【喉の炎症、シミ(肝斑)の治療】トランサミン(トラネキサム酸)の市販薬とその効果

喉の痛みや炎症をおさえるお薬として使用されることが多い「トランサミン(成分:トラネキサム酸)」と呼ばれるお薬があります。シミ(肝斑)に対しての効果も認められており、美容目的で使用されている方もいらっしゃいます。

トランサミンは病院で処方されるお薬のひとつですが、同じ成分を含むお薬は市販でも風邪薬などに含まれています。また、肝斑に対して効能が認められている市販薬もあります。

今回は、トランサミンの効果について説明するとともに、市販薬について、また副作用など服用上の注意点についても解説していきます。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.トランサミン(トラネキサム酸)とは?

1-1. トランサミンの成分と効果

病院で処方されるお薬(医療用医薬品)であるトランサミンの成分は、「トラネキサム酸」です。1965年に販売されており、臨床の場においては現在までに長い経験があるお薬です。

 

トラネキサム酸は、体内の炎症に関与するプラスミンの働きをおさえるはたらきがあり、口の中やのどの炎症を鎮めるなど抗炎症効果抗出血抗アレルギー作用を期待することができます。

 

トランサミンにはジェネリック医薬品も販売されており、

トラネキサム酸錠250mg「YD」などトラネキサム酸という名前に「メーカー名」がつくことが一般的です。

 

シミ(肝斑)への効果について

 

肝斑はしみの一種で、左右対称に現れることが特徴です。顔面、特にほほ骨のあたりに出来ます。

 

今まで臨床上で適応となっている疾患に対して使用している中で、偶然できた肝斑が消えたという報告があり、それを機に肝斑への効果があるのではと臨床試験をとおして正式に有効性と安全性が認められたことで肝斑にも使用されるようになりました。

 

プラスミンには、肝斑ができる要因となるメラニンをつくりだすメラノサイトを活性化させる作用があります。そのプラスミンの働きをトラネキサム酸はおさえるために肝斑に効果があるとされています。

 

市販薬のデータを参考にすると、2週間ほどで効果が見られる場合もあり、8週間の継続で高い効果が期待できるというデータがあります。但し、効果には個人差もあり、効果があった場合にも完全に消えないこともあります。

 

ちなみに、肝斑以外のシミに対しては、有効性を示した十分なデータはないため、使用しても効果は期待できません。

生じたシミが肝斑かどうか判別できない場合には、皮膚科の専門の医師に診てもらうようにしましょう。

 

1-2. どんな場合に使用される?

一般的には、処方薬であるトランサミンは、抗炎症作用や止血作用を期待して、

 

・喉の炎症

・出血傾向がみられるとき

・湿疹などの炎症・かゆみ

 

などに対して処方されるお薬です。

 

シミ(肝斑)への治療に対して医師から処方される場合には、保険適応外となり自費診療となります。

 

トランサミンの効能・効果(添付文書)

 

○全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
  (白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)


○局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
  (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)


○下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状
  湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹


○下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状
  扁桃炎、咽喉頭炎


○口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター

2.トランサミンと同じ市販薬はある?

トランサミンの成分であるトラネキサム酸を含む市販薬が販売されています。

風邪薬に含まれている場合と、肝斑に使用する場合の2パターンが主です。

 

2-1. 風邪(のどの痛み)に対して

特にのどの炎症をおさえる効果が期待され、市販薬に含まれています。複数の風邪の症状をよくする成分を含む総合風邪薬の成分のひとつとしても含まれていることがあります。

 

市販薬例

※()内は成人1日量に含まれるトラネキサム酸の成分量

ペラックT錠【第3類医薬品】/ 第一三共ヘルスケア (750mg)

ハレナース【第3類医薬品】/ 小林製薬 (750mg)

アスゲンT錠【第3類医薬品】/ 日邦薬品工業 (750mg)

新ルルAゴールドDX【指定第二類医薬品】/ 第一三共ヘルスケア (420mg)

