突然の手足のしびれ。考えられる原因と何科を受診したら良いかを解説

手足のしびれが続いていて、何か病気があるのでは、と不安を感じていらっしゃる方もいるのではないでしょうか?そもそもしびれはどうして起きるのでしょうか。また、手足のしびれが起きる原因はどんなものがあるでしょうか?

しびれの原因は様々なものがあり、原因によって様子をみてよいものと、医療機関を受診したほうがよいものがあります。

ここでは手足のしびれのメカニズムについて解説するとともに、しびれの原因となる病気と、病院を受診したほうがよいしびれにはどのようなものがあるか、などについても説明していきます。
※この情報は、2017年11月時点のものです。

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1.よくある症状「しびれ」

しびれはとてもよくみられる症状ですが、ひとことでしびれといってもいろいろな感じ方があります。正座を長いことした後のしびれは、誰でも経験したことがあるでしょう。

ジンジン、ピリピリと気になる嫌なしびれの感覚もありますし、“一枚皮をかぶったような”鈍い感じのしびれもあります。

 

一方で、手足が動きにくかったり、筋肉に十分力がはいらないことを“しびれ”と表現する人もいますが、これは感覚症状ではなく、運動の症状を表しています。

ここでは主として感覚の異常としての“しびれ”について述べたいと思います。

2.しびれはなぜ起きる?しびれの起こる原因とメカニズム

しびれはそもそもどうして起きるのでしょう。しびれの多くは神経が圧迫されたり、何等かの原因で神経が障害されたときに起こります。

 

通常、神経と私たちが呼んでいるのは、末梢神経といって脊髄から出た後、手足や体などを走っている神経ですが、これが走行に沿っていずれかの部位で圧迫をうけたり、障害されると、しびれが生じます。しかし、しびれは、末梢神経ばかりでなく、ときには脳梗塞による症状、つまり中枢神経の病気で起きることもあります。

また、血管が圧迫されて神経への血流が悪くなるときもしびれを感じますが、この場合のしびれは神経の障害によるしびれというより、血液の循環の問題です。

ここでは主に神経の障害によるびりびりとしたしびれについてお話しします。

 

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3.しびれは放っておいてよいの?

しびれは放っておいてよいのでしょうか。様子をみていればよいしびれと、病院にかかって医師に診てもらったほうがよいしびれはどのようなものでしょう。

 

たとえば、しびれにはいつまでも続くしびれもあれば、一次的で消えてしまうものもあります。手足のどこかを圧迫したりぶつけたあとに生じたしびれなら、原因が明らかですし、症状がやわらいでいくので心配しなくてよい場合が多いです。逆に、しびれがずっと続く場合や、とても強いしびれの場合は、治療しなくてはいけないことも多くあります。

 

また、特に注意しないといけないしびれには、どのようなものがあるでしょうか。例えば、症状が軽くて苦にならない程度でも、しびれがいつも同じ個所にあり、なかなか消失しない場合には何等かの病気が隠れていることがあります。段々しびれの程度が強くなってきて痛みに近くなったり、しびれの範囲が広がるようなことがあれば要注意です。必ず病院を受診してください。

 

他方、しびれが出たり消えたり、場所がかわったりする場合は、神経の一時的な圧迫であったり、ストレスなど精神的な原因がある場合もあります。経過をみているうちに軽快してしまう軽いしびれもありますが、症状が続く場合やしびれの症状がつよい場合には、治療しなくてはいけない病気が隠れている可能性もありますので、よく様子をみて、やはり気になるようなら医師に相談したほうがよいでしょう。

 

薬剤師執筆

『しびれ』の原因とオススメの市販薬について

薬剤師:篠ケ瀬 蒼惟
2018.07.12
くすり

4.診察室でよく見られる手足のしびれの原因となる病気

しびれの原因はこれからみていくように様々なものがあり、原因によって様子をみてよいものと、医療機関を受診したほうがよいものがあります。それではしびれの原因となる病気にはどのようなものがあるか、頻度の高い、しびれの原因となる病気について述べていきます。

 

しびれの原因となる頻度の高い病気には大きく分けて、

 

1.内科的な原因によるしびれ

2.脊椎に関連するしびれ

3.末梢神経の障害(圧迫など)によるしびれ

4.脳梗塞など脳の病気に関連するしびれ

 

などがあります。

 

4-1. 内科的な原因によるしびれ

内科的な原因としては糖尿病やアルコール性のしびれがあります。

 

これは末梢神経が糖尿病などの病気や、アルコールや薬剤などによって障害されて生じます。

①糖尿病性ニューロパチー

糖尿病の患者さんで、とくにコントロールが悪く血糖値が高い状態が続く人では、末梢神経が障害され、しびれが出現することがしばしばあります。これを糖尿病性神経障害(糖尿病性ニューロパチー)といい、糖尿病によって神経に代謝産物が蓄積したり、神経を栄養する血管に十分な血流がいかなくなることで生じます。

 

