歯周病を予防するためにできる日常対策と歯磨き粉の選び方のポイント

歯周病がどのような病気なのか詳しく知っている方は意外と少ないかと思います。しかし、歯周病は全世界のおよそ80%の人が罹患していると言われる病気です。現在歯科治療において、歯を抜くことの最も多い原因は歯周病となっています。
多くの方が歯周病で困っている中、さらに最近では、歯周病は口腔内のみならず全身の病気に対して影響があることが様々な論文などで報告されています。

それでは、歯周病はどのような病気なのでしょうか?そして、歯周病は予防ができるのでしょうか?今回、歯周病について解説するとともに、日常的にできる歯周病に対する予防方法や、数多く市販されている歯磨き粉の選び方のポイントなどについても合わせて説明していきます。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.歯周病とは?

1-1. 歯周病とはどんな病気?

歯周病は、歯肉から出血してきたり、歯肉が腫れたりするなどの歯の周りにある歯周組織が口腔内の細菌に感染して起こる、慢性的な炎症のことです。

 

初期の歯周病は、歯肉が赤くなり出血し、腫脹する、「歯肉炎」という状態です。進行していくと、腫脹した歯肉から膿が出てきたり、歯を支える骨である歯槽骨にも炎症が及び、骨を溶かし初め歯がぐらついてきます(骨吸収)。

 

そのまま放置していくと、歯は更に動揺が大きくなり、物を噛むと痛くなるなど噛むことが困難な状態となり、歯が抜けてしまいうこともあるほどになります。歯周病はある程度進行するまで、痛みを感じることがあまりないために気が付いたら手を付けられなくなるほど酷くなってしまっている場合もあり、非常に恐ろしい病気です。

 

1-2. 歯周病の原因

歯周病の原因としては、直接的な原因としてプラークにあります。

 

プラークは様々な細菌が増殖したものの塊であり、それが歯に付着して歯周組織に炎症を起こしていき破壊していきます。

 

そこにリスクファクターとして、歯並びや歯ぎしりくいしばりなどの咬合習癖などの口腔内環境、ストレス、食習慣、喫煙などの全身的な環境が加わり、歯周病はより複雑なことが絡み合い発症して、進行していきます。

 

歯周病病原細菌

・歯周病の原因の最大の原因として挙げられるものとして細菌があります。歯周病を引き起こす細菌であるために、「歯周病病原細菌」と呼ばれます。

 

歯周病病原細菌は、porphyromonas gingivalis(P.g菌)、Tannerella forsythensis(T.f菌)、Treponema denticola(T.d菌)、Aggregatibacter actinomycetecomitans(A.a菌)などがあります。

 

虫歯の細菌のStreptococcus mutansなどとは異なり、基本的に酸素を嫌い酸素がない場所で繁殖します。そのため、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)の中で繁殖しています。

 

歯周病病原細菌は酸素の変わりにタンパク質やアミノ酸を分解して活動のエネルギーとしています。その時に生じる揮発性硫化物という腐ったどぶのようなガスを生じ、口臭の原因にもなります。これらの細菌は、組織を破壊するような毒素を保有していたり、化学物質を持ち身体の免疫系に作用して炎症を悪化させます。

 

1-3. 歯周病は治療可能なのか?

・歯周病は様々な要素が複雑に絡み合うため、歯周病の治療は困難なものとなります。厳密にいえば、歯周病の治療を行い、歯周病を治癒することは不可能に近いと言っても過言ではありません。

 

また、歯周病は歯周病病原細菌による感染症です。口腔内より歯周病病原細菌を完全に排除すれば、歯周病は発症することを防ぐことが出来るかもしれませんが、完全に排除することは出来ないでしょう。

 

そのため、歯周病は治療というよりもいかにして歯周病のリスクファクターを排除して、歯周病の予防をするための治療という考え方の方が適切です。とくに、歯槽骨が歯周病によって骨吸収された部位は、基本的に回復することは出来ません。

 

