【医師監修】正露丸は危険?正露丸に含まれる木クレオソートについて

患者さんから、薬局にて、とある質問を受けました。 「正露丸って成分が殺菌剤ですよね、最近知りました。昔からのんでいるのですが危険ですか?」
たしかに、正露丸の成分である木(もく)クレオソートは、殺菌剤という分類の下痢止め薬として学校で学んだことを思い出しました。
しかし、「殺菌剤がなぜ、下痢止めに使われているのだろうか」と私自身も疑問に思い、正露丸について詳しく調べてその患者さんに、説明することにしました。

今回は、その際に調べたことをもとに、正露丸は危険なのか、効くのかという疑問にお答えつつ、正露丸の成分と安全性、服用の注意点についても解説していきます。
※この情報は、2017年6月時点のものです。

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1. 正露丸の歴史

正露丸の成分である木タール(木クレオソートの原料)は、なんと紀元前から、ミイラの保存に使用されていた成分です。

その後、木クレオソートは、食品の防腐剤として使用された経緯もありながら、胃腸疾患(下痢など)に効果が期待できることが発見され、内服で用いられるようになりました。

 

日本においても、胃腸疾患への効果が高く認められ、日露戦争時に、兵隊にお薬を持たせたことから「征露丸」と名付けられました。その後、改名され、「正露丸」となりました。 今では、ラッパのマークの正露丸といえば、お馴染みですよね。子供のころからお腹を壊すと正露丸を服用していた、という方も多いでしょう。

 

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2. 正露丸を服用前に下痢のタイプを知ろう

ひと口に下痢といっても、

① 食中毒・感染症などによる急性の下痢
② ストレスや生活習慣、病気などが原因で起こる慢性的な下痢

があります。
急性の下痢の場合、強い腹痛や吐き気を伴うことも多く、脱水症状になる可能性もあり、注意が必要です。
慢性的な下痢は、長期に渡って続くことがあり、繰り返すものの、検査を受けてみても原因が分からない場合も多くあります。

下痢症状が続く、ひどい場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。

3. 正露丸の成分 木クレオソートについて

続いて、正露丸の主成分である木クレオソートについて説明します。

3-1. 正露丸の成分 木クレオソートと石炭クレオソートの違い

一般にクレオソートと呼ばれるものに、「木クレオソート」と「石炭クレオソート」の2種類があります。
実はこの2種類は全く別の物質であるにもかかわらず、名前が似ていることから混同されてしまうことがあるようです。

正露丸の主成分である、医薬品の木クレオソートは、ブナ、マツなどの原木を乾留して得られる木タールを精製した淡黄色透明の液体です。
以前まで、日本薬局方では、クレオソートとして収載されていましたが、誤解を生むことがある為、木クレオソートに名称変更されました。

日本薬局方とは、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書です。日本薬局方の基準に合わなければ、医薬品の販売はできません。

 

石炭クレオソートとは

一方で、石炭クレオソートは、石炭を乾留する際に副生成物として得られるコールタールを蒸留してできる黒褐色の液体です。木材などの防腐剤として使用されます。この石炭クレオソートを木クレオソートと混同したことで、正露丸が危険、発がん性があるなどの話が浮上したという経緯があります。そのため、危険、発がん性があるといった話は、こちらの石炭クレオソートが該当します。

 

3-2. 木クレオソートの殺菌作用

木クレオソートは、紀元前にミイラの保存に使用されたように、殺菌作用があります。殺菌作用から食品の防腐剤や外用の消毒薬として用いられていたこともあります。

かつては、木クレオソートの殺菌作用により、お腹にいる悪い菌が殺菌され、お腹の調子を整えると考えられていたこともありました。

しかし、最近の研究では、木クレオソートは、服用後、胃から吸収され、腸に届くのはごく微量で、腸の細菌を殺したり、発育を抑制したりするようなことはないといわれています。

 

そのため、木クレオソートを含む正露丸が、殺菌効果によってお腹の調子を整えるというわけではありません。

 

3-3. 木クレオソートの下痢止めの作用

では、なぜ下痢止めの効果があるかというと、木クレオソートには、次のような作用があるからだとされています。

 

・腸管内の水分量を調節する
・体調の過剰なぜん動運動を正常に戻す

 

これらの作用によって、便中の水分を減らし、軟便や下痢などの腸のトラブルを改善します。

3-4. 正露丸に含まれるその他の成分

正露丸には、木クレオソートの他に、「アセンヤク」「オウバク」「カンゾウ」「チンピ」が含まれており、これらの生薬の組み合わせによって、下痢、軟便などの胃腸疾患に効果が期待することができます。

4. 正露丸服用の注意点

正露丸が、危険性、発がん性などの心配はなく、下痢や軟便などの胃腸疾患の症状の緩和に一定の効果が期待できることも分かりました。 但し、根本的な治療にはなりませんし、お薬である以上副作用やリスクはあります。
下痢が続くからといって、長期にわたって飲むことはおすすめできませんし、用法・用量を守ることが重要です。
必要なときにお薬を飲むことは一定の効果を期待できますが、必要ではないときにお薬を飲むと悪影響を及ぼすこともあります。

 

特に注意すべき点は、急性の下痢症状の場合などは、早く症状を改善させる為に、本来の体の防御反応である、「ウイルス・細菌を体外に排出する」ことが重要です。


そのため、市販でも、正露丸の他にも下痢止めは多く販売されていますが、下痢止めを安易に服用すると、治りが遅くなってしまったり、症状が悪化してしまったりすることがあります。
下痢症状が起きた場合には、早めに医療機関を受診し、医師や薬剤師に相談しながら、指示に従って服用するようにしましょう。

 

 

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5.おわりに

今回は、正露丸は危険なのか、どのような作用なのかといった点に着目しつつ、正露丸の成分と安全性、服用の注意点についても解説しました。
正露丸の主成分である木クレオソートや服用の方法について、参考になりましたでしょうか?一部のWEBメディアなどでみられる正露丸の危険性、発ガン性の心配はないため、ご安心してください。

詳しくは、大幸薬品のホームページをご覧ください。

私自身も、正露丸は子供の頃からなじみがあり、独特の匂いがある粒を我慢して飲んでいたことを覚えています。この記事が、「今まで正露丸を飲んでいたのに、危険と聞いて心配になった方」の服用の判断材料になれば幸いです。

下痢症状が続く場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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