【嘔吐がひどい】熱がないのに吐いてしまう・・・これは何かの病気?

通常、嘔吐を伴う感染症などは発熱を引き起こします。しかし、子どもは熱がなくとも嘔吐を繰り返してしまうことがあります。原因が分からず嘔吐してしまう様子を見るととても心配ですよね。ですがほとんどの場合、心配ありません。どんなときに嘔吐してしまうのでしょうか?

今回は、熱がないのに吐いてしまう場合の嘔吐の症状や原因を解説するとともに、その対処法なども合わせて説明していきます。
※この情報は、2018年1月時点のものです。

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1.嘔吐の原因となりうるウイルス性の胃腸炎

嘔吐の原因はほとんどがウイルス性の胃腸炎です。ウイルスに感染することで胃腸炎を引き起こし、消化器が刺激され嘔吐してしまいます。ウイルス性胃腸炎では多くの場合、発熱を伴います。しかし時に、発熱を伴わないウイルス性の胃腸炎もあります。代表的な胃腸炎を引き起こすウイルスには以下のようなものがあります。

1-1. ノロウイルス

ノロウイルスは冬季(11月から3月)にかけて流行するウイルスです。アルコールによる消毒では効果が薄く、感染力が非常に強く、家庭内で誰か一人でも発症したら残りの家族にも感染してしまうこともよくあります。ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や排泄物にはノロウイルスが含まれていますが、たった数10個のノロウイルスが体内に入るだけで発症するとも言われています。

 

ノロウイルスの特徴的な症状は、非常に強い腹痛と繰り返す嘔吐・下痢です。また、ときに発熱を伴うこともあります。発熱自体は軽度であり、37度から38度程度です。人によっては、ほとんど平熱と変わらないこともあります。

 

ノロウイルスは感染してから12時間から48時間程度の潜伏期間を経て、症状が現れます。嘔吐や下痢により、体から水分が不足してしまうため、脱水症状になりやすくなります。もしもノロウイルスに感染して症状が現れた場合は、薄めたスポーツドリンクや経口補水液で水分補給をすることが大切です。

 

ノロウイルスに有効な抗生物質のような薬はないため、対症療法が治療の基本となります。ノロウイルスは、症状は大きいですが、通常は2日程度で腹痛や下痢が治まります。ウイルスを身体の外に出すことが重要なので、きちんと水分補給をしつつ、排泄や嘔吐を我慢しない・止めないことが重要です。

 

1-2. ロタウイルス

ロタウイルスは2月から3月にかけて流行するウイルスです。ノロウイルスと同じくアルコール消毒の効果が薄く感染力が強いです。ただし子どもには感染しやすいですが、子どものころに感染していれば免疫ができるため、成人では症状があまり現れません。

 

ロタウイルスでは腹痛はあまり激しくありませんが、嘔吐や下痢は強くなります。また発熱をすることも多く、38度から40度近くまでの熱が出ることもあります。

 

ロタウイルスは感染してから24時間から72時間の潜伏期間を経て症状が現れます。ノロウイルスと同じく嘔吐や下痢により脱水しやすくなるため、こまめに水分補給をすることが重要です。

 

ロタウイルスも特効となる薬は存在しないため、安静と栄養補給、水分補給による対症療法が治療の基本です。ただしロタウイルスはワクチンが存在するため、予防接種により予防することができます。

 

ノロウイルスもロタウイルスも共通することは激しい嘔吐と下痢です。また感染を広げないように排泄物や吐しゃ物の適切な処置も必要になります。このような症状が現れたら、小児科で診察を受けてどのように看護すればよいのか適切な指示を受ける方がよいでしょう。

 

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2.発熱がないのに嘔吐してしまうとき

子どもはそもそも大人に比べて嘔吐をしやすいです。発熱がないのに嘔吐する場合は心身へのなんらかの刺激が原因となっていることがあります。子どもが嘔吐する原因となるものには以下のようなものがあります。

 