ある一定の条件が整えば、歯周組織再生治療を行えば回復させることができます。歯周病の治療は、基本的に感染源の除去となります。基本的な歯周病の治療とは、スケーリングと呼ばれる感染された歯石を歯から取り除く治療や、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)と呼ばれる歯石を歯の根の部分から取り除き、根の部分を滑沢のする治療を行います。それでも、歯周病に改善が認められない場合は歯周外科処置を行い、歯周組織の改善を図ります。

 

1-4. 歯周病を放っておくと

歯周病を放っておくと、歯肉は腫れて化膿し、歯槽骨は歯を支えられなくなり歯が抜け落ちてしまいます。

 

さらに歯周病は口腔内のみならず、糖尿病や心疾患や脳疾患などの全身疾患にも悪影響を及ぼすことが判明されています。このため、歯周病をしっかりコントロールすることが身体の健康に大切であることがわかります。

 

2.歯周病を予防するためにできる日常対策

2-1. 正しい歯磨き

歯周病を予防するために一番重要な事は、日々のブラッシングです。細菌の塊であるプラークを歯に付着させないことが大切です。食後正しくブラッシングすることにより予防できます。

 

正しいブラッシングとは、適度な強さで歯と歯肉の間に歯ブラシの毛先を当て、1本1本丁寧に10分程度磨くことです。歯ブラシの毛先は丸いラウンド毛という虫歯予防に効果がある種類を使うよりも、テーパード毛という毛先が細くなった歯周ポケットに毛先が入りやすく、歯周ポケット内にあるプラークを除去しやすい歯ブラシを用いると歯周病予防に効果的です。

 

歯ブラシがかなり上手になるまでは出来るだけ手用でブラッシングを行うようにしましょう。電動ブラシはブラッシングが上手になってから行う方がよりプラーク除去に効果が発揮できます。

 

2-2. 歯間ブラシやデンタルフロスの使用

正しいブラッシングが出来るようになったら、歯と歯の間(歯間部)の清掃も大変重要になります。前歯部はデンタルフロスでも歯周病の予防に効果がでますが、臼歯部ではデンタルフロスのみの清掃だけではプラークを取り残すことが多くなります。

 

その為、歯間部は歯間部の隙間に合ったサイズの歯間ブラシを選択して清掃しなくてはなりません。

 

2-3. 定期的に歯科医を受診する 

日常的な口腔内の清掃が行い、更に定期的な歯科医院での検診とメンテナンスを行い、より歯周病の予防を心掛けるようにします。

 

どんなにブラッシングが上手な方でも磨き残しがあり、そこからプラークが付着して歯周病が進行することがあります。そのため、2~4か月おきに定期健診を行い、専門的な口腔内の清掃をして歯周病を予防しなければなりません。

 

3.歯周病を予防するための歯磨き粉の選び方・ポイント

日々のブラッシングが歯周病を予防するために一番重要です。歯ブラシだけで正しいブラッシングだけでも十分に予防効果はでます。

しかし、より歯周病予防を効果的に行うために歯磨きを付けてブラッシングを行う事は大切な事となります。

歯磨き粉に含まれる成分がどのような物かが歯磨き粉を選ぶポイントとなります。

 

成分として、

・歯周病病原細菌に対して殺菌・抗菌的な作用があるもの

・炎症に対して効果が期待できるもの

が選ぶポイントとなります。

 

クロルヘキシジンやイソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウムなどは殺菌・抗菌作用に期待ができる成分です。イプシロン-アミノカプロン酸やグリテルレチン酸カリウムなどは抗炎症作用がある成分です。

 

その他、歯肉を引き締める作用や血行促進させる成分を含む歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。最終的にどの歯磨きを選べば良いのか悩んだら、専門家である歯科医師を相談することをお勧めします。

 

4.まとめ

歯周病は誰にでもなる可能性がある病気です。

 

そして、糖尿病や心筋梗塞など同じような生活習慣病でもあります。歯周病の直接の原因は細菌の塊であるプラークですが、日々の生活が歯周病の発症、進行に大きく影響してきます。

 

そのため、規則正しい生活習慣、食習慣を心がけて、食後のブラッシングを正しく行い、定期的に歯科医院での健診およびメンテナンスを行う事が歯周病を予防するために非常に重要なことになります。

 

 

執筆
医師:霜 信孝
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