【皮膚科医監修】ステロイド市販塗り薬の種類・特徴と症状別使い分け

「病院で処方されたステロイド塗り薬を使用したら症状がおさまった」という経験があり、「市販で、同じステロイド塗り薬を購入したい」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

最初に結論を申し上げると、薬局やドラッグストアなどでも、成分が限られますが、市販のステロイド塗り薬を購入することはできます。しかし、ステロイド塗り薬には作用の強さがあり、様々な種類のお薬が販売されているため、症状やその部位に応じて、正しく使い分けることが大切です。

今回は、市販で購入できるステロイドの塗り薬の種類・特徴と使い分けの方法について説明し、病院で処方されるステロイド塗り薬との違い、どんな場合に病院に行った方が良いか、などを解説していきます。
正しい知識を身につけ、症状に適した市販のステロイド塗り薬を購入しましょう。
※この情報は、2017年4月時点のものです。

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1.ステロイド塗り薬について

1-1. ステロイドとは?

市販のステロイド塗り薬の話の前に、まずは簡単に「ステロイド」について説明します。
ステロイドとは、ステロイド環という化学構造をもつ物質の総称ですが、一般的にいうステロイドとは、私たちの体内にある副腎皮質という器官でつくられるホルモンの一種で、副腎皮質ホルモンのことを指しています。

このホルモンは、体内で非常に重要な役割を果たしており、抗炎症作用、免疫抑制作用、骨代謝、糖やタンパク質の代謝など体に対して様々なはたらきを持っています。

この副腎皮質ホルモンを、病気の治療に応用するために、人工的に開発したものが「ステロイド薬」です。ステロイド薬には、注射薬、飲み薬、塗り薬、吸入薬など様々なものがあります。その中で、皮膚の炎症などに対して使用し、局所的に作用するのが「ステロイド塗り薬」です。

 

塗り薬は、局所的に作用をするため、長期にわたって大量に使用せず、短期間で正しく使用する分には、副作用の心配はほとんどありません。市販薬であれば、目安として1週間を超えて使用しないようにしましょう。1週間程度、市販薬を使用しても症状が良くならない場合には、他の疾患が原因となっている可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

 

1-2. ステロイド塗り薬の強さって?

そのステロイド塗り薬の強さについて説明します。

ステロイドの塗り薬は、主に「血管収縮指数※」と「臨床での効果」によって評価され、強さが5つのランクに分けられています。

 

1. 最も強い(Strongest)
2. とても強い(Very Strong)
3. 強い(Strong)
4. 普通(Medium)
5. 弱い(Weak)

 

※血管収縮指数


皮膚に塗ったときに血管がどの程度収縮するかを示しています。この数値が高いほど、お薬の作用が強いとされ、作用の強さを示すひとつの指標となります。

1-3. ステロイドの強さと使い分け

「効かない場合は、より強いステロイド塗り薬を使えば良い」と思うかもしれませんが、安全面を考慮すると、そう単純な話ではありません。

まずは、皮膚の炎症の重症度によって、ステロイドの強さを選びます。炎症がひどいほど、強いタイプのステロイド塗り薬が候補に挙がります。しかし、全く同じような症状でも、本人の年齢・体質などの背景によって、適したお薬は変わります。また、使用する場所によっても、どのステロイドの塗り薬が適しているかは変わります。

 

皮膚が薄い場所ほど、お薬の吸収力が高く、効果が出やすいとされています。そのため、お子さんの場合や皮膚が弱いという体質の方などは、弱めのステロイド塗り薬が選択されることが多いです。また、皮膚が薄い顔まわり、外陰部などでは、弱めのステロイドを使用します。一方で、皮膚が厚い手のひらや足裏、背中などでは、強めのステロイド薬が処方されることが一般的です。

 

このようにして、ステロイド塗り薬の「強い」「弱い」を使い分けていきます。注意点としては、前に使ったことがあるステロイド塗り薬だからといって、症状や塗る場所によって適切ではない場合がありますので、注意するようにしましょう。
市販薬を購入する際には、症状を伝え、どのステロイド塗り薬が適しているのか、薬剤師の方に相談して決めるようにしましょう。

