の画像を撮影することが必要になることもあります。

 

4.神経の病気に伴う吐き気

神経の病気で吐き気をきたすこともあります。例えば片頭痛では、頭痛だけでなく吐き気を伴う場合がしばしばあります。

脳を包んでいる髄膜にウイルス、細菌などによる感染が起きた状態を髄膜炎と言いますが、髄膜炎では発熱、頭痛の他、しばしば吐き気も認めます。

 

脳圧といって脳の圧力が上昇する病気でも吐き気が起きることがあります。これにも様々な原因がありますが、例えば脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血などでは、頭蓋内の圧力が上がるので、吐き気が見られることがよくあります。様々な脳の感染症でも脳圧が上がり、吐き気をきたすこともあります。

 

眼圧の上がる緑内障でも吐き気が起きることがあります。発作時には、眼球が痛くなったり、眼の見え方がおかしくなったりします。

 

何科にかかるべき?

このように多くの神経の病気に伴って吐き気が起こるので、吐き気という症状だけで診断がつくわけではありません。吐き気はあくまでも診断の一つの手がかりになるに過ぎません。

 

神経の病気が疑われる場合には、神経内科、脳神経外科などを受診しましょう。緑内障の場合は眼科の受診が必要になります。

 

5.腎臓・尿管の病気に伴う吐き気

腎臓や尿管に結石ができ(尿路結石)、これが尿により運ばれて、腎臓から膀胱に向かう尿の通り道である尿管という管のところで詰まると強い痛みが生じます。背中や腰に突然強い痛みが現れ、これに伴って吐き気が起きることも多いです。

 

「一度経験したら二度と経験したくない痛み」とも表現される程の激しい痛みのため、救急外来を受診するケースが多いです。結石のサイズが小さければ水分を多く摂取し尿で自然に押し流してしまうことができ、結石が流されてしまえば痛みはなくなります。しかし、サイズが大きい場合には結石を砕く手術が必要になる場合があります。

 

何科にかかるべき?

内科もしくは泌尿器科を受診してください。結石を砕く手術などは泌尿器科で行っています。

 

6.最後に

吐き気には、消化器系の病気だけでなく、その他にも様々な原因があることがお分かり頂けたと思います。消化器の病気であっても様々な原因があり、経過をみていい場合と、緊急の治療を要する場合があります。様子を見ても良くならない場合には自己判断して放っておいたりせず、きちんと医療機関にかかって治療を受けましょう。上では書きませんでしたが、悪臭、煙やタバコの吸い過ぎなど生活習慣や環境による場合もありますから注意しましょう。

執筆
医師:子煩悩神経内科医
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