【花粉症対策】市販で購入できる「点鼻薬」、処方薬との比較と注意点を解説

花粉症シーズンになると、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど、非常に苦しい思いをされる方も多いのではないでしょうか?国民の4人に1人がスギ花粉症といわれています。このように執筆している私自身も、毎年、花粉症に悩まされてます。

そんな花粉症のときに症状を和らげる「点鼻薬」、病院で処方されるもの、市販で購入できるものなど様々な種類があります。処方薬と市販薬では、含まれている成分や量、使用用途などに違いがあります。また、市販薬においても、処方薬と同じ成分を含む点鼻薬もあります。

今回は、花粉症点鼻薬における処方薬と市販薬の違い・特徴を解説するとともに、点鼻薬を使用する上での注意点についても説明していきます。
※この情報は、2017年12月時点のものです。

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1.花粉症点鼻薬、処方薬と市販薬の違い・特徴

花粉症のときに症状を和らげる点鼻薬には、病院で処方されるもの(処方薬)市販で購入できるもの(市販薬)があります。

病院で処方される点鼻薬では、主に、「ステロイド成分」、「抗アレルギー成分」、「血管収縮成分」を含むものがあります。一方、市販で購入できる点鼻薬においても、実は、全く同様に「ステロイド成分」、「抗アレルギー成分」、「血管収縮成分」のものがあります。

 

そこで、処方薬と市販薬で、何が違うの?というと、「市販で購入できる点鼻薬の成分は、種類や量が限られている」ということと、「安全面から使用方法が限定されている」という点です。

例えば、点鼻薬のステロイド成分ですと、処方薬には様々な成分がありますが、市販薬では、現状だと、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルなど限られた成分のものしかありません。また、18歳未満では使用しないこと(年齢制限)や花粉など季節性アレルギーに対してなど短期間での使用に限っています。

このように、ご自身の管理でも安全にお薬を使用していただくために、市販薬は安全性がある程度保証できる成分に限定し、使用用途も限定的なものとなっています。

 

花粉症で、病院に行こうか、市販薬で済ませようか迷われている方

 

花粉症の方の中で、病院に行った方が良いか、それとも市販薬で乗り切ろうか迷われる方もいるかと思います。次のような場合には、市販薬で対処するのではなく、病院に行ったほうが良いでしょう。ご参考下さい。

 

・現在、医師の治療を受けている方

・花粉症なのか、他の原因による症状なのかはっきりしない方

・感染症を疑うような黄色い鼻水(膿性鼻漏)が出ている方

・発熱や吐き気など全身症状が見られる方

・症状がひどい、長く続いている方

・市販薬を数日使用したが、症状が改善されない方

・妊娠している可能性がある、妊娠中、授乳中の方

・18歳未満の方

鼻炎

2.処方薬:代表的な点鼻薬を解説

処方薬において花粉症の治療に用いられる点鼻薬としては、主に「ステロイド成分」、「抗アレルギー成分」、「血管収縮成分」があります。

 

  • ステロイド成分

ステロイド成分は、鼻の粘膜で起こるアレルギー症状に対して、高い抗炎症効果が期待できます。

 

<代表的な点鼻薬>

・アラミスト(成分:フルチカゾン フランカルボン酸エステル)

・エリザス(成分:デキサメタゾン シペシル酸エステル)

・ナゾネックス(成分:モメタゾン フランカルボン酸エステル)

・リノコート(成分:ベクロメタゾン プロピオン酸エステル

・フルナーゼ(成分:フルチカゾン プロピオン酸エステル)

 

ステロイド点鼻薬は、近年では、軽症、初期の段階から用いられるお薬(第一選択薬)として位置づけられています。初期、症状が軽いときから使用することで、ピーク時に症状が悪化するのを抑えることができるとされています。

参考)2016年版鼻アレルギー診療ガイドライン

 

それぞれの点鼻薬では、粉末、液体タイプの違いや使用回数や使用方法・操作(デバイス)の違いなど特徴があります。作用・効果に関しては個人差があるため、一概にどれが良いかとは言えず、ご自身にあったものを主治医と相談の上、使用されるのが良いでしょう。

 

「ステロイド=副作用がこわい」

 

なんとなくこのようなイメージの方も多くいらっしゃいますが、過度の心配はいりません。点鼻薬においては、作用が局所的で、全身に作用するわけではありません。そのため、長期間に渡って使用したり、誤った使用をしない限りは、副作用の心配はほとんどありませんのでご安心下さい。

