つらい喉の痛みを生じる扁桃炎。その原因は?

高熱や喉の激しい痛みを伴う扁桃炎。唾や水分を飲みこむのさえ困難になるケースも少なくありません。小児に多く見られる扁桃炎ですが、大人が発症することもあり、発症を繰り返す場合には手術で扁桃炎を切除する必要も出てきます。

ここでは、扁桃炎の原因と発症予防のためにすべき対策について詳しく解説します。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.扁桃炎とは?子どもがかかりやすい原因は?

扁桃炎とは、喉にある扁桃と呼ばれる器官にウイルスや細菌が感染することで炎症を生じる病気のことです。

 

扁桃の特徴と炎症が起きたときの症状にはどのようなものがあるのでしょうか?また、子どもがかかりやすい原因は?詳しく見てみましょう。

 

1-1. 扁桃はいくつあるの?

私たちの喉には大きく分けて4つの扁桃が存在します。最も大きい扁桃は、左右に一対の「口蓋扁桃」と呼ばれるもので、口を大きく開けて喉ののぞき込むと、口蓋弓(いわゆるノドチンコ)の奥に見えるものです。

 

他にも、舌の付け根にある舌扁桃、咽頭円蓋にある咽頭扁桃、咽頭と中耳をつなぐ耳管周囲にある耳管扁桃などが挙げられます。このように、扁桃には様々な種類のものがありますが、一般的に扁桃炎と言えば、この口蓋扁桃に炎症が生じるもののことを指します。

 

また、口蓋扁桃と咽頭扁桃、舌咽頭は喉の奥を円形に囲むような配置をしているため、「ワルダイエル咽頭輪」と呼ばれており、体を守るための重要な働きをしています。

 

 

1-2. 扁桃の役割とは?

扁桃はリンパ器官の一種です。リンパ器官とは体の免疫を司る器官であり、リンパ球をはじめとした様々な免疫細胞が活発に働いて、体内に侵入した異物を排除する働きを持ちます。

 

扁桃は喉にあるリンパ器官であり、口や鼻から入り込んだウイルスや細菌などをキャッチして気管や肺などの重要な臓器に病原体が侵入するのを防ぐ役目を担っています。

 

扁桃はいわば、私たちの体の「門番」のような働きをしているのです。ワルダイエル扁桃輪が喉をぐるりと一周するように配置されているのは、どの方向から侵入した病原体もキャッチできるようにするためです。また、耳管扁桃は、耳管を通して中耳に咽頭内の病原体が侵入するのを防ぐために存在していると考えられています。

 

1-3. 扁桃は炎症が生じやすい!

このように、扁桃は体内に侵入した病原体をキャッチして退治する役目を持つため、病原体に晒されやすい部位でもあります。多くの病原体が一度に侵入したり、溶連菌などの強い病原体が侵入すると免疫細胞が活発に働くため、炎症を引き起こすことがあるのです。

 

特に、小児は口蓋扁桃の働きが活発であり、成長に従って徐々に扁桃自体が小さくなっていきます。このため、子どもは扁桃炎を起こしやすく、大人での発症は少ないのです。大人でも体の大きさに対して扁桃が小さくならない場合には、扁桃炎を繰り返すことがあります。

 

1-4. 扁桃炎の症状は?

扁桃炎を発症すると、強い喉の痛みに加えて、38℃以上の高熱、倦怠感、関節痛、頭痛などの全身症状が現れます。また、周辺のリンパ節にも炎症が及ぶとリンパ節が腫れたり発赤を生じて痛みを伴うことも少なくありません。

 

病原体をキャッチしきれずに鼻腔や咽頭、中耳にまで炎症が及ぶこともあり、扁桃炎は風邪のきっかけとなることもあります。また、逆に鼻炎などによって扁桃炎が引き起こされることもあります。

 

さらに、扁桃炎は適切な治療を行わないで悪化すると、扁桃に膿の塊ができることも少なくありません。膿の塊が形成されてしまうと更に強い喉の痛みや高熱が生じ、小児では体力が奪われて衰弱することもあります。

2.扁桃炎の原因とは?

