【薬剤師が解説】坐薬の正しい知識、使い方と注意すべきポイントまとめ

突然のお子さんの高熱、吐き気、飲み薬の他に坐薬が処方されるケースが多くあります。「使用方法が分からない」「うまく挿入できない」「順番は?」などお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

坐薬は、通常の飲み薬と比較して、薬の吸収が早く、効果発現が早いという特徴があります。また、小さなお子さんでも、食事に関係なく、確実に体内に入れ、効果を期待することができます。

今回は、坐薬の正しい知識を解説するとともに、使い方や注意すべきポイントを説明していきます。ぜひ、今回の記事をご参考に、坐薬を正しく使用していただけますと幸いです。
※この情報は、2017年6月時点のものです。

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1.坐薬が使用されるのはどんなとき?

坐薬は、坐剤(ざざい)とも言い、一般的に「肛門や腟に挿入して、体温や分泌物によって徐々に溶けて作用するお薬」のことをいいます。

坐薬を使用するにあたり、次のようなメリットがあります。

●お薬の吸収が素早く、効果が発現するのが早い
●吐き気や嘔吐、痙攣など口からお薬を入れるのが困難な場合でも使用できる
●食事に関係なく使用できる
●確実に体内に入れることができる

そのため、高熱が出ていて、すぐに熱を下げたいときや、口からお薬を入れるのが困難な小さなお子さんなどに用いられることが多くあります。

 

坐薬の種類:
坐薬は、主に「有効成分」と「基剤」で構成されています。基剤とは、有効成分が体内の適切な場所で吸収され効果が出るようにお薬を包んでいる添加物です。

坐薬を肛門に挿入すると、基剤が溶けることによって、中にある有効成分が体に次第に吸収され効果が出てきます。この基剤によって、お薬の吸収の仕方に違いが現れます。

坐薬は、この基剤によって、2つのタイプに分かれます。

 

<油脂性基剤の坐薬>
油脂性基剤の坐薬の特徴としては、体温によって、速やかに溶けます。お薬の有効成分は、基剤と混ざらないよう水溶性です。
気温が高いと基剤が溶けてしまうため、これらの坐薬は、冷所保存が基本です。

・カロナール、アンヒバ、アルピニー(成分名:アセトアミノフェン) 解熱・鎮痛
・ボルタレン(成分名:ジクロフェナクナトリウム)解熱・鎮痛
・インテバン(成分名:インドメタシン) 鎮痛
・ネリプロクト(成分名:ジフルコルトロン吉草酸エステル、リドカイン) 痔治療
・新レシカルボン(成分名:炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム) 便秘治療 など

 

<水溶性基剤の坐薬>
水溶性基剤の坐薬の特徴としては、体内の分泌液によって、溶けて吸収されます。お薬の有効成分は、基剤と混ざらないよう油脂性です。
これらの坐薬は、室温で溶けることがないため、冷所保存する必要はなく、室温保存が基本です。

・ダイアップ(成分名:ジアゼパム) 抗けいれん
・ナウゼリン(成分名:ドンペリドン) 吐き気どめ など

 

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2.坐薬の使い方

まず初めに使用する前の共通事項です。

 

・使用する前には、手をしっかり洗いましょう
・排便を済ませた後に挿入しましょう。
・使用する直前に容器から取り出し、先端部のとがっている方から挿入します。
・スムーズに入らない場合には、ワセリンやオイル(オリーブオイル、ベビーオイル、なたね油など)を塗って挿入します。

 

2-1. 大人編(ご自身)

ご自身で坐薬を使用する場合の使い方です。

 

坐薬の後部部分を手に持ち、中腰になって、指の第一関節が入るくらい指先で押し、坐薬を肛門内に深く挿入します。しばらくそのままでゆっくり立ち上がると、自然と深く入っていきます。

2-2. 大人編(介助)

中腰が困難の方の場合や、介助者が挿入する場合の使い方です。

まずは、横向きになり、足を曲げてもらいます。
坐薬の後部部分を手にもち、指の第一関節が入るくらい指先で押し、坐薬を肛門内に深く挿入します。しばらくそのままでゆっくり足を伸ばしてもらうと、自然と深く入っていきます。

2-3. 小さなお子さん編

小さなお子さんの場合の使い方です。

オムツを替えるときの姿勢のように両足を持ち上げた状態にします。
坐薬の後部部分を手にもち、指の第一関節が入るくらい指先で押し、坐薬を肛門内に深く挿入し、しばらく押さえます。
しばらくそのままでゆっくり足を戻すと、自然と深く入っていきます。5分ほど時間を置いた後、しっかり挿入できているか目視で確認するようにしましょう。

 

坐薬の切り方:

小さなお子さんの場合、医師の指示によって、2分の1や3分の2などに坐薬を切って使用する場合があります。
その場合は、坐薬の包装の上から、きれいな包丁やはさみで斜めに切断してもらって、先端部のとがっている太い方を利用します。