症状としては、しばしば感覚神経の障害がみられます。左右対称のしびれや感覚の低下が、手指足先など末梢部にもっとも強くみられます。(手袋とか靴下をはいたような分布なので、「手袋靴下型」の感覚障害ともよばれます。)非対称に複数の神経を障害する神経障害を起こる場合もあります。

 

しびれだけでなく、感覚が非常ににぶくなり、感覚障害がすすんでくると、皮膚を傷つけても気がつかなかったり、低温やけどをしたりします。そのため皮膚に潰瘍ができたり、ひどい場合には足に壊疽が生じたりすることもあります。当初は感覚症状のほうが目立ちますが、進行してくると運動神経もおかされ、筋肉の力が落ちてきたり萎縮が起きる場合もあります。もちろん糖尿病を治療し、血糖をきちんとコントロールすることが大切です。

 

②アルコールニューロパチー

アルコールの長期飲用により末梢神経障害を起こすことがあり、アルコールニューロパチーと呼ばれます。しびれなど感覚神経の障害が主な症状で、通常、上肢より下肢で症状が強く、ジンジンした痛みを伴うしびれがみられるのが特徴的です。治療にはまずはアルコールを止めることが大切です。アルコールニューロパチーになる人は、たいていはお酒ばかりで食事のバランスも悪い人が多く、ビタミンなどの不足も一緒に起こっていることもあり、ビタミンの補充もあわせて行うことが必要な場合があります。

 

この他、末梢神経の障害はビタミンB1やB12の欠乏などでも生じることがありますが、現代人は栄養がよいので、アルコール多飲があったり、よほどの偏食があったり、手術後の人でなければ一般には非常にまれです。また抗がん剤、抗結核薬など薬の副作用として、しびれが出る場合もあります。それ以外の薬でも服用を始めた後、しびれも出現した場合には副作用の可能性もありますので、処方を出している医師にご相談ください。

 

4-2. 脊椎に関連するしびれ

脊髄から出た神経は、脊椎(背骨の骨)の間から神経根として神経孔という穴から外に出て、手足の末梢神経(運動神経・感覚神経)となっていきます。首や腰の背骨、頸椎や腰椎の変形などにより神経孔付近で神経根が圧迫を受けると、しびれが出現します。

 

圧迫がひどいと痛みになります。椎体骨自体の変形ではなく、思いものを持ち上げた際などに、骨と骨との間にある椎間板が突出して(ヘルニア)、神経根を圧迫することもあります。脊椎の骨、とりわけ腰椎は、体重をささえているので、こうした変形や椎間板の突出が起きやすいのです。

 

①頸椎症によるしびれ

首の骨(頸椎)が変形することで、上肢に出ていく神経根が圧迫されると腕や手にしびれが出現します。首を後屈させたり、片腕を横に伸ばした状態で横に倒したりするとしびれが強くなり、しばしば肩から上腕、手指のほうにビ-ンと放散するような痛みが出現することがあります。このような場合、体位の変化により物理的な圧迫が強くなることが考えられます。

 

②腰椎症、腰椎椎間板ヘルニアによるしびれ

脊椎(腰椎)の間から出て手足に行く神経(神経根)が、腰椎の骨の変形、あるいは骨と骨の間にある椎間板が突出するために圧迫されるものです。症状としては腰痛と下肢へのしびれが一緒に生じます。ものを持ち上げたり、力をいれたときに急に足に激痛が走り、腰痛もひどくなった場合などは、腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。横になり、足を延ばした状態で足を上げていくと、腰、臀部から足の指先にビーンとした痛みが放散することがあります。

 

このような症状がある場合、圧迫部位にそれ以上圧力が加わらないようにするため、重い物を持つのを避ける(人にやってもらう)、姿勢に気をつけ首などを過度に曲げたり回したりしない、枕の高さに気をつける(高すぎると寝ているとき首が後屈位になる)など、日常生活での対応が重要になります。

 

神経根への圧迫が非常につよく、痛みが持続的で耐え難い場合、運動神経の圧迫が強く手や足の筋力が落ちてきた場合などには手術が行われることがあります。一般には、背骨の手術は大手術になりますので、よほどひどくない限り、様子をみるということもよくあります。

 

いずれにしても整形外科などを受診して、医師にきちんとみてもらう必要があります。

 

4-3. 末梢神経の障害(とりわけ圧迫など)によるしびれ

①手根管症候群 (正中神経障害)

正中神経という手の筋肉や指先の感覚を支配する神経が手首部で圧迫されると、手の指の1-3指の先端がびりびりとするようなしびれが生じます。手首部の軟部組織が手根部を走っている正中神経を圧迫することにより生じ、手根管症候群とよばれています。

 

最初は、感覚症状が目立ちますが、圧迫がすすむと、手のひらの親指の付け根のふくらみ(母指球)の筋肉がだんだん萎縮してきます。通常は片側のしびれですが、両側がしびれる患者さんもいます。圧迫されている神経の上を打腱器などでトンとたたくと、神経の走行に沿って指先にビリッとした痛みが放散することがあります(ティネル徴候)。あるいは手と手の甲を体の前であわせて両手首を曲げた状態にしばらく保っておくと、手指のしびれが悪化します(ファーレン徴候)。