  • 抗アレルギー成分

抗アレルギー成分としては、さらに「抗ヒスタミン成分」や「ケミカルメディエーター遊離抑制成分」に分けられます。

抗ヒスタミン成分は、アレルギー反応を引き起こす体内物質であるヒスタミンの作用を抑えることで、アレルギー症状を改善します。ケミカルメディエーター抑制成分も同様に、アレルギー反応を引き起こす物質(ケミカルメディエーター)の放出を抑制することで、アレルギー症状を改善します。

 

<代表的な点鼻薬>

-抗ヒスタミン-

・ザジテン点鼻液(成分:ケトチフェン フマル酸塩)

・リボスチン点鼻液(成分:レボカバスチン塩酸塩)

-ケミカルメディエーター遊離抑制-

・インタール点鼻液(成分:クロモグリク酸ナトリウム) 

 

  • 血管収縮成分

血管収縮成分は、鼻づまりを和らげる作用が期待できます。鼻がつまっている状態は、鼻の粘膜にある血管が拡張し、浮腫を起こしています。この血管を収縮させる(交感神経刺激)ことで、浮腫を取りのぞき、鼻づまりを解消するとされています。

 

<代表的な点鼻薬>

・プリビナ液(成分:ナファゾリン硝酸塩)

・トラマゾリン点鼻液(成分:トラマゾリン塩酸塩)

・ナシビン点鼻・点眼液(成分:オキシメタゾリン塩酸塩)

 

鼻づまりが特にひどいときに使われることがあります。

 

鼻づまりに対して即効性が期待できますが、長期で使用を続けたり、繰り返し使用を続けると、かえって症状を悪化させることがあるため注意が必要です。必ず医師の指示を守って、使用するようにしましょう。

 

プリビナ液(血管収縮成分)の注意記載:インタビューフォームより抜粋

 

<重要な基本的注意>

 連用又は頻回使用により反応性の低下や局所粘膜の二次充血を起こすことがあるので、急性充血期に限って使用するか、又は適切な休薬期間をおいて使用すること。

 

(解説)

局所粘膜の充血除去のために本剤を使用していると、一般の局所血管収縮剤にみられるリバウンド現象としてかえって充血、鼻閉を起こすことがある。また、これが常用癖につながるおそれがあるので、定められた用法・容量を厳守するとともに長期連用は避けなければならない。本剤の長期常用者では鼻粘膜の肥厚が認められたとの報告、また、 ウサギの鼻粘膜に本剤を投与して、8日目から鼻粘膜の組織学的変化を認めたとの報告がある。 使用日数は疾患の種類や症状の程度により変わってくるが、本剤は 3~5 日以上続けて使用すべきでない、また 3~14 日間との報告がある。本剤の連続投与中に生じた鼻粘膜の二次充血、腫脹は、たとえ長期常用者の場合であっ ても投与中止により 7~10 日間位で消失するといわれている。

 

鼻炎

 

3.市販薬:タイプ別点鼻薬を解説

続いて、市販で購入できる点鼻薬についてご紹介します。

こちらにご紹介する市販薬が全ての点鼻薬ではありませんので、詳しくは店頭の方に必ずご相談下さい。

 

  • 症状がつらい方向け:処方薬と同成分のステロイド点鼻薬

市販で購入できるステロイド点鼻薬の成分は、「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」が代表的です。処方薬である「リノコートカプセル鼻用50μg」「リノコードパウダースプレー鼻用25μg」の成分と同一で、スイッチOTCと呼ばれるものです。

今後、スイッチOTCは増えていくことが予想されるため、市販で購入できる点鼻薬のステロイド成分も他に種類が出てくる可能性はあります。

 

※スイッチOTCとは・・・医師の判断で処方箋がないと服用できなかった医療用医薬品の成分が、市販薬として販売することが許可され、薬局・ドラッグストアなどで購入できるようになった市販薬のことを意味します。

 

抗炎症作用が期待でき、花粉症の症状である、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを改善します。特に、一般的な抗アレルギー系のお薬が効きにくい鼻づまりにも効果が期待できます。

 

<市販薬例>

・AGアレルカットEX【指定第2類医薬品】 / 第一三共ヘルスケア

・コンタック鼻炎スプレー【指定第2類医薬品】 / グラクソ・スミスクライン

・ナザールαAR【指定第2類医薬品】 / 佐藤製薬

・パブロン鼻炎アタック【指定第2類医薬品】 / 大正製薬

※これらは全て「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」を主成分としています。

 

