「ニキビに効く?」と話題のテラコートリル軟膏の正しい使い方

ニキビができるのは何も思春期のときだけではありません。20代、30代になってもニキビができてしまう方も多くいます。しかし、仕事などで忙しくてなかなか病院に行けないこともありますよね。そこで活躍するのが市販のお薬。病院のように待ち時間もありませんし、土日だって関係なくお薬を買いに行けます。

市販薬の中でも最近話題になっているのがテラコートリル軟膏。ネットで調べると、これがニキビに良いと評判なのです。しかし、このテラコートリル軟膏、どのニキビにも適しているというわけではなく、使い方に気をつけなければなりません。誤った使い方をするとニキビが悪化してしまうことも。

ここではニキビを治すために知っておきたいテラコートリル軟膏の正しい使い方や注意点をご紹介しています。正しい知識を知ってニキビをきれいに治しましょう。
※この情報は、2018年4月時点のものです。

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1.テラコートリル軟膏に含まれている成分とその働き

テラコートリル軟膏はジョンソン・エンド・ジョンソンから発売されているお薬で、化膿を伴う皮膚の症状に使われます。こちらには2種類の成分が含まれています。

 

・オキシテトラサイクリン塩酸塩 30mg(力価)

・ヒドロコルチゾン      10mg

 

オキシテトラサイクリン塩酸塩は「抗生物質」、ヒドロコルチゾンは「ステロイド」です。この2つが働くことによって効果を発揮します。それぞれの成分の働きを見てみましょう。

 

1-1. 抗生物質:オキシテトラサイクリン塩酸塩

オキシテトラサイクリンは抗生物質の中でも“テトラサイクリン系”と呼ばれる仲間に入るものです。さまざまな菌に対応できる幅広い抗菌作用を持つことが特徴です。もちろんニキビの原因となるアクネ菌にも対応しています。オキシテトラサイクリン塩酸塩単剤でニキビの治療に用いられることも多くあります。

 

1-2. 炎症を抑えるステロイド剤:ヒドロコルチゾン

ヒドロコルチゾンは炎症を抑える働きのあるステロイド剤です。ステロイド剤は強さによって5つのクラスに分類されています。

 

・最も強い︰ストロンゲスト(strongest)

・非常に強い︰ベリーストロング(very strong)

・強い︰ストロング(strong)

・普通︰ミディアム(medium)

・弱い︰ウィーク(weak)

 

ストロンゲストが最も強く、ウィークが1番弱いステロイド剤です。ヒドロコルチゾンはこのうち1番弱い分類であるウィークに該当します。ミディアムとウィークに分類されるステロイド剤は比較的小さなお子さまにも病院で処方されています。皮膚の薄い顔や陰部などにも使いやすいのが特徴です。

 

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2.テラコートリル軟膏は、本当にニキビに効くのか?

テラコートリル軟膏はニキビに効くとネットでは話題になっていますが、本当のところはどうなのでしょうか。

 

2-1.テラコートリル軟膏の効能効果

テラコートリル軟膏の効能効果には以下のような記載があります。

 

化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん、化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)

 

どこにもニキビとの記載はありませんが、ニキビもアクネ菌によって炎症が起きている状態と考えられるので皮膚炎の仲間と見て良いでしょう。そう考えるとテラコートリル軟膏はニキビに効果があると言って問題ありません。

 

テラコートリル軟膏に配合されているオキシテトラサイクリン塩酸塩がアクネ菌の働きを抑えて、ヒドロコルチゾンがアクネ菌による炎症を抑えます。

 

2-2. 【注意】病院でニキビの治療にステロイド剤が処方されるのはまれ

一見するとテラコートリル軟膏はニキビに最適な市販薬にも思えますが、実はそうではない部分もあります。テラコートリル軟膏にはオキシテトラサイクリン塩酸塩とヒドロコルチゾンの2つの成分が配合されています。オキシテトラサイクリン塩酸塩はニキビの治療に何も問題ないのですが、ヒドロコルチゾンはちょっとだけ問題です。

 

医療現場ではニキビの治療にヒドロコルチゾンのようなステロイド剤が処方されることはほとんどありません。ステロイド剤は炎症を抑えるだけのお薬であり、アクネ菌を殺菌してニキビを治すことができないためです。オキシテトラサイクリン塩酸塩と働きが似ているダラシンTゲルという抗生物質の塗り薬が病院では良く処方されています。

薬剤師執筆

【薬剤師が解説】ニキビの治療、ダラシンTゲルの正しい効果・使い方・注意点

薬剤師:竹中 孝行
2018.02.16
くすり

 

ステロイド剤は、ニキビによる赤みだけでなく、アクネ菌に対抗しようとする体の免疫反応まで抑えてしまうためあまり処方されないのです。もっと言うとアクネ菌だけでなくあらゆる免疫反応までも抑えてしまいます。長期間にわたってステロイド剤を使用していると皮膚の免疫力が落ちてより肌荒れを起こしやすい状態になってしまうため、病院ではニキビの治療に対して積極的なステロイド剤の処方は行われていません。同様の理由で症状のひどいやけどにも市販のステロイド剤は適していません。

 

2-3. 場合によっては病院でもステロイド剤が処方される

病院で積極的にステロイド剤が処方されることはありません。しかし、まったく処方されないわけでもないのです。

 

・ポツポツとニキビができているくらいで、範囲が広くない方

・ニキビの赤みが強く、痛みや痒みが気になる方

 

このような方にはステロイド剤が処方されることがあります。痛みを生じるくらい強い炎症を引き起こしている場合は、ステロイド剤で炎症を止めつつ抗生物質でアクネ菌を殺菌していくと治りが早い傾向にあります。