 

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2.市販で購入できるステロイド塗り薬一覧

市販で購入できるステロイド塗り薬についてご紹介していきます。
ちなみにステロイドの飲み薬は、現状は、市販されていません。

2-1. 市販薬ステロイド塗り薬の3つのタイプ

分かりやすく市販薬ステロイド塗り薬を説明するため、市販薬では、主に3つのタイプがあるということをまずは頭に入れてください。
症状によって、3つのタイプを使い分けます。

①「ステロイド薬」のみが含まれている
→皮膚の炎症を抑えたい場合

 

②「ステロイド薬」と「かゆみ止め」が含まれている
→炎症にかゆみを伴っている場合

 

③「ステロイド薬」と「抗生物質(化膿止め)」が含まれている
→炎症に細菌の感染の可能性がある場合

 

市販薬購入時には、ご自身の症状に合わせてどのタイプが適しているか店舗にて相談するようにしましょう。

2-2. 市販薬ステロイド塗り薬の強さとお薬一覧

薬局・ドラッグストアで市販薬として購入できるステロイド塗り薬は、成分が限られており、強さを示す5つのランクの内、下から3つのランクのお薬になります。

 

1. 強い(Strong)
2. 普通(Medium)
3. 弱い(Weak)



どのお薬も、湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど幅広く使用し、効果を期待することができます。

 

①炎症がひどい場合:強い(Strong)
炎症がひどい場合に向いています。


皮膚が薄い顔まわりや小さなお子さんの場合には不向きです。
処方薬であるリンデロンの成分である「ベタメタゾン吉草酸エステル」やフルコートの成分である「フルオシノロンアセトニド」が該当します。

 

次の市販薬があります。(例)

フルコートF(成分:フルオシノロンアセトニド)

 【指定第2類医薬品】田辺三菱製薬 / ステロイド薬+抗生物質(化膿止め)

医師執筆

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ベトネベートN軟膏AS(成分:ベタメタゾン吉草酸エステル)

 【指定第2類医薬品】第一三共ヘルスケア / ステロイド薬+抗生物質(化膿止め)

薬剤師執筆

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2018.06.18
くすり

 

②炎症が中程度の場合:普通(Medium)
炎症が中程度の方に向いています。症状に応じて、皮膚が薄い部分や小さなお子さんにも使用することがあります。

処方薬であるロコイドの成分である「酪酸ヒドロコルチゾン」やリドメックスコーワの成分である「吉草酸酢酸プレドニゾロン」が該当します。

 

次の市販薬があります。(例)

リビメックスコーワ軟膏(成分:吉草酸酢酸プレドニゾロン)

 【指定第2類医薬品】興和 / ステロイド薬

 

ムヒアルファEX(成分:吉草酸酢酸プレドニゾロン)

 【指定第2類医薬品】池田模範堂 / ステロイド薬+かゆみ止め

 

ロコイダン軟膏(成分:酪酸ヒドロコルチゾン)

 【指定第2類医薬品】クラシエ / ステロイド薬

薬剤師執筆

【薬剤師が解説】ロコイド軟膏の作用と注意すべき副作用、市販薬はある?

薬剤師:竹中 孝行
2017.11.24
くすり

 

③炎症が軽度の場合:弱い(Weak)
炎症が軽度の方に向いています。また、皮膚が弱い方や小さなお子さんに対しても使用できます。副作用が心配な方は、こちらが良いでしょう。成分としては、「デキサメタゾン酪酸エステル」が該当します。

次の市販薬があります。(例)

オイチミンD(成分:デキサメタゾン酪酸エステル)

【指定第2類医薬品】佐藤製薬 / ステロイド薬

 

オイラックスデキサS軟膏(成分:デキサメタゾン酪酸エステル)

【指定第2類医薬品】第一三共ヘルスケア / ステロイド薬+かゆみ止め

 

市販薬ステロイド塗り薬アンテドラッグとは?