  • 鼻水やくしゃみなど症状が比較的かるい方向け:抗アレルギー成分

抗アレルギー成分である「抗ヒスタミン成分」や「ケミカルメディエーター遊離抑制成分」が含まれている市販薬です。

主には、アレルギー反応による鼻水やくしゃみなど、鼻の炎症を鎮める作用が期待できます。

 

成分としては、ケトチフェンフマル酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩、クロモグリク酸ナトリウムなどが該当します。

これらの成分を含む市販の点鼻薬では、複数の成分を合わせて配合していることも多くあります。

 

<市販薬例>

・ザジテンAL鼻炎スプレー【第2類医薬品】 / グラクソ・スミスクライン・CHJ

 ※処方薬「ザジテン点鼻液」と同様成分「ケトチフェンフマル酸塩」を配合

 

  • 鼻づまりを早く改善させたい方向け:血管収縮成分

血管収縮成分は、鼻づまりの症状に対して即効性が期待できます。一方、鼻水やくしゃみなどの症状を和らげる作用はないため、抗アレルギー成分などと合わせて含まれている点鼻薬も多くあります。成分としては、ナファゾリン塩酸塩やオキシメタゾリン塩酸塩などが該当します。

 

<市販薬例>

・ナシビンMスプレー【第2類医薬品】 / 佐藤製薬

 ※処方薬「ナシビン点鼻・点眼液」と同様成分「オキシメタゾリン塩酸塩」を配合

・パブロン点鼻クイックJL【第2類医薬品】 / 大正製薬

 ※抗アレルギー作用のある「ケトチフェンフマル酸塩」と処方薬「プリビナ液」と同様成分「ナファゾリン硝酸塩」を配合

 

過度に心配する必要はありませんが、長期で使用を続けたり、繰り返し使用を続けると、かえって症状を悪化させることがあるため、正しい使用方法を守って使用するようにしましょう。

 

4.花粉症で点鼻薬を使用する上での注意点

  • 鼻症状がひどくなる度に使用するのはNG

点鼻薬というと、鼻症状がひどいときに1日に何度も使用してしまう方がみられます。実は、それは間違いで、1日あたりの使用回数や回数の限度は、通常、決まっています。

医師に指示された使用方法、又、必ず決められた回数・タイミングで使用するようにしましょう。回数を多く使用したからといって効果は高まるわけではなく、副作用のリスクがただただ高まる可能性がありますので、注意が必要です。

 

  • 昨年の点鼻薬がまだ残っていて使用する場合には要注意

開封されているもの、使用途中のもの、管理状態が保証できないものであれば、破棄してください。正しい効果が見込めないばかりか、体に悪影響をおよぼす可能性があります。

管理状態が良く、開封されていないものであれば、使用期限を確認(パッケージや点鼻薬に記載あり)し、期限を過ぎていないようであれば、使用しても問題ありません。但し、明らかに花粉症状で昨年と同じだと分かっていれば問題ありませんが、症状が曖昧な場合には、自己判断で使用する前に早めに医療機関を受診し、診察してもらった上、適切なお薬をあらためて処方してもらうほうが良いでしょう。

 

  • 眠くなる成分が入っている点鼻薬を使用時には眠気に注意

特に、ケトチフェンフマル酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分には、眠気の副作用症状があります。抗ヒスタミン成分を含む点鼻薬使用時には、使用後に運転などは控えるようにしましょう。

眠気が起きて欲しくない場合には、抗ヒスタミン成分を含まないステロイド点鼻薬等を選ばれると良いでしょう。

 

5.おわりに

今回は、花粉症点鼻薬における処方薬と市販薬の違い・特徴を解説するとともに、点鼻薬を使用する上での注意点についても説明しました。

 

病院を受診して処方される点鼻薬のほうが種類は幅広く、診断の上、より症状に適したものを使用できる可能性は高いです。病院に行く時間がなく、症状が軽度の場合であれば、市販で購入できる点鼻薬でも対応することは可能です。

 

今回は、花粉症に使用されることがある「点鼻薬」について説明しましたが、そのほかにも内服薬(飲み薬)や目薬などもあります。適切なお薬で花粉症のつらい症状を和らげるためには、主治医にご自身の症状を相談し処方してもらう、又は、市販薬を販売している店頭の薬剤師によく相談して購入するようにしましょう。

 

点鼻薬については、自己判断で勝手な使い方をせず、必ず使用方法を守って、使用するようにしましょう。

 

鼻炎

 

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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