医師監修

【薬剤師が解説】リンデロンVG軟膏の効果・副作用と使い分け

竹中 孝行
コトブキ調剤薬局 横須賀店

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病院で処方されることが多い代表的なステロイド塗り薬で、「リンデロンVG軟膏」があります。気軽に塗っても良いものか不安な方やリンデロンVやDPなどと何か違いがあるのかなと疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

リンデロンVG軟膏は、ステロイド成分と抗生物質を含む塗り薬です。リンデロンシリーズはいくつか種類があり、アルファベットが違うことで、含まれている成分やステロイドの強さが変わってきます。

今回は、リンデロンVG軟膏について効果・副作用を解説するとともに、リンデロンシリーズの使い分けや市販で購入することができるのか?に関してもあわせて説明します。ぜひ、本記事を参考に正しいお薬の知識を深め、安心安全に使用するようにしましょう。
※この情報は、2017年6月時点のものです。

1.リンデロンVG軟膏とは?

まずは、リンデロンVG軟膏の基本的な知識を解説します。

1-1. リンデロンVG軟膏の成分と作用

リンデロンVG軟膏は、細菌の感染の可能性がある、又はそのおそれのある湿疹、皮膚炎、乾癬(かんせん)などの治療に使用します。

リンデロンVG軟膏の主な成分は2つあります。

 

ベタメタゾン吉草酸エステル
 →5段階のうち3番目の強さ「強い」にあたるステロイド成分(合成副腎皮質ホルモン剤)

ゲンタマイシン硫酸塩
 →細菌の感染の拡がりをおさえる抗生物質(処方薬ゲンタシン軟膏の主成分)

 

これら2つの成分により、化膿している、又はそのおそれのある炎症などに対して、ステロイドの抗炎症作用と抗生物質による化膿止めの効果が期待できます。湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど、様々な皮膚疾患に対して、幅広く使用されます。ただし、明らかな感染症があるときは、別途感染症に対する治療も必要です。医師とよく相談しましょう。

リンデロンVG軟膏の適応症
※添付文書記載
<適応症>
○ 湿潤,びらん,結痂を伴うか,又は二次感染を併発している次の疾患:
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,脂漏性皮膚炎を含む),乾癬,掌蹠膿疱症
○ 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染

ステロイド塗り薬の強さについて


ステロイドの塗り薬は、主に「血管収縮指数※」と「臨床での効果」によって評価され、強さが5つのランクに分けられています。

 

1. 最も強い(Strongest)
2. とても強い(Very Strong)
3. 強い(Strong)
4. 普通(Medium)
5. 弱い(Weak)



皮膚の炎症の重症度によって、ステロイドの強さを選びます。炎症がひどいほど、強いタイプのステロイド塗り薬が候補に挙がります。しかし、全く同じような症状でも、本人の年齢・体質などの背景によって、適したお薬は変わります。また、使用する場所によっても、どのステロイドの塗り薬が適しているかは変わります。

※血管収縮指数
皮膚に塗ったときに血管がどの程度収縮するかを示しています。この数値が高いほど、お薬の作用が強いとされ、作用の強さを示すひとつの指標となります。

1-2.  リンデロンVG軟膏の使い方

リンデロンVG軟膏は、伸びがよく、ほとんど匂いもないため、塗りやすいお薬です。

 

通常は、1日1回~数回、患部に塗るようにします。症状に応じて、医師から適量や塗る回数などの指示があると思いますので、医師の指示を守って、患部を清潔にしてから塗るようにしましょう。

 

万が一、指示されている時間帯に塗り忘れたことに気づいた場合には、気づいたときに塗って問題ありませんが、その場合には、次に塗るタイミングをずらすようにしましょう。

 

塗り薬は、局所的に作用をするため、副作用の心配はほとんどありません。

しかし、長期にわたって使用したり、広範囲にわたり使用を続けたりすると副作用のリスクが高まるため、必ず医師と都度相談しながら使用するようにしましょう。

顔面、頸、わきの下、陰股部は皮膚がうすく、副作用が出やすいので、効果の弱いステロイドを用いるか、塗る回数を工夫することが必要です。

 