 

市販のステロイド塗り薬のパッケージをみてみると、「アンテドラッグステロイド」と表記されているお薬があります。

アンテドラッグとは、より副作用のリスクを抑えた塗り薬になります。

アンテドラッグは、塗り薬を皮膚に塗った後に炎症部分にしっかりと効果を出し、体に吸収されると、速やかにお薬が代謝され、作用がなくなるように工夫されています。このことによって、より局所に作用し、全身への副作用の症状がでるリスクを抑えることができます。副作用が心配な方は、アンテドラッグを選択するのが良いでしょう。

3.病院で処方されるステロイド塗り薬一覧

市販薬として購入できるステロイド塗り薬は、強さを示す5つのランクの内、下から3つのランクのお薬しかないとお伝えしましたが、病院で処方されるステロイド塗り薬は、当然、全て揃っています。より作用の強いステロイド薬があることや、アトピーなどより専門的な疾患に対して使用するため、医師による適切な診断と指示、経過観察が必要です。使用にあたっては慎重になる必要があるため、処方薬となっています。

5つのランクと代表的なお薬を合わせて記述します。ここでは、詳しく説明しませんので参考程度にご覧ください。ご自身で使用している塗り薬があれば、強さの目安の参考としてください。

 

①最も強い(Strongest)

デルモベート(プロピオン酸クロベタゾール)

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ジフラール、ダイアコート(酢酸ジフロラゾン)

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②とても強い(Very Strong)

アンテベート(酪酸プロピオン酸ベタメタゾン)

 

フルメタ(フランカルボン酸モメタゾン)

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トプシム(フルオシノニド)

 

マイザー(ジフルプレドナード)

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ネリゾナ(吉草酸ジフルコルトロン)

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リンデロンDP(ジプロピオン酸ベタメタゾン)

 

 

③強い(Strong)

メサデルム(プロピオン酸デキサメタゾン)

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リンデロンV(吉草酸ベタメタゾン)

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フルコート(フルオシノロンアセトニド)

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医師:ミーマンバナナ
2018.06.26
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④普通(Medium)

リドメックス(吉草酸・酪酸プレドニゾロン)

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アルメタ(プロピオン酸アルクロメタゾン)

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キンダベート(酪酸クロベタゾン)

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2017.11.24
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ロコイド(酪酸ヒドロコルチゾン)

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2017.11.24
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⑤弱い(Weak)

プレドニゾロン(プレドニゾロン)

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2018.04.18
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オイラゾンD(デキサメタゾン)

ステロイドの飲み薬について



症状がひどい場合や、広範囲(全身)に渡って症状が見られる場合、原因が特定している場合などに、医師の判断でステロイドの飲み薬が処方されることがあります。飲み薬は、全身に作用し、効果が高い反面、服用に十分な注意が必要ですので、市販では販売されていません。
飲み始めた場合には、医師の指示に従い、自己判断で減量したり、中止してはいけないため注意が必要となります。

 

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4.こんなときは病院に行きましょう

ここまで、説明しましたとおり、市販でもステロイド塗り薬を購入することができます。しかし、症状が軽度であったり、すぐに病院にいけない場合などに一時的に使用するものとしてお考えください。

 

原因不明の皮膚疾患、又、アトピーなど慢性的な皮膚疾患の場合や症状が続いている・ひどい場合には、早めに医療機関を受診し、医師の診断とともに、適切な治療を受けるようにしましょう。

 

特に、下記に当てはまる場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。



・1週間程度市販薬を使用しても症状が変わらない・悪化している
・炎症部位が広く、塗布する使用範囲が広い
・赤みやただれがひどい
・目の周囲に炎症がある
・副作用症状がみられる
・以前にお薬でアレルギー症状を起こしたことがある

5.おわりに

今回は、市販で購入できるステロイドの塗り薬の種類・特徴と使い分けの方法について説明し、病院で処方されるステロイド塗り薬との違い、どんな場合に病院に行った方が良いか、などを解説しました。

 


ステロイドの塗り薬は、正しく使用することで、高い効果を得ながら安全に使用することができるお薬です。また、薬局・ドラッグストアなどでステロイドを含む市販の塗り薬を購入することもできます。
但し、使い方を間違えると、副作用のリスクが高まりますので、購入した際には必ず使用説明書をよく読み、薬剤師と相談してから使用するようにしましょう。

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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