【喘息の治療薬】シングレア、キプレス(モンテルカスト)の違い、効果、副作用を解説

お子さんの喘息やアレルギー性鼻炎などに処方される代表的なお薬で、「シングレア」、「キプレス」があります。両者のお薬は、名前は違いますが、同じ成分「モンテルカスト」を含んでおり、抗ロイコトリエン薬とよばれるアレルギー症状をおさえるお薬です。気管支喘息、アレルギー性鼻炎に対して用いられます。

今回は、シングレア、キプレスの作用について解説するとともに、副作用など服用する上での注意点についても合わせて説明していきます。
※この情報は、2018年2月時点のものです。

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1.シングレアとキプレスの違い

シングレアとキプレスは、名前は違いますが、成分「モンテルカスト」を含む同じお薬にです。

なぜ名前が違うかというと、販売会社が違うためです(併売品)。ジェネリック医薬品というわけではなく、どちらも先発医薬品です。

 

(販売会社)

シングレア・・・MSD株式会社

キプレス・・・杏林製薬株式会社

 

効能効果や用法用量、添加物等も同じであるため、効果も違いはありません。お薬のパッケージも両者は似ていますね。このように、同じ成分のお薬を複数のメーカーが名前を変えて販売しているケースがあります。

 

ジェネリック医薬品

 

また、シングレア、キプレスでは、ジェネリック医薬品が販売されています。

現在は、ジェネリック医薬品には、成分名がつくのが一般的なので、モンテルカスト●●「××」という名称で、●●にはお薬の規格、××にはメーカー名が入ります。

 

キプレス10mg(薬価1錠203.5円)で比較すると、ジェネリック医薬品ですと、薬価1錠81.4円〜101.8円ですので、だいぶ価格が下がります。

ジェネリック医薬品

先発品(新薬)の特許がきれたあと、他のメーカーが先発品(新薬)と同じ有効成分で効能・効果が原則同じで販売します。開発コストを抑えて開発できるため、先発品(新薬)より価格が安くなります。

 

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2.シングレア、キプレスとは?

2-1. シングレア、キプレスの成分と作用

シングレア、キプレスの成分は、「モンテルカスト」です。

 

アレルギー反応を引き起こす体内物質としては、ヒスタミンやロイコトリエンなどが知られています。モンテルカストは、このロイコトリエンの作用を選択的に抑えることでアレルギー症状の改善に効果を示す「抗ロイコトリエン薬」とよばれるタイプのお薬です。

 

具体的に説明すると、気管支や鼻の粘膜の壁細胞とよばれる場所には、「ロイコトリエン受容体」と呼ばれる受容体があり、そこに「ロイコトリエン」がくっつくことで、アレルギー症状(気管支の収縮や鼻炎症状など)を引き起こします。
抗ロイコトリエン薬と呼ばれるお薬は、ロイコトリエン受容体にロイコトリエンの代わりにくっつくことで、ロイコトリエンをブロック(邪魔)します。

このようにして、ロイコトリエンの作用を抑えることによって、喘息症状(気管支の収縮を和らげる)やアレルギー性鼻炎を改善する効果をもたらします。

同じように抗ロイコトリエン薬とよばれるタイプでは、オノン(成分:プランルカスト)というお薬もあります。

 

2-2. どんな場合に処方される?

効能・効果としては、「気管支喘息」「アレルギー性鼻炎」です。

気管支喘息の治療の基本は、吸入ステロイド薬です。抗ロイコトリエン薬であるシングレア、キプレスは、補助的に追加で用いられることが一般的です。また、緊急の発作を止めるような作用はなく、喘息が起こらないように予防的に用いるお薬です。

もともとは、気管支喘息に対する適応だけでしたが、アレルギー性鼻炎に対しても効果が期待できることから、2008年にはアレルギー性鼻炎の効能が追加になりました。そのため、花粉症などに対しても用いられることがあります。

ただ、錠剤・OD錠は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎が適応症となっていますが、小児向けのチュアブル錠・細粒においては、気管支喘息のみの適応など、剤型によって違いがあります。

 

2-3. シングレア、キプレスの様々な剤型(細粒、チュアブルなど)

シングレア、キプレスの剤型としては、「錠剤(5mg,10mg)」「OD錠(10mg)」「チュアブル錠(5mg)」「細粒(4mg)」の4つのタイプがあり、症状やご年齢に合わせて処方されます。それぞれの剤型も多様なメーカーからジェネリック医薬品が販売されています。

 

《錠剤》

いわゆる一般的で、水と一緒に服用するお薬の形です。

 

《OD錠》

口腔内崩壊錠といって、「口の中で溶けるお薬」です。唾液程度の少量の水で溶けるように開発されており、水なしでも口に入れると、すぐに溶けるようになっています。

《チュアブル錠》

口の中で舐めて溶かす、又は、噛み砕いて溶かして飲むお薬です。キプレス、シングレアはチェリー(さくらんぼ)味で、ジェネリック医薬品によって味は様々です。

 

