脂漏性皮膚炎、水虫、ガンジダに。ニゾラール®︎【抗真菌剤】の正しい効果と副作用を解説

ニゾラール®︎はカビの仲間である真菌に対して効果を発揮する抗真菌薬です。使用されている方、使用されたことがある方も多いのではないでしょうか?

ニゾラール®︎は、塗り薬であるため体内にはほとんど吸収されず、副作用も少なく安全に使うことのできる薬剤です。ですが、もちろん副作用はありますし、十分な効果を発揮するための注意点もあります。

今回は、ニゾラール®︎の効果や期待できる症状を詳しくまとめるとともに、副作用など注意点についても解説していきます。
※この情報は、2017年11月時点のものです。

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1.ニゾラール®とは?

1-1. ニゾラール®の成分と作用・効果

ニゾラール®︎の成分は、「ケトコナゾール」という抗真菌薬の一種です。真菌というのはカビやキノコ、酵母などの仲間です。ケトコナゾールはこれら真菌に作用して、その増殖を抑える働きを持ちます。

 

ニゾラール®︎の効果ですが、添付文書の「効能又は効果」には以下のように記載されています。

下記の皮膚真菌症の治療

①白癬 足白癬、体部白癬、股部白癬

②皮膚カンジダ症 指間糜爛症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)

③癜風

④脂漏性皮膚炎

このようにニゾラール®︎は真菌による様々な皮膚疾患に対して効果を発揮し、使用することができる薬剤になります。

1-2. 抗真菌剤の中でのニゾラール®︎の位置付け

ニゾラール®︎の有効成分であるケトコナゾールはその構造から「イミダゾール系抗真菌薬」と呼ばれています。

 

ケトコナゾールは真菌がエルゴステロールという成分を作るのを邪魔します。

 

エルゴステロールを十分作れなくなると真菌は細胞膜を維持するのが難しくなり死滅していきます。ちなみに、人間の体にはエルゴステロールは存在しないため、人の細胞に対して同様の作用を発揮することはありません。

1-3. クリーム・ローションの使い分け

ニゾラール®︎には、クリームとローションの2つのタイプがあります。

クリームとローションの使い分けですが、まず使用感の違いがあります。

 

クリームはどうしても使用した部位がべとつきますが、ローションはすぐに浸透するので皮膚がベトつきにくいです。また、髪の毛がある頭部にクリームを使うとベトベトになってしまい、髪の毛が多いとうまく患部に薬を塗ることができないですよね。そのため、頭部にはローションの方が適しています。

 

次に浸透力の違いがあります。ローションの方がクリームに比べて浸透力が高いですが、その分刺激も強くなります。皮膚が角化して厚くなっている部分にはローションが適していますが、傷口やただれている部分だと刺激となることがあります。逆にグジュグジュになっているような部分にはクリームの方が適しています。

 

 

1-4. ニゾラール®のジェネリック医薬品

ニゾラール®︎にはジェネリック医薬品(後発医薬品)が存在し、発売されています。

薬の値段(薬価)は今後毎年改定される可能性があるため、ここに掲載しているデータは平成30年4月1日〜平成31年3月31日のものになります。

 

日本ではニゾラール®︎シャンプーは認可されていない!個人輸入に注意!!

 

海外にはクリーム・ローションに加えてシャンプータイプのニゾラール®︎が存在します。

シャンプーの代わりに使用することで頭皮全体の真菌に対して効果を発揮することが可能です。

 

ですが、ニゾラール®︎シャンプーは日本国内で認可された医薬品ではありません。日本国内で認可された医薬品のような品質・安全性の検討はされていません。また、医薬品副作用救済制度の対象外になります。

インターネットで検索すると個人輸入可能なサイトが多く存在しますが、安易な個人輸入は禁物です。

 

女性用

2.ニゾラール®の効果を期待できる症状

2-1. 水虫

水虫は白癬菌というカビの一種が皮膚に感染することで発生する病気です。

感染する白癬菌の種類によって、皮膚が硬くなったり、水泡ができたり、皮膚が剥がれたりする症状が現れます。

 

