薬を配達してくれる?薬局の訪問サービス(在宅医療)の仕組みと依頼方法・メリットを解説

"足が不自由で薬局に行くのが大変、お薬が管理できずご家族が管理している、など薬局の方がお薬を配達・管理してくれたら便利なのに・・・とお悩みの方もいるかもしれません。

実は、薬局の中には、薬剤師がご自宅に訪問し、お薬のお届け・管理を行い、患者さまの状態に合わせたお薬を見直すなどの訪問サービス(在宅医療)を行っているところがあります。これは、介護保険、医療保険が適応となるサービスで、利用するには、必要性があると医師に判断され、訪問指示が必要です。

今回は、薬局が行う訪問サービス(在宅医療)の仕組みを解説するとともに、依頼方法や利用するメリットなども合わせて説明していきます。"
※この情報は、2018年1月時点のものです。

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1.薬局の訪問サービス(在宅医療)の仕組み

在宅医療というと、医師がご自宅に訪問し、診察・治療を行う「往診」をイメージする方もいるかと思います。

在宅医療は、医師だけではなく、看護師、そして薬剤師など様々な職種の専門家が連携することによって行われます。その内、ご自宅でのお薬の管理を担うのが「薬局」です。

具体的には、薬剤師がご自宅(又は施設)に訪問し、お薬のお届けから管理、患者さまの状態に合わせたお薬の見直しなどを行います。単にお薬を配達するだけではなく、患者さまの状態・体調を確認、把握し、医師を含め他の職種の専門家と連携することで、お薬の内容の見直しや最適な管理方法を提案します。

 

この薬局の訪問サービス(在宅医療)は一般的には、

・要介護認定を受けている場合→介護保険(居宅療養管理指導

・要介護認定を受けていない等それ以外の場合→医療保険(在宅患者訪問薬剤管理指導

を利用したサービスです。

条件としては、身体機能や認知機能が低下等で、自立した通院が困難な場合に医師の在宅訪問指示により、利用することができます。そのため、健康な方が単にお薬を配達してほしいという理由では、このサービスについては原則利用することはできません。

 

2.どんな場合に薬局の訪問サービス(在宅医療)は利用すべき?そのメリット

次に、具体的にどんな場合に薬局の訪問サービス(在宅医療)を利用すると良いのか?についてと利用することのメリットについて説明していきます。

 

  • 薬局まで行くのが大変、家族が取りに行っている

身体機能や認知機能の低下等によって、薬局までご自身で行くことが難しい場合があります。薬局でお薬を準備し、ご自宅に薬剤師がお薬を持って行きますので、薬局に行く必要はなくなります。また、ご家族が介助で付き添っているケースや代理でどなたかが薬局にお薬を取りにこられている場合にも、その負担を減らすことができます。

 

  • お薬が飲めていない、管理できていない

飲まれているお薬の量が多い場合や他科を受診されていて、色んなところからお薬をもらっている場合など、実際には飲み忘れが多くしっかり飲めていなかったり、管理できていない場合があります。

薬剤師がご自宅に訪問することにより、患者さまの実際の生活環境から服薬状況を知り、その状態に合わせたお薬の管理方法をサポートします。

例えば、朝・昼・夕などお薬を飲むタイミングごとに袋をまとめる(一包化)を行って、飲み忘れを防ぐように日付を印字し、お薬カレンダーやお薬BOXにセットする。カプセルや大きめの錠剤など飲みづらくて服用できていないお薬があれば、OD錠(口腔内崩壊錠)や粉薬、貼り薬への変更などを医師に相談し、変更する。など。

ご家族など介護者がお薬を管理している場合も、その負担を軽減することができます。

 

  • お薬が多くて、飲み合わせや副作用が心配

色んなところからお薬をもらっていて整理できておらず、飲み合わせや副作用を気にしてしっかり服用できていない方もいます。

薬剤師は、患者さまの体調、お薬の重複、飲み合わせ、副作用の観点などをチェックし、再度、患者さまの状態に合わせたお薬の必要性を見直し、必要に応じて最適なお薬の種類や量を医師に提案・相談します。

 

  • 飲み薬や湿布薬などが自宅に大量に余っている

認知機能の低下などによって、ご自身でお薬の管理ができなくなると服用できていないお薬がご自宅に大量に余る、残薬の問題が挙がってきます。

薬剤師がご自宅に訪問した際に、ご自宅にある残薬の種類と数を全て確認し、服薬状況の把握と残薬分を調整できるように次回の処方の際に処方日数の調整なども行います。

また、服薬状況を医師に報告することによって、より最適な治療につなげることもできます。

 