また、本来、医師に指示されている場所以外で使用すると、塗布できる場所に適していない場合があり、副作用を引き起こす可能性があります。必ず、医師の指示どおりに使用するようにしましょう。

2.その他のリンデロンシリーズとの違いと使い分け

リンデロンと名前がつく塗り薬として、リンデロンVG軟膏の他に、リンデロンV、リンデロンDP、リンデロンAの塗り薬があります。名前の最後のアルファベットに違いがあり、含まれている成分やステロイドの強さが違ってきます。また、軟膏の他にも、クリーム、ローションのタイプもあるため、その使い分けも解説します。

2-1. 抗炎症作用のみを期待したい:リンデロンV

リンデロンVの主な成分は、ステロイド成分のみです。

ベタメタゾン吉草酸エステル
 →5段階のうち3番目の強さ「強い」にあたるステロイド成分

 

ステロイド成分のみになるので、抗炎症作用を期待して、湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど、様々な皮膚疾患に対して、幅広く使用されます。疾患・症状によっては、比較的皮膚が薄い部分(顔まわりや外陰部など)にも使用することがあります。

2-2. より高めの抗炎症作用を期待したい:リンデロンDP

リンデロンDPの主な成分は、ステロイド成分のみにです。

 

ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
 →5段階のうち2番目の強さ「とても強い」にあたるステロイド成分

 

VやVGに含まれるステロイド成分と名前は似ているのですが、強さのランクが1つ上の成分を含んでいます。ステロイド成分のみになるので、抗炎症作用を期待して、湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど、様々な皮膚疾患に対して使用されます。

一般的には、やや強めのタイプですので、皮膚が薄い部分(顔まわりや外陰部など)には使用せず、手足や体幹など皮膚の厚い部分に使用します。

2-3. 目や耳、鼻などに使用する:リンデロンA

リンデロンAの主な成分は、2つあります。

 

ベタメタゾン酸エステルナトリウム
 →正式に作用の強さはランク分けされていませんが「弱い」に相当するステロイド成分

フラジオマイシン硫酸塩
 →細菌の感染の拡がりをおさえる抗生物質(処方薬ゲンタシン軟膏の主成分)

 

顔まわりに使用できることから、「弱い」に相当する強さだと想定できるステロイド成分と、抗生物質を含んでおり、眼や耳、鼻などで、細菌感染の可能性がある、又、そのおそれのある炎症性の疾患に使用します。

眼・耳科用の軟膏、点眼・点鼻用の液のタイプがあります。

2-4. 軟膏・クリーム・ローションの使い分け

主に、軟膏、クリーム、ローションのタイプがあります。それぞれの特徴について説明します。

 

●ジュクジュクした患部にも、乾燥している患部にも:軟膏

油分に薬の成分が含まれており、皮膚を保護する作用が強く、保湿性に優れています。また刺激性が少ないのも特徴です。その反面、べたつき感やテカテカ感があります。
潰瘍やびらんなどジュクジュクしている患部から、アトピーやかさぶたなど乾燥している患部まで、幅広く使用することができます。

 

●使用感が良く、浸透性に優れる:クリーム

水と油を混ぜ合わせて作った乳剤性基剤です。伸びがよく、軟膏ほどべたつきが少ないため、広範囲に塗りやすいです。また、皮膚への浸透性が良いことも特徴です。

その反面、刺激性があり、潰瘍やびらんなどジュクジュクしている患部には適していません。
使用感が良いため、露出のある肌に塗る場合に好まれたり、足のかかとなど皮膚が硬い患部に使用することがあります。

 

●毛が多い部位に:ローション

水溶性外用剤で、クリームよりも更に使用感がさわやかでべたつきがありません。即効性はある一方で、持続力がありません。
軟膏やクリームでは対処しづらい、頭部などの毛が多い部位に対してよく使用されます。

3.リンデロンVG軟膏の副作用と注意点

3-1. リンデロンVG軟膏の副作用

塗り薬は、局所的に作用をするため、広範囲への使用や長期にわたって大量に使用せず、短期間で正しく使用する分には、副作用の心配はほとんどありません。

但し、稀に次のようなステロイド特有の副作用症状が出ることもあります。

詳しくは、添付文書を確認していただくか、医師や薬剤師に確認するようにしましょう。乳幼児では効果が成人に比べてつよく出やすいので、成人より1つランクの低い弱いステロイドをすすめられることもあります。