 

こうした症状は神経が圧迫されていることを示す徴候です。

手根管症候群は手をよく使う職業の人で起きやすく、実際に手をたくさんつかった後でしびれの症状がつよくなります。

 

また関節リウマチや糖尿病など手根管症候群が起きやすい病気があります。軽い場合にはビタミン剤などで様子をみますが、症状がひどいときには、手首部での神経の圧迫を解除する手術が行われることもあります。

 

②骨神経麻痺

腕を下にして眠った後などに、一時的に手首や指がのばせなくなるようになったことはありませんか。これは上腕部で橈骨神経が圧迫されることによりますが、橈骨神経がこの場所で皮膚と骨の間にはさまれており、圧迫を受けやすいのです。橈骨神経が手首や指を伸ばす伸筋を支配しているので、障害されると、手首や指がのばせなくなる症状が起きるのです

 

。多くの場合には、症状は一時的なもので自然に軽快しますが、圧迫を繰り返したり、圧迫が長時間に及ぶと完全にはもとに戻らないこともあります。

 

③顔面のしびれ(三叉神経痛)

神経痛は,神経の支配領域に沿って刺すような痛み、びりっとする電撃痛、ひどい場合には切り裂かれるような鋭い痛み,あるいは灼熱痛(カウザルギア)などが、数秒から数十秒程度の持続で、繰り返し起きるような状態です。

 

原因の明らかでない特発性のものと、神経の走行に沿った基質的病変や圧迫などが原因となる症候性のものがありますが、後者ではしびれは持続的なことが多いです。この他にも神経痛には顔面におきる三叉神経痛、肋骨に沿って走る肋間神経痛、臀部から下肢に沿って走る坐骨神経におきる坐骨神経痛などがありますが、いずれも神経痛の一種です。

 

4-4. 脳梗塞など脳の病気に関連するしびれ

しびれは、一般に末梢神経の圧迫などの障害によることが多いのですが、脳梗塞など脳の疾患で起きることもあります。

①脳梗塞によるしびれ

脳梗塞により、脳の感覚に関わる脳部位、すなわち脳のうち感覚情報が通っている経路に障害が起きるとしびれが起きることがあります。

 

殆どの場合、病変と反対側の体の片側に起きます。とりわけ手足の先、口元などにピリピリとしたしびれを感じることが多いです。脳梗塞の場合、呂律のまわりにくさや、手や足の使いづらさと感覚障害が一緒に起きることがしばしばですので、このような症状と一緒に起こった場合は注意が必要です。

 

このような症状の組み合わせが急に起こった場合は、脳梗塞も疑われますので、すぐに病院にかかってください。一方で脳梗塞が落ち着いてから慢性期にはいってから、しびれが起きてくる場合もあります。

 

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5.しびれがある場合、何科を受診するのがよいか。

これまでみてきたようにしびれの原因は様々なものがあり、しびれという症状だけで1つの診断や治療がきまるわけではありません。さらにこれ以外にも様々な原因があり、すべてのしびれについてここで説明しつくしたわけでもありません。従って、原因によってどの科を受診したらよいか、どの程度緊急な処置を必要とするか、なども変わってきます。

 

一般的には、内科的な原因によるしびれは内科に、脊椎に関連するしびれは整形外科に、末梢神経の圧迫などによるものは内科(神経内科)や整形外科に、脳梗塞など脳の病気に関連するしびれは神経内科や脳神経外科に受診するのがよいでしょう。

 

しかし、自分でどの科にかかったらよいかはかならずしも簡単に判断できるわけではありません。一般には、どの科にかかった場合にも、ドクターは診察所見と、どういう経過でどのような症状が出てきたかという病歴から、どういう病気の可能性があるか、緊急に対処した方がいいのか、外科的な処置が必要なものか、他の科に紹介することが必要か、などを判断しています。

 

とりわけ神経学的診察といって神経内科、脳外科、整形外科の先生に神経の診察をしてもらうことは重要です。この診察により、検査をする前にある程度原因はこれで、病変部位はこのあたりだろうとあたりをつけることができるのです。この診察を踏まえて、さらに必要に応じて検査をすることで、正確な診断をつけていくことができます。

例えば、末梢神経の病気が疑われる場合は、末梢神経の伝導を調べる検査(神経伝導検査)、筋肉に針筋電図といって針電極を刺して、筋肉の電気活動を記録することにより診断が行われます。糖尿病などの原因になるような病気は血液検査でわかる場合もあります。

 

内科的な薬物治療で効果がある場合もあれば、整形外科や脳神経外科などで手術的な方法が必要になる場合もあります。

 

 

6.まとめ

このようにしびれの原因となる病気にはいろいろな種類があり、かからなければならない科も、対処法も様々だということがおわかりいただけたと思います。

 

自己だけの判断で診断をつけるのは比較的むずかしい場合もあるので、心配があれば医療機関にかかるようにしましょう。

 

自分でどこの科にかからなければいけないかわからない場合でも、実際に病院にかかれば、たまたま最初に受診した医師が専門家でない場合には、専門の科に紹介してくれることが多いのです。

 

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