3.薬局の訪問サービス(在宅医療)の依頼方法

実際に薬局の訪問サービス(在宅医療)を利用してみたいと思ったら、どのように依頼すべきかについて説明します。

 

現在、通院が困難で薬局の訪問サービスを利用してみたい場合には、まずは相談するようにしましょう。

・医師

・薬局

・ケアマネージャー、訪問看護など

必要性が認められ、医師の「在宅訪問指示」があることで、このサービスを利用することができます。

また、薬局で相談された場合には、薬剤師が患者さまの状況を把握し、医師に訪問の必要性を状況報告することによって、必要に応じて利用することができます。

 

利用までの流れは次のとおりです。

 

  • 薬局等への相談
  • 患者さまの状況を確認
  • 薬局にて医師の在宅訪問指示に基づき準備
  • 薬剤師より訪問の目的や内容について説明・同意、保険の確認等
  • 訪問サービス(在宅医療)開始

 

まずは、利用したい場合には「相談すること」からはじめましょう。

 

利用するにはいくらかかるの?

薬局の訪問サービス(在宅医療)を利用する場合は、国で定められている保険点数に基づき、訪問につき、お薬の料金とは別に次の支払いが必要です。

<介護保険(居宅療養管理指導)>

通常 :503円(1割負担) 1008円(2割負担)

同一建物居住者(同居や施設など):352円(1割負担) 704円(2割負担)

<医療保険(在宅患者訪問薬剤管理指導)>

通常 :650円(1割負担) 1300円(2割負担) 1950円(3割負担)

同一建物居住者(同居や施設など):300円(1割負担) 600円(2割負担) 900円(3割負担)

 

ご家族の方の場合、いつも家にいるわけではないため、支払い方法を心配される方もいるかと思います。支払い方法は、薬局によって対応が異なります。現金での支払いや月ごとにまとめて口座引き落とし、口座振り込みなどがありますので、訪問を依頼する薬局にご相談下さい。

4.こんなことも?!薬局の在宅医療の役割

  • 医療用麻薬や無菌調剤が必要な製剤の供給

特定の疾患やターミナルケア(終末期医療)などの場合、医療用麻薬や無菌調剤を必要とする輸液(点滴)や注射薬が必要となることがあります。

 

在宅医療に力を入れている薬局では、そういった機能・役割を十分に果たせるよう、麻薬に関する届け出を行っていたり、必要な設備(無菌調剤室)を薬局内に設置しています。必要に応じてお薬以外の衛生材料等も取り揃えています。

 

  • 緊急時の対応

在宅医療においては、病院での入院と違い、24時間常に医療従事者が近くにいることができません。そのため、在宅医療を担う医療関係者は、何かあったときの緊急対応に備えて、24時間365日対応できる体制を整えています。

 

薬局においても、訪問サービス(在宅医療)を行うには、緊急時必要なときにお薬を準備できるよう24時間365日対応できる体制を整えています。

 

  • 多職種の方や病院との連携

病院での医療環境をご自宅で整備するためには、様々な医療・介護の専門家が連携して行う必要があります。薬局でご自宅にお薬を届け・管理している場合にも、服薬状況や症状の変化などを随時、医師や看護師、ケアマネージャーの方等に報告を行い、相談や提案を行っています。

 

また、病院に入院している方がご自宅での療養を希望される場合には、退院時に、主治医や病院内のスタッフと在宅療養を担当する医師や関係者によってその患者さまの病態や状況について情報を共有する機会(退院時カンファレンス)があります。病院の退院時カンファレンスに薬局の薬剤師が参加することで、今後の治療における薬剤選択の助言を行います。

5.おわりに

今回は、薬局が行う訪問サービス(在宅医療)の仕組みを解説するとともに、依頼方法や利用するメリットなども合わせて説明しました。

 

薬局への来局が困難で、訪問サービス(在宅医療)を希望される場合には、まずは、医師や薬局にて相談するようにしましょう。患者さまの状況を判断し、必要に応じて利用することができます。

 

お薬を単に配達するというだけではなく、管理できていないお薬を整理したり、飲めるように工夫を行ったり、副作用などの症状をチェックし、最適なお薬を提案するなど、様々なプラスの面があります。在宅医療を含め、地域の医療を支えるべく薬局も様々な機能を持っていますので、是非ともご活用いただければと思います。

 

 

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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