《細粒》

白い粉状のお薬です。特に香りはついていませんが、苦味はなくほのかに甘くできています。

 

2-4. 年齢・正しい飲み方・量

シングレア、キプレスは、作用が持続的であるため、1日1回の寝る前の服用で効果が期待できます。喘息の症状は夜間〜早朝に多いことからも寝る前の服用が推奨されています。

 

《錠剤・OD錠》
-気管支喘息-
成人:モンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に服用
-アレルギー性鼻炎-
成人:モンテルカストとして5~10mgを1日1回就寝前に服用

 

《チュアブル錠》

-気管支喘息-
6歳以上の小児:モンテルカストとして5mgを1日1回就寝前に服用


《細粒》

-気管支喘息-
1歳以上6歳未満の小児:モンテルカストとして4mg (本剤1包) を1日1回就寝前に服用

3.シングレア、キプレスを服用する上での注意点

続いて、シングレア、キプレスを服用する上で注意すべき点について説明します。

3-1. 副作用について

比較的副作用の心配は少ない安全性の高いお薬ですが、稀に次のような副作用症状がでる可能性があります。詳しくは、添付文書を確認していただくか、医師や薬剤師に確認するようにしましょう。

 

主な副作用としては、

・下痢
・腹痛
・吐き気
・胸やけ
・頭痛
・眠気

・口の渇き
などがあります。

 

また、稀に下記のような副作用症状がでることがあります。このような副作用症状が出た場合は、使用を止め、直ぐに医療機関を受診しましょう。

・アナフィラキシー症状
お薬に対するアレルギー症状で、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹などの症状が起こる可能性があります。


・血管浮腫
血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行いましょう。


・劇症肝炎など重篤な肝障害
だるい、吐き気、発熱、皮膚や白目が黄色くなるなどの初期症状があります。長期でシングレア・キプレスを服用する場合には定期的に肝機能の検査を受けるようにしましょう。

 

・中毒性表皮壊死融解症

高熱や倦怠感等を伴い、全身に紅斑や水ぶくれ、ただれなどの皮膚症状を伴う病気。

 

・血小板減少

 

3-2. 他のお薬との飲み合わせ

注意が必要なお薬としては、てんかんのけいれん発作予防や鎮静作用に対して用いられることがあるフェノバルビタール(成分名)があります。

フェノバルビタールのお薬と併用すると、シングレア・キプレスの作用を弱めてしまう可能性があります。併用しているお薬がある場合には、必ず事前に相談するようにしましょう。

 

3-3. その他の注意点

安全性が高く安心して服用できるお薬ですが、指示量を超えるような服用は厳禁です。特に、年齢によって適量に違いがありますので、親子間、兄弟間などで、同じお薬だからといって飲ませないようにしましょう。

また、シングレア、キプレス、その他、モンテルカストという名のつくジェネリック医薬品はすべて類似のお薬です。そのため、名が違うからといって、重複して飲まないように注意しましょう。過量投与によって、副作用のリスクが高まります。

 

4.シングレア、キプレスと同じ成分の市販薬はある?

現状では、シングレア、キプレスの成分モンテルカストを含む市販薬は販売されていません。同様に、抗ロイコトリエン薬であるオノンと同じ成分の市販薬も販売されていません。

そのため、シングレア、キプレスを服用する場合には、必ず、病院を受診し、診断を受けた上で、処方せんを出してもらわなければなりません。

 

また、喘息に用いる抗ロイコトリエン薬のタイプではありませんが、同じようにアレルギー症状(花粉症など)を改善する効果のある市販薬(抗ヒスタミン薬のタイプなど)は販売されています。詳しくは、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。



喘息治療においては、抗炎症作用をもつ吸入ステロイドによる治療が基本ですが、市販では吸入ステロイドは販売されていません。喘息発作は命に関わることもあるので、咳症状が続く場合や、お薬を服用しても発作が治まらない場合には早めに医療機関を受診し、診察してもらうことが大切です。

 

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5.おわりに

今回は、シングレア、キプレスの作用について解説するとともに、副作用など服用する上での注意点についても合わせて説明しました。

シングレア、キプレスは、成分モンテルカストを含む同じお薬です。また、ジェネリック医薬品も販売されています。

 

シングレア、キプレスは、小さなお子さんの喘息治療で処方されることも多く、持続的に作用し1日1回の服用で効果が期待できるお薬です。錠剤、OD錠、チュアブル錠、細粒など多様な剤型があります。比較的副作用は少なく安全性が高いお薬ですが、注意すべきこともあります。

また、喘息発作は命に関わることもあるため、咳症状が続く場合や、お薬を服用しても発作が悪化しているような場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

参考)

シングレア、キプレスインタビューフォーム

 

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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