2-1. 乗り物酔い

子どもは三半規管が未発達のため、大人に比べたら乗り物酔いになりやすいです。特にどこかに外食に行き、お腹いっぱいな状態だと乗り物酔いで嘔吐しやすくなります。何かの乗り物に乗り、吐き気を訴えたら一度、車を止めて外の空気を吸い、背中をさすってあげるとよいでしょう。

 

2-2. 風邪、インフルエンザ、ぜんそくなど

風邪やインフルエンザ、ぜんそくなどにより咳こむと胃に圧力が掛かり嘔吐してしまうことがあります。風邪を引いたり、ぜんそくの既往がある子どもが咳き込んで吐いてしまうことは珍しくないので、安心してください。基本的には一度吐けば元気になります。

 

2-3. 脳震とう

転んだり、落下したりして頭を強く打つと脳震とうを起こす可能性があります。成人でも脳震とうで嘔吐することはありますが、子どもはより軽い脳震とうでも嘔吐してしまいます。脳震とうによる嘔吐ならば基本的に心配はありませんが、もし脳内で出血している場合は医療機関で治療を受ける必要があります。頭を強く打ち、24時間以内に意識が朦朧とする、けいれんする、運動障害や麻痺が出るなどといった時は脳外科のいる病院に行くようにしましょう。救急車を呼んでしまっても構いません。

 

このほか単純な食べすぎ、飲みすぎ、食後の激しい運動なども嘔吐する原因となります。

 

3.嘔吐したときの対処法

ウイルス性の胃腸炎でなければ一度吐けばスッキリするはずなので心配はありません。口の周りをキレイに拭いて、うがいをさせてあげましょう。また冷たすぎない飲み物で水分補給をさせてあげるのも大切です。ただし何度も嘔吐を繰り返してしまう場合は何か別の要因がある可能性があります。その場合は医療機関で診察を受けるようにしましょう。

 

問題は「ウイルス性胃腸炎」の場合です。今回紹介したノロウイルスとロタウイルスは嘔吐物を適切に処置しなければ、家族内感染する可能性が非常に高まります。ノロウイルスとロタウイルスはアルコールや熱による殺菌の効果が薄いため、「次亜塩素酸ナトリウム」を使用する必要があります。塩素系の漂白剤に含まれている成分です。

 

厚生労働省のリーフレットにその詳細が記載されているため、参考にしてみるのがおすすめです。

厚生労働省 2017ノロリーフレット

 

4.嘔吐で病院に行く目安とは?

嘔吐がみられ、病院で診察を受けたほうがよいのは、ウイルス性胃腸炎に感染したときです。ウイルス性胃腸炎を発症すると激しい嘔吐と下痢が生じるため、何度も繰り返す嘔吐と下痢が確認できたら病院で診察を受けるようにしましょう。

 

ウイルス性胃腸炎以外の場合も嘔吐した後、スッキリしたように元気ならば問題はありません。ただし何度も嘔吐する、高熱を出している、著しく元気がない、けいれんや意識障害が生じている、などというときはなるべく早めに病院で診察を受けるようにしてください。

 

5.まとめ

ウイルス性胃腸炎による嘔吐:

激しい嘔吐と下痢が特徴。ノロウイルスの場合は強い腹痛、ロタウイルスの場合は高い発熱を伴う。これらのウイルスは感染力が強いため、吐しゃ物や排泄物の処理には注意が必要。水分が体から失われるため、こまめな水分補給が必要。激しい嘔吐や下痢を生じた場合はなるべく早めに病院へ。

 

その他の要因による嘔吐:

乗り物酔い、咳、脳震とう、食べすぎなど嘔吐する原因は様々。基本的には一度吐いてスッキリした様子ならば問題なし。ただし何度も嘔吐する、嘔吐以外の症状が出る、意識が朦朧としているなどの様子が見られたら病院で診察を受けること。

 

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薬剤師執筆

窓口移行済:吐き気止めの種類や症状別に吐き気を和らげる薬を紹介

薬剤師:産業 薬剤師
2018.05.02
くすり

 

 

執筆
医師:大見貴秀
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