妊婦中は便秘になりやすい?その原因と服薬可能な4種類の便秘薬とサプリ

妊娠をきっかけにこれまでにない体の変化がいくつか起こり、本やネットで知っていたもののいざ実際になってしまうと戸惑ってしまいますよね。そんな妊娠後によく起こる体質の変化の一つに「便秘」があります。

妊娠前はいつもスッキリ、快便だったのに妊娠してから便秘がちになり、ヨーグルトなどの発酵食品や腸にやさしいとされるご飯を食べているにも関わらず、便秘が治らないことってよくあることです。

どのような薬でも妊娠中の服薬はできれば避けたいもの。でも赤ちゃんを元気に育て無事に出産できるママの体づくりをするためにも、どうしてもの時は頼っても問題ありません。

この記事では、まず妊娠中に便秘になりやすい理由を理解いただいた上で、改善すべき生活習慣の紹介とそれでもなお便秘が解消できない時に赤ちゃんにも安心で妊婦が服薬できる便秘薬やサプリを紹介します。

快適なマタニティライフの参考にしてもらえればと思います。
※この情報は、2017年3月時点のものです。

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1.妊娠すると便秘になりやすい理由

妊娠による心身の体の変化によって便秘が起こりやすくなり、主な原因は次の5つです。

 ・女性ホルモンの影響

・子宮が腸を物理的に圧迫

・つわりでによる食生活の変化

・運動不足

・疲労やストレスなどでメンタルバランスが不安定

1-1. 女性ホルモンの影響

妊娠するとホルモンバランスが変化し、女性ホルモンの「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が増加します。

プロゲステロンは妊娠を継続するために必要なホルモンですが、腸の筋肉にも作用して排便を促す腸のぜん動運動(臓器が収縮する運動)を低下させてしまいます。

 

また、プロゲステロンは体内に水分を蓄えようと腸からの水分吸収を増やす作用があり、これが原因で便の水分量が少なくなり便を普段より固くしてしまい、排便しづらくさせることも考えられます。

1-2. 子宮が腸を物理的に圧迫

赤ちゃんが育って子宮が広がると胃や腸などの内臓を圧迫するため、便が腸で滞りがちとなります。

これは妊婦に起こりやすい痔の原因にもなります。

1-3. つわりによる食生活の変化

特に妊娠初期では、つわりが原因で食事に偏りが生まれ、食べられるものだけ食べる、という状況になりやすく、ビフィズス菌など腸内にいる善玉菌のエサとなる食事がとれないと便秘などの体の不調の原因となり得ます。

 

食事の偏りが食物繊維や水分の不足をもたらしている場合は、善玉菌のエサが減り便も固くなって便秘がちになります。

 

妊娠中は食事の好みが極端になることがあります。

私の妻の場合は「とにかく肉!」だったようで、焼肉など肉を食べる機会が多くありました。

つわりだけでなく、妊娠中は無意識のうちに便秘になりやすいご飯ばかりを食べてしまっていることがあるので、気を付けなければいけませんね。

1-4. 運動不足

適度な運動には腸の動きを促すため、運動量が減ると便秘になりやすくなります。

赤ちゃんを気づかい周囲の方からも安静にするようすすめられますし、ママ自身もそうしがちです。

お腹が大きくなったり、疲労などで運動するのもおっくうになることも、原因の一つにあるかもしれません。

1-5. 疲労やストレスなどでメンタルバランスが不安定に

「マタニティ・ブルー」という言葉のとおりで、特に妊娠初期は体調や生活の変化で疲れやすく、ストレスが多くかかり精神的に不安定になりがちです。

お姑さんなど義家族との付き合いが増えたり、仕事などの日常生活内のストレスも増えることもあるでしょう。

こうしたストレスフルな状態に置かれ、メンタルバランスが不安定だと自律神経の乱れが起こりやすくなります。

 

腸などの消化管は自律神経の一つである副交感神経に影響を受けており、ストレスで副交感神経の働きが悪くなると、腸の動きが弱くなって便秘になりやすくなります。

 

2.妊娠中でも服薬できる便秘薬

妊娠中の便秘の解消には、まずは紹介した便秘になりやすい生活習慣を見直すことが第一になります。

  • 水分をたくさんとるようにする
  • 野菜などから繊維質をとるようにする
  • ヨーグルトや発酵食品を食べる
  • ウォーキングなどの軽い運動をする
  • 自分なりのストレス発散法を見つける

などです。

 

たかが便秘ですが、されど便秘です。

便は老廃物ですので、体にとっては不要なものですから、さまざまな体の不調の原因になります。

生活習慣の見直しでは改善されない場合は、ママの体のためにも薬の力を借りても問題ありません。

 

薬は赤ちゃんにとって良くない働きをするものもありますから、安心して服薬できるものが多いと言われても、便秘薬を使用するときはどうしても不安があると思います。

そこで、妊娠中でも服薬可能で、産科医師がよく処方する便秘薬を紹介します。

2-1. 善玉菌の薬(軽い便秘でヨーグルトや発酵食品を食べない方向け)

「ビオフェルミン」、「ラックビー」、「ミヤBM」など善玉の腸内細菌を増やす薬は、体に吸収されて作用を発揮するものではなく赤ちゃんに影響を及ぼさないため安心して服薬できます。