 

ニキビ治療薬として主流なものは他にもありますので、ニキビの症状によって、他の適したお薬がないか医師や薬剤師に相談することが大切です。

 

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3.テラコートリル軟膏で治療できるニキビは限定されている

ニキビの治療にステロイド剤があまり処方されないという現実があるものの、テラコートリル軟膏がニキビに効くことは確かなのです。しかし、ニキビなら何でも使って良い、というわけではありません。

 

・白ニキビ

・赤ニキビ

・黄ニキビ

 

ニキビは大きく分けるとこの3種類に分類されます。この中で、テラコートリル軟膏で治療できるのは赤ニキビのみなので注意が必要です。

 

3-1. 白ニキビとは

白ニキビはニキビの初期の状態です。ひどい赤みはほとんどありません。皮膚の下に皮脂や老廃物が溜まっているだけの段階です。プクッと皮膚が膨れ上がります。この段階ではまだアクネ菌が悪さをする前の状態であり、しかも赤みもほとんど出ずに炎症も起きていない状態です。そのためテラコートリル軟膏を白ニキビに使っても治療効果は薄いです。

 

3-2. 赤ニキビとは

赤ニキビはその名の通りニキビが赤く炎症を起こしている状態です。白ニキビにアクネ菌が働いてさらに症状が進んだのがこの赤ニキビです。赤ニキビはテラコートリル軟膏が得意とする炎症とアクネ菌の繁殖の両方が起きています。そのためテラコートリル軟膏での治療が可能です。

 

3-3. 黄ニキビとは

黄ニキビはニキビの中でもかなり症状が進んでしまったものです。

赤ニキビの炎症がさらに悪化して周りにまで症状が広がっている常態です。黄ニキビも赤ニキビと同じく炎症も起こっていますし、アクネ菌の繁殖もしています。

 

テラコートリル軟膏が使えるのでは?と思う方もいるでしょう。

 

実はその通りで使ってはいけないということはありません。しかし、黄ニキビとなると症状がかなり進んでいる状態なのでテラコートリル軟膏だけでは治療が難しいのです。黄ニキビは場合によっては中に溜まっている膿を出したほうが良い場合もあります。そのため、黄ニキビまで症状が進んだ場合は市販薬を使わずに病院で診てもらうことをおすすめします。

 

4.テラコートリル軟膏の正しい使い方

 

・使える年齢

テラコートリル軟膏には何歳以下は使ってはいけない、という決まりはありません。そのため小さな子どもから使用できます。ただし、小さなお子様が使う場合は必ず保護者の方がお薬の管理をしてあげてください。小さな子どもにニキビができるということはあまりないでしょうが、万が一使う場合は注意してください。

 

・塗る回数

症状のあるところへ1日に1回~数回(5~6回程度)薄く塗ってください。

 

・塗る量

ニキビのあるところにだけに少量付けるように塗ってください。

 

・塗っても問題ない範囲

テラコートリルは顔への使用もできますが、目の周り、口の周りは避けて使用してください。また顔全体に広く塗るようには使わないでください。副作用が起きやすくなるためです。

 

・続けて使用できる日数

5~6日間使用しても良くならない場合はそれ以上使い続けずに病院で診てもらうようにしてください。テラコートリル軟膏では対応できない症状である可能性があります。

 

・テラコートリル軟膏と化粧水を使う順番

テラコートリル軟膏と化粧水の両方を使う場合は、化粧水を使った後にテラコートリル軟膏を塗ります。テラコートリル軟膏は水分を弾く性質があるため化粧水の後に塗らないと化粧水を弾いてしまうためです。

 

5.テラコートリル軟膏を使うときに注意したいこと

テラコートリル軟膏は顔にも使えるニキビなどの湿疹用の治療薬です。

 

しかし、どんなニキビでも対応できるものではありません。赤ニキビには効果を発揮しますがそれ以外のニキビには思うように効果が出ない可能性があります。赤ニキビでも5~6日間使用しても症状が改善しない場合はテラコートリル軟膏を使い続けずに病院で診てもらうようにしてください。

 

テラコートリル軟膏は顔にも使えますが広範囲には決して塗らないこと。弱いステロイド剤ではありますが、免疫力の低下などによる副作用が起きやすくなるため使用する場合は症状のあるところだけに使用しましょう。

 

もしも、顔全体にニキビができている場合はテラコートリル軟膏を使わずに病院で適切な治療を受けてください。ご自身の判断でテラコートリル軟膏を使ってしまうと症状が悪化するおそれもあります。

 

6.まとめ

 

・テラコートリル軟膏には弱いステロイド剤が入っている。

・顔への使用も可能。

・対応できるのは赤ニキビのみ。

・5~6日間使用しても症状が改善しない場合は使い続けずに病院で診てもらう。

 

テラコートリル軟膏はニキビ専用の治療薬ではありませんが、ニキビの治療にも使用できます。ただし、使えるのは赤ニキビのみです。広範囲への塗布は副作用を引き起こす原因にもなりますので使う場合は症状のあるところのみに使用してください。使い続けられる日数の目安は5~6日間です。この期間使っても症状が治まらない場合は病院で適切な治療を受けることをおすすめします。

 

テラコートリル軟膏はニキビに効くという情報だけが一人歩きしていますが、使用方法や注意点を守らないと余計に症状が悪化する可能性もあるお薬です。正しく使用することが大切です。テラコートリル軟膏はニキビ専用のお薬ではないため、使い方を間 違えると副作用が出て余計に肌荒れを起こしてしまうこともあります。特にテラコートリル軟膏にこだわりがなければニキビ専用の市販薬を買われることをおすすめします。

 

 

執筆
薬剤師:まりもぐみ
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