 

斜めに切る理由は、坐薬をよく見ると先端部分と後部部分で大きさが違うため、横まっすぐで切断してしまうと適切な量とならないためです。

 

冷蔵庫から出してすぐの場合、基剤が硬くなっており、うまく切断できない場合もあります。その場合は、少し室温に置くと、柔らかくなり切りやすくなります。但し、あたためすぎると溶けてしまうので注意しましょう。
切り取った残りの坐薬は、使用せずに捨てるようにしましょう。

3、坐薬の注意すべきポイント

3-1. 2種類以上の坐薬を入れる順番

複数の坐薬が処方された場合、順番によって効果に違いが出てしまう可能性があります。正しい順番を解説します。

第1章で触れましたが、坐薬のタイプには、「油脂性基剤」と「水溶性基剤」があります。このタイプによって、順番を考慮する必要があります。

油脂性基剤の坐薬は冷所保存するもの、水溶性基剤の坐薬は室温保存でも良いものと考えると難しくありません。

 

<2種類の坐薬のタイプ(基剤)が同じ場合>
この場合は、効き目を早く期待したいほうの坐薬を先に挿入するようにします。5分ほどおいて次の坐薬を挿入します。

 

<2種類の坐薬のタイプ(基剤)が違う場合>
この場合は、水溶性基剤の坐薬を先に挿入します。30分以上の間隔を空けてから、油脂性基剤の坐薬を挿入します。

理由としては、油脂性基剤の坐薬を先に挿入し、後で水溶性基剤の坐薬を挿入すると、水溶性基剤の坐薬内の有効成分が油脂性基剤に取り込まれ、吸収が阻害されてしまい、十分な効果を発揮できなくなる可能性があるためです。

3-2. 一度挿入して出てきてしまった場合

坐薬を挿入した後に、外に出てきてしまったということもあるかと思います。その場合の対処法をお伝えします。

 

<挿入直後に出てきた場合>
坐薬の形が崩れていない場合には、すぐに再度、挿入するようにしましょう。

 

<少し時間をおいて出てきた場合>
坐薬の形が崩れていない場合には、挿入し直します。
一方、坐薬の形が崩れており、溶けかけている場合には、一部お薬が吸収されている可能性がありますので、しばらく様子を見るようにしましょう。効果がみられない場合には、再度、挿入するようにします。

 

<だいぶ時間を置いてでてきた場合>
ほとんど溶けており、お薬は吸収されていますので、次回のタイミングまで挿入せずに待つようにしましょう。

3-3. 坐薬の保管場所

坐薬のタイプ、油脂性基剤の坐薬と水溶性基剤の坐薬で保管場所は異なってきます。

油脂性基剤の坐薬は、体温35度前後で溶ける設計がされているため、室温だと季節によっては溶けてしまう可能性もあり、冷蔵庫で保管をします。

 

水溶性基剤の坐薬は、体内の分泌液によって溶ける設計がされており、通常の温度(室温)で溶けることはありません。そのため、直射日光が当たらない、室内で保管するようにしましょう。もちろん、心配な方は、冷蔵庫に保管しても問題はありません。

2-4. 坐薬の使用期限

坐薬自体には、ロット番号は記載されていますが、使用期限は書いていないのが一般的です。

 

坐薬の使用期限は、お薬の種類や保管状態によっても異なるため、一概には言えません。お薬の製造後からは約203年の期限は通常ありますが、実際には、薬局がお薬を仕入れてから患者さんの手元にお薬を渡すまで期間があります。そのため、薬を受け取った時点で、どの程度、使用期限が残っているかは分かりません。

 

使用期限が気になる場合には、お薬を受け取った時点で聞くか、気になったときに薬局に問い合わせて、ロット番号を伝えて、使用しても良いのかどうか相談してみると良いでしょう。

 

基本的には、1年以上経過した古いものは使わず破棄することをおすすめします。正しい効果を得られないばかりか、お薬によっては、体に弊害をもたらす可能性もあります。

 

また、以前と同じ症状だからといって、自己判断で、本人、又、知人や家族に使用すると、症状の悪化や副作用を招くおそれがあります。

何か症状が出ている場合には、家に余っているお薬で何とかしようとせずに、医療機関を受診し、医師の診断を受け、適切な治療を受けることが大切です。

4.おわりに

今回は、坐薬の正しい知識を解説するとともに、使い方や注意すべきポイントを説明しました。

 

坐薬は、通常の飲み薬と比較して、薬の吸収が早く、効果発現が早いというメリットがあることや、食事に関係なく確実に体内に入れることができることから、小さなお子さんにもよく処方されるお薬です。

使い方や使用期限など、何か不明な点がある場合には、お薬を受け取った薬局に気軽に相談されると良いでしょう。

 

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執筆
薬剤師:竹中 孝行
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