 

ただし、便秘薬(下剤)というより腸を正常な状態にする「整腸剤」であり、高い便秘改善の効果は見込めません。

2-2. マグネシウム製剤(慢性的な軽い便秘の方向け)

「マグミット」、「酸化マグネシウム」などは、腸内の水分を吸収して便を柔らかくする薬で、善玉菌の薬と同じく体に吸収されて作用するのではないので、安心して服薬できます。

この薬は腸内に水分がないと十分効果を発揮しませんから、水分を多めに摂取することが重要となります。

市販薬でも発売されていますが、他の薬との飲み合わせがよくないことがあるので、服薬前には産科医師に相談することをおすすめします。

2-3. パントテン酸(ビタミンB5)(軽い便秘で食事が偏っている方向け)

「パントシン」、「パンテチン」は、副交感神経に作用して腸管の動きを良くするため、便秘の時の薬として使用されます。

水溶性ビタミンであり体に不要な分は便として排泄されるので、薬として服薬しても赤ちゃんに影響を及ぼすことはありません。

(ビタミンAなどの脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、K)は妊婦の大量摂取は不可)

 

実はパントテン酸は、肉類・卵・魚卵・大豆を中心にさまざまな食品に含まれているため、通常の食生活をしていれば不足することはありません。

つわりなどで食事が偏っている時は効果があるかもしれません。また、サプリメントとしても気軽に購入できます。

2-4. ピコスルファートナトリウム(便秘が重い方向け)

「ラキソベロン」などは、大腸を刺激してぜん動運動を促す下剤で、これまでに紹介した薬と違って、しっかりとした排便効果が期待できる特徴のため、ひどめの便秘に使用されます。

この薬も体には吸収されずに腸管内に留まるため、赤ちゃんに影響なく安心して使えるとされています。

 

強制的にぜん動運動を促すため腹痛が起こる可能性があり、できればこの薬は飲まなくて済むように生活習慣の改善や他の薬で便秘が解消されるといいですね。

 

市販薬でも発売されていますが、服薬前に産科医師に相談しておくようにしてください。

3.妊娠中は服薬できない/やめておくべき便秘薬

3-1. 医師の判断で服薬できる薬

「センナ」という植物を含む漢方薬やその薬効成分を取り出した薬である「プルゼニド」や「アローゼン」は、強力な下剤のため頑固な便秘に使用されます。

妊婦が服用すると流産・早産のリスクを高める可能性があることが知られているため、産科医師から処方された場合に限り服薬するにとどめておく必要があります。

 

「センナ」は複数の漢方薬に含まれていますから妊娠中は漢方薬を気軽に服薬してはいけません。

また、頑固すぎる便秘の最終手段に使用される「浣腸」も絶対にダメではありませんが、医師の管理の元に使用する必要がある薬です。

 

いずれも市販薬として多く発売されているので注意が必要で、自己判断では服薬しないようにしてください。

3-2. 絶対にダメな薬

「アミティーザカプセル」という2012年に発売された新しい下剤は、服薬すると赤ちゃんによくない影響があることが分かっているので、妊婦は服薬してはいけない薬です。

 

同じ成分を含む市販薬はなく医療用医薬品(病院で処方される薬)しかないので、うっかり服薬することはないでしょう。

4.妊婦でも摂取可能なおなかの調子を整えるサプリ

サプリには薬にはない成分でおなかの調子を整えるものがありますので、食事や運動習慣の見直しは行ったけど便秘は解消されない、でも薬を使うのはちょっとという方はサプリを試すのもアリです。

 

具体的には、妊婦でも服薬可能な医薬品で紹介した善玉菌は、サプリとしても多くの商品が発売されています。

善玉菌のエサとなる「オリゴ糖」や「難消化性デキストリン」などの食物繊維も安心して摂取できるサプリです。

 

いずれも特定保健食品:トクホとして発売されています。

トクホは効果や安全性が確認されているものですから、安心度がより高いでしょう。

5.妊婦がなりやすい「痔」のためにも便秘対策

大きくなる子宮は肛門のあたりまで圧迫し、血流を悪くさせて痔になりやすくなります。

運動不足も血行不良の原因であり、便秘で固くなった便を無理に出そうとすると肛門に圧力がかかって痔を引き起こしてしまいます。

そうなるとまた便をがまんして便秘がひどくなり、痔が悪化して…と負のサイクルに陥りやすくなります。

 

便秘の解消は痔の解消にもつながりますので、出産後も痔で苦労しないためにも便秘対策からはじめしょう。

6.まとめ

・妊娠中の便秘は、ホルモンバランス、腸の圧迫、食事・運動、メンタルの複数要因が合わさって起こりやすい

・まずは生活習慣の見直すことからはじめることが必要だが、改善されない場合は便秘薬に頼ることも問題ない

・体に吸収されず赤ちゃんに影響のない薬であれば服薬可能で、それ以外の薬では一部で医師管理下で服薬できるものがある

・トクホなど、おなかの調子を整えるサプリメントも妊娠中に摂取可能なものがある

・妊婦に起こりやすい便秘と痔はセットであり、便秘解消が痔の解消にもつながる

 

 

執筆
薬剤師:産業 薬剤師
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