市販の胃腸薬といえば「太田胃散」その効果と副作用など使用上の注意点を解説

「歳を重ねるにつれ、胃腸が弱くなってきた…」「食べ過ぎるとすぐに胃がもたれ、胸やけがする」など胃腸のお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?ただ、放っておけば自然と治るため、病院にかかる程ではなく、市販薬で様子を見たいと考える方も多いでしょう。

胃腸の市販薬といえば、CMなどでお馴染みの太田胃散をイメージされる方も多いでしょう。

今回は、加齢に伴う胃腸の変化について説明するとともに、太田胃散を取り上げ、その効果、そして使用上の注意点に関しても解説していきます。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.なぜ歳をとると胃腸が弱くなるのか?

「若いころは、どれだけ食べても平気だったのに、今ではすぐに胃がもたれる…」

「脂っこいモノが好きだったのに、少し食べただけでも胸やけするようになった…」

このような悩みを持つ方は多いですよね。

しかし、その原因はいったい何なのでしょうか?

 

人も生き物である以上、加齢に伴い様々な能力が衰えます。そして内臓に対しても同じことが言えます。

 

年齢を重ねるにつれ、胃そのものが弱くなります。

胃そのものの伸び縮みが悪くなるため、胃が受け止めることのできる食事量が減ってしまいます。

そして食べたものを胃から腸へと送り出す機能も衰えてしまいます。

そのため食べたものが胃に長く残り、胃の不快感を生じる原因となっています。

 

胃の抵抗力も低下します。

普段は胃粘膜に対する負荷と、それに対応する防御のバランスが取れているため、胃の機能が正常に保たれています。

しかし、細菌感染(ヘリコバクターピロリ)や薬(痛み止め等)、そしてストレス等が原因となり、このバランスが崩れると粘膜の炎症や潰瘍を引き起こしてしまいます。

 

年齢を重ねるにつれ、胃も様々な負荷に晒される機会が多くなります。それに伴い胃粘膜の機能が低下することも、様々な症状を引き起こす原因となるのです。

 

それでは、これらの症状にどのように対応すれば良いのでしょうか?

食べる量を控え、消化の良いものを選んで胃腸への負担を和らげる。規則正しい生活習慣を心がけ、適度に運動を行いストレスがかからないように心がける…忙しい毎日の中ではなかなか難しいですよね。

 

症状がひどければ、もちろん病院を受診する必要があります。

しかし症状が軽い内は、市販薬を使い自分でどうにかしたいという人もいるでしょう。

 

次は市販薬の中からCMでもおなじみの太田胃散を取り上げ、その成分や効果などを見ていきます。

 

2.太田胃散について

太田胃散の名前は、聞いたことのある方の方が多いでしょう。

太田胃散が発売されたのは1898年(明治31年)、そのもとになった薬「胃散」は1879年(明治12年)に発売されています。

140年近い歴史を持つ薬なのです。

 

2-1. 太田胃散の商品ラインナップ

「太田胃散」の名で広く知られていますが、いくつかの商品がラインナップされています。

 

・太田胃散

・太田胃散A(錠剤)

・太田胃散(内用液)

・太田胃散チュアブルNEO

・太田胃散整腸薬

 

7種の生薬が中心となる太田胃散、消化剤がメインのA錠剤、スッキリした呑み心地の内用液、水無しでも飲めるチュアブル、そしてビフィズス菌やラクトミンといった乳酸菌が配合された整腸薬と、幅広くラインナップされていますね。

 

今回はこの中でも一番中心となる「太田胃散」について詳しく見ていきます。

 

2-2. 太田胃散の成分と効果

太田胃散の中心となるのは7種類の生薬です。これに胃酸を抑える制酸剤と消化酵素が組み合わされています。

 

生薬:ケイヒ、ウイキョウ、ニクズク、チョウジ、チンピ、ゲンチアナ、ニガキ末

制酸剤:炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム

消化酵素:ビオヂアスターゼ

 

苦味健胃薬(苦みにより胃の働きを良くするもの)としてゲンチアナ、ニガキ末。

芳香健胃薬(香りにより胃の働きをよくするもの)としてウイキョウ、チョウジ、チンピ。

ケイヒは「シナモン」として知られており、胃腸の機能を整えるだけでなく、血行促進作用や強壮作用なども持っています。

ニクズクは香辛料として知られる「ナツメグ」の和名です。下痢を止める作用を持っています。

 