 

代表的な副作用症状(一部)

・毛細血管拡張・・・血管が浮き出てみえる
・皮膚萎縮・・・皮膚が薄くなる
・皮膚に赤みがでる
・にきび
・皮膚感染症
・過敏症、接触性皮膚炎・・・発疹・発赤、かぶれ  など

 

又、稀に、まぶた周辺に使用したときや、大量又は長期にわたって広範囲に使用すると下記のような副作用が出ることもあります。
・眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障
目が見えにくい、目がかすむ、目の痛み、まぶしいなど、目に異常を感じた際は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

通常は、その塗り薬の使用を中止することや使用方法を変更したりなど行うことで症状は回復します。万が一、このような症状がみられた場合には、直ぐに医療機関を受診し、医師の判断を仰ぐようにしましょう。

その一方で、皮膚の症状が改善したら、塗る回数を減らしたり、ステロイドの強さを弱くしたりすることがありますが、やめるときも、自分で勝手に急に使用を中止すると皮膚の炎症が再燃する可能性もあるので注意しましょう。またそのため、症状の変化を見逃さないように定期的に医療機関を受診することも大切です。

3-2. 使用上の注意点

自己判断で勝手に使用すると、思いもよらない副作用を引き起こす可能性があるため、必ず医師や薬剤師の指示を仰ぐようにしましょう。

 

というのも、今回の説明のとおり、リンデロンと名がつくお薬だけでも、種類によって、作用の強さや適した患部などには特徴があります。

そのため、同じリンデロンだから良いかと自己判断で使用した場合、思いもよらない副作用を引き起こしてしまう可能性があります。家に余った塗り薬があったとしても、必ずその処方元の医師や薬剤師にまずは相談するようにしてください。

 

また、お薬には、使用期限があります。一般的に塗り薬の場合、パッケージ(軟膏の場合は、チューブの端の部分)を確認していただくと、使用期限の記載があります。

高温になるような場所で保管をしておらず、未開封のものであれば、その期限を参考にしてもらって大丈夫です。

しかし、開封してしまっている場合や、混合された塗り薬などで別の容器に移されてもらっている場合には、早めに使いきるようにしましょう。

 

古いものは、正しい効果が期待できないことや、悪影響を与える可能性もあるため、使用せずに破棄するようにしましょう。

4. リンデロンVG軟膏は市販で購入できる?

リンデロンVG軟膏と全く同じ2つの成分ではありませんが、同じステロイド成分を含んだ市販薬が販売されています。

 

ベトネベートN軟膏AS【指定第2類医薬品】 / 第一三共ヘルスケア
主な成分
・ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド成分)
・フラジオマイシン硫酸塩(抗生物質)

その他にリンデロンVG軟膏と同じ強さのランクにあるステロイド成分と抗生物質を含んだ市販薬もあります。

 

フルコートF【指定第2類医薬品】 / 田辺三菱製薬
主な成分
・フルオシノロンアセトニド(ステロイド成分)
・フラジオマイシン硫酸塩(抗生物質)

その他にも、ステロイド成分と抗生物質を含んだ市販の塗り薬には多くの種類があります。購入を希望される際には、店頭にて相談するようにしましょう。

5.おわりに

今回は、リンデロンVG軟膏について効果・副作用を解説するとともに、リンデロンシリーズの使い分けや市販で購入することができるのか?に関してもあわせて説明しました。

 

リンデロンVG軟膏は、ステロイド成分と抗生物質を含み、様々な皮膚疾患に対して使用されるお薬です。

また、同じリンデロンとつく名前のお薬でもアルファベットによって、含まれている成分やステロイドの強さが変わってきます。

 

市販でも、リンデロンVG軟膏と全く同じものはありませんが、似たような塗り薬は購入することが可能です。
ぜひ、本記事を参考に正しいお薬の知識を深め、安心安全に使用するようにしましょう。

 

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