白癬菌は真菌の一種なので、抗真菌薬であるニゾラール®の効果が期待できます。1-1. に記載した通り、ニゾラール®︎は「白癬 足白癬、体部白癬、股部白癬」に対する医療保険での使用が認められています。

2-2. 脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は頭部や顔に起こりやすい病気で、フケが多く出たり、皮膚が赤くなったり、細かくはがれたりする症状があります。

 

皮脂の分泌が活発な部位に起こりやすいのですが、その原因にカビの一種が関わっていることがわかっています。カビは真菌の一種なので、ニゾラール®︎の効果が期待できます。

 

ニゾラール®︎は通常1日1回で効果を発揮する薬なのですが、脂漏性皮膚炎に対しては1日2回使用するようになっています。

2-3. ガンジダ症

カンジダとはカビの一種で普段から人間の体のいろんな部分に住み着いています。

 

通常、害はないのですが、何らかの理由で免疫系が崩れた際に増殖し、炎症等を引き起こします。カビの一種なのでカンジダについてもニゾラール®︎の効果が期待できます。

 

医療保険でニゾラール®︎は外陰部にできるカンジダではなく、指間糜爛症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑)という指と指の間のような皮膚の擦れる部分にできるものを代表とする皮膚カンジダに対する使用が認められています。

 

2-4. その他

医療保険では癜風(でんぷう)に対する使用も認められています。

 

癜風菌はカンジダと同じように皮膚に住み着いている真菌の一種で、何らかの理由で増殖した際に皮膚にシミのように広がるものです。

 

癜風菌も真菌の一種なのでニゾラール®︎の効果が期待できます。

 

3.ニゾラール®は市販で購入できる?

ニゾラール®は医療用のみの医薬品で、成分であるケトコナゾールを含む市販薬は販売されていません。

 

市販で購入できる外用抗真菌剤の商品例

ニゾラール®︎と同じ成分のものは市販されていませんが、イミダゾール系抗真菌薬の塗り薬は複数市販されているので例をあげておきます。

 

・ミコナゾール:ダマリン®︎L、ダマリン®︎Sなど

・イソコナゾール:メンソレータム®︎フレディCCクリーム

・オキシコナゾール:タムチンキ®︎Pなど

・クロトリマゾール:エンペシド®︎L、ピロエース®︎Wなど

・ラノコナゾール:ピロエース®︎EX、ピロエース®︎Zなど

・ビホナゾール:キョータップ®︎LXなど

 

女性用

 

4.ニゾラール®の副作用と気をつけるべき注意点

4-1. 起こりうる副作用

ニゾラール®︎クリーム、ニゾラール®︎ローションともに大きな副作用は存在しませんが、塗り薬ということで皮膚への刺激から起こる副作用が報告されています。

代表的なものをあげると接触性皮膚炎、そう痒(かゆみ)、発赤、刺激感などです。

 

4-2. ニゾラール®の使用で気をつけるべき注意点

使用する際には容器の中に真菌や他の雑菌が入り込まないように気をつけてください。使いかけのものを長期間保管して再度使用するのもよくありません。抗真菌薬と言っても、その中で菌が繁殖してしまう可能性があります。

 

真菌は皮膚の表面に見えるものだけでなく、皮膚の中に根を張っています。病院や薬局でも指導されるとは思いますが、症状がよくなったからと言って自己判断で治療をやめるのでなく、必ず最後まで治療を完了させるようにしてください。真菌の根が残っているとすぐに再発してしまいます。

5.おわりに

今回は、外用抗真菌薬のニゾラールについてまとめました。カビや水虫と言うと清潔にしておけば大丈夫と思う人もいるかもしれませんが、実は身近に多く存在しており、何かのきっかけで増殖する、誰にでも起こる可能性のある疾患です。塗り薬で効果を発揮するものであれば副作用も少なく治療することが可能ですが、正しい使い方をしないと結局再発してしまう可能性もあります。自己判断で治療を行わず、医師や薬剤師に相談しながら治療を行うようにしてください。

 

参考

ニゾラール®クリーム2% 添付文書 ヤンセンファーマ株式会社

ニゾラール®ローション2% 添付文書 ヤンセンファーマ株式会社

 

執筆
薬剤師:ぺんぎん薬剤師
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