扁桃炎はウイルス性と細菌性に分けられます。一般的には、ウイルス性よりも細菌性の方が重症化しやすく、特に溶連菌感染による扁桃炎では重篤な合併症を起こすこともあるため、扁桃炎が治った後も慎重に経過観察を行う場合もあります。

 

原因となる代表的なウイルス、細菌には次のようなものが挙げられます。

 

2-1. ウイルス性

扁桃炎はウイルス性のものが多く、ライノウイルス、アデノウイルスなどが原因となります。また、大人がEBウイルスや単純ヘルペスウイルスに初感染した場合にも重度な扁桃炎を引き起こすことが知られています。

 

2-2. 細菌性

細菌感染による扁桃炎は重症化しやすく、扁桃に膿の塊を形成するケースも多々あります。代表的な原因菌としては、溶連菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌が挙げられます。また、体力が低下しているときには人の体内に常在している黄色ブドウ球菌が原因となることもあります。

 

注意すべき扁桃炎

細菌性扁桃炎の中でも、溶連菌感染による扁桃炎には注意が必要です。

 

溶連菌による扁桃炎は、強い扁桃の炎症を生じますが、症状が落ち着いた1~3週間後に腎炎やアレルギー性紫斑病、リウマチ熱などの危険な合併症を引き起こすことがあります。

 

最も頻度が高い合併症は腎炎であり、尿が少なくなったり、体のむくみなどの症状が現れます。また、リウマチ熱は抗生剤の進歩によって発症者は少なくなりましたが、心臓に炎症を起こすこともある重篤な合併症です。

 

これらの合併症を防ぐには、発症早期に病院を受診して適切な治療を続けることが必要です。処方された薬は必ず飲み切って、自己判断で治療を中断しないようにしましょう。

3.扁桃炎が繰り返されると…?

扁桃炎は繰り返し発症することが多々あります。ウイルス感染や細菌感染によって急激に扁桃炎を生じるものを急性扁桃炎と呼ぶのに対し、年に3回以上の発症や扁桃の炎症が継続しているような状態を慢性扁桃炎と呼びます。

 

慢性扁桃炎は病原体に感染する場合だけでなく、様々な生活習慣が関与することも知られています。

 

3-1. なぜ炎症が慢性化するの?

扁桃に「陰窩」と呼ばれる多くのくぼみがあります。このくぼみに病原体が蓄積すると、軽度な炎症が長く続き、喉の痛みや違和感、倦怠感などの症状が生じるのです。大人の場合は、喫煙や飲酒などによる喉への刺激が発症の引き金になると考えられています。

 

また、陰窩に膿がつまると「膿栓」と呼ばれる塊ができることがあります。膿栓は口臭の原因ともなり、鏡で喉の奥を見るとご自身でも口蓋扁桃に白いプツプツとした膿栓を確認することもできます。

 

3-2. 慢性扁桃炎は急性化することもある?

慢性扁桃炎は、扁桃の軽度な炎症が継続している状態ですが、疲れが溜まって体力が落ちた時や他の病原体に感染することなどを契機に急性化することがあります。急性化した場合は、急性扁桃炎と同様の高熱と強い喉の痛みなどの症状が見られます。

 

3-3. 扁桃以外の器官に病変を生じることがある?

慢性扁桃炎は、放置すると腎症や関節リウマチ、掌蹠膿疱症など、他の器官に病変を生じることがあります。特に腎症は腎機能が徐々に低下するため適切な治療が必要になり、多くは扁桃の摘出が行われます。

4.まとめ

扁桃炎は高熱や喉の痛みなどを引き起こします。その原因は様々なウイルスや細菌に感染することです。これらの病原体の中には重篤な合併症を引き起こすものもあるため、適切な治療を続ける必要があります。また、扁桃炎が慢性化すると腎臓を始めとした他器官にも病変を生じることがあります。

 

効果的な治療を行うには、扁桃炎の原因を検査し、それぞれに合った治療を行う必要があります。つらい喉の痛みや高熱が出た場合や、軽い喉の痛みが長く続いているような場合には早めに病院を受診して、適切な検査・治療を受けるように心がけましょう。

執筆
医師:ママさん女医あっきー
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