ベンザブロックS錠【指定第二類医薬品】/ 武田コンシューマーヘルスケア (420mg)    など

 

 

2-2. シミ(肝斑)に対して

現状、肝斑への治療として適応がとれている市販薬はひとつしかありません。

こちらは、その他の疾患への使用や肝斑以外のしみには使用できません。

 

市販薬

※()内は成人1日量に含まれるトラネキサム酸の成分量

トランシーノⅡ【第一類医薬品】/ 第一三共ヘルスケア (750mg)

 

トランシーノⅡは、トラネキサム酸の他にも、L-システイン、アスコルビン酸(ビタミンC)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、パントテン酸カルシウムなど、より効果を高めるための成分が含まれています。

 

15歳未満は服用できないことや、1日2回服用で、2ヶ月以上を超えて続けて服用しないなど注意点もあるため、購入時には、しっかりと薬剤師の説明を聞き、不明なことは確認するようにしましょう。

 

 

処方薬と市販薬の違い

市販薬では、最大でも成人1日量に含まれるトラネキサム酸の成分量は、750mgとなっていますが、一方、処方薬の場合、通常成人1日750~2,000mgとなっており、服用量の範囲が広くなっています。

これは、市販薬では、医師の診断や観察下ではないことや副作用のリスクなどがあり、安全性の面を考慮しているためです。

含まれている量に制限があることが、処方薬と市販薬の違いになります。

 

3.トランサミン(トラネキサム酸)服用時の注意点

3-1. 副作用について

指示どおりに服用してさえいれば、副作用は少なく安全性の高いお薬です。主な副作用としては、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、動悸、頭痛、めまい、胸やけ、発疹、かゆみなどがあります。

 

何かいつもと違うような気になる症状が出た場合には、主治医や薬剤師に早めに相談するようにしましょう。

 

3-2. その他、飲み合わせなど服用について注意すること

まず、透析療法を行なっている方は、トラネキサム酸を服用中に痙攣が起きたという報告があることから、服用をせず、必ず医師に相談するようにしましょう。

 

また、血栓のある方(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある方の場合、血栓を安定化するおそれがあるため、慎重な投与が必要です。また、薬の血中濃度が上昇するおそれがあるため、腎不全の方も注意が必要です。

 

飲み合わせに関しては、止血薬である「トロンビン」は血栓形成を促進するおそれがあるため、一緒に服用はできません。

 

また、他のトラネキサム酸を含有する内服薬との併用にも注意が必要です。決められた量より多く服用することで副作用のリスクが高まる可能性があります。

特に、市販の風邪薬に含まれているものが多いため、併用には注意が必要です。他のお薬を服用する際には成分をよく確認するようにしましょう。

 

また、肝斑への治療においては、予防的に服用するものではなく、あくまでも肝斑の症状に対して使用するお薬です。症状が改善されたら、服用をやめるようにしましょう。

 

トラネキサム酸は、臨床の場では長く使用されているお薬でデータも蓄積されており安全性が高いお薬だといっても、副作用や服用に注意すべきことがあるお薬です。そのため、必ず、自己判断で指示されている量や回数を超えた服用をしたり、適応となっている疾患以外で使用するようなことはしないようにしましょう。

 

4.おわりに

今回は、トランサミンの効果について説明するとともに、市販薬について、また副作用など服用上の注意点についても解説しました。

 

トランサミンは、抗炎症作用や止血作用を期待して、喉の痛みや出血傾向がみられるときに処方されるお薬ですが、シミ(肝斑)に対する効果も認められています。但し、肝斑への使用については保険適応外となり自費診療となります。市販薬においては、喉の痛みへの効果を期待して風邪薬に含まれていたり、また、肝斑への効能が認められているお薬もあります。

 

臨床の場において長い実績のあるお薬で、副作用が少なく安全性が高いといえますが、それは正しい使用方法で服用した場合です。自己判断で量や回数を多くしたり、適応外の使用は絶対にしないようにしましょう。

 

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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