これらの生薬をバランスよく配合し、さらに制酸剤、消化酵素と組み合わせることで、幅広い胃腸症状に効果があるのです。

 

効能・効果

飲みすぎ、胸やけ、胃部不快感、胃弱、胃もたれ、食べすぎ、胃痛、消化不良、消化促進、食欲不振、胃酸過多、胃部・腹部膨満感、はきけ(胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、悪心)、嘔吐、胸つかえ、げっぷ、胃重

 

胃のもたれやムカつきに使われる処方薬

 

胃のもたれやムカつきなどの治療において、病院で処方される薬としては以下のようなものがあります。

 

胃酸分泌を抑えるもの

・H2ブロッカー(ガスター、ザンタックなど)

・プロトンポンプインヒビター(タケプロン、パリエットなど)

・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(タケキャブ)

 

胃腸の運動機能を改善するもの

・ドパミン受容体拮抗薬(ナウゼリン、ガナトンなど)

・セロトニン受容体作動薬(ガスモチン)

 

胃粘膜を修復・保護するもの

・プロスタグランジン系への作用薬(ムコスタ、セルベックスなど)

 

これらのお薬を使用するには医師の診察・診断が必要です。また、胃カメラなどの検査が必要な場合もあります。

(ガスターやセルベックスのように市販薬として販売されているものもあります)

 

3.太田胃散の副作用など使用上の注意点

・服用後、皮膚に発疹・発赤、かゆみの症状が現れた場合

太田胃散に含まれる成分に対するアレルギー(過敏症)の副作用の恐れがあります。服用を中止し、医師、薬剤師に相談してください。

 

・透析療法を受けている人は服用しないでください。

制酸剤に含まれているアルミニウムやマグネシウムは、透析を受けている人の場合、体内に蓄積しやすくなっています。

蓄積したアルミニウムやマグネシウムは体に悪影響を与えます。

そのため透析を受けている方は、太田胃散を服用することはできません。

 

・腎臓病・甲状腺機能障害の診断を受けた人

腎機能が低下している人が太田胃散を服用すると、アルミニウムやマグネシウムをうまく排泄することができず、体内に蓄積する恐れがあります。

甲状腺機能障害の診断を受けた人の場合、甲状腺ホルモンを補充する薬を服用することがあります。太田胃散に含まれるアルミニウムや炭酸カルシウムは、甲状腺ホルモン製剤の吸収を妨げる恐れがあるため注意が必要です。

 

継続的に服用しても副作用は大丈夫?

 

体の状態は常に変化しています。

自分では気付かないうちに腎機能が低下していたとしたら?

いつの間にか、アルミニウムやマグネシウムが蓄積しているかもしれません。

薬に対するアレルギーも、服用を始めてから数か月後に現れることもあります。

 

今、副作用が無くても、しばらくしてから服用したときには、副作用が現れるかもしれないのです。

服用していて何か気になることがあれば、医師や薬剤師に相談してください。

 

4.太田胃散が効かない場合は? 胃薬を使う上で最も重要な注意点!

太田胃散を服用しても、なかなか症状が良くならない場合には病院を受診するようにしてください。

様々な症状に対して効果を持っている薬ですが、胃炎や胃潰瘍ができてしまうと、太田胃散だけで治療することは困難です。

 

そして、太田胃散に限らず、市販の胃薬を使うときに必ず覚えておいて欲しいことがあります。

胃薬は、自分では気付くことのできない大きな病気の症状を隠してしまうことがあるのです。

場合によっては、胃癌による症状を隠してしまうこともあります。

 

服用していてもなかなか改善しない場合、また服用すると一時的に良くなるが、すぐに再燃する場合。

このような場合には、病院を受診するようにしてください。

 

5.まとめ

加齢に伴う胃腸症状の原因、それに対する太田胃散の効果や使用上の注意点を見てきました。

 

人生100年と言われる今、年齢を重ねるにつれ現れてくる様々な変化に上手に対応する必要があります。

食事を含めた生活習慣を改善することで対処できれば一番良いのですが、忙しい毎日の中では難しい…。

そのような時に使う市販薬として、太田胃散は選択肢の一つとなるでしょう。

 

もちろん、気になる症状があるときはキチンと病院を受診するようにして下さいね。

 

執筆
薬剤師:森永 康久
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