プールやお風呂は関係ない?赤ちゃんに多い中耳炎の感染源と予防法

中耳炎と言えば乳幼児に多く発症する病気の代表格です。耳の病気のため、お風呂やプールなどに入った時に原因となる細菌に感染すると思っている人も多いのではないでしょうか?

しかし、実は、中耳炎の原因菌への感染にお風呂やプールはほとんど関係ありません。それではどこで感染するのでしょうか?

今回は、赤ちゃんに多い中耳炎の感染源と予防のために気を付けるべきポイントを解説します。
※この情報は、2017年12月時点のものです。

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1.赤ちゃんに多い中耳炎の感染源は実は「鼻」

中耳炎は耳の病気のため、どことなくお風呂やプールなどで細菌が含まれた水が耳の中に侵入することで感染、発症すると思われがちです。中耳炎の主な原因は細菌のため、耳に感染が起きるということは間違いではありません。しかし、その感染経路は実は耳ではないのです。

 

耳の構造は大きく分けて「外耳」と「中耳」と「内耳」に分かれています。外耳は外界からの音を、鼓膜を通して、中耳に伝えるという役割があります。外耳と中耳の間にある鼓膜は基本的に内部に水を通しません。そのためお風呂やプールで耳から水が入ったからと言って、細菌が中耳に感染し中耳炎となることもありません。

 

中耳炎の感染経路は実は「鼻」です。鼻は「耳管」という器官によって耳と繋がっています。風邪などを引き、細菌が含まれた鼻水などが耳管を通り、耳に到達し中耳に細菌が感染することによって中耳炎が発症します。

2.特徴的な赤ちゃんの耳の構造

中耳炎は10歳くらいまでの子どもに多く発症する病気で、大人ではあまり発症者がいません。その理由は「耳管」の構造にあります。大人の耳管は細く、長く、傾きがあるという特徴があります。そのため細菌が含まれた鼻水などが、耳にまで届きづらくあまり中耳炎を発症しません。

 

しかし子ども、特に赤ちゃんはまだ耳管の発達が未成熟で、太く、短く、ほぼ水平に近いという特徴があります。そのため細菌が含まれた鼻水などが耳まで届きやすく、中耳炎を発症しやすくなっています。

 

また赤ちゃんは免疫力自体も大人より弱く、細菌やウイルスに感染しやすいことも中耳炎を発症する要因の一つです。

 

3.赤ちゃんの中耳炎の症状とは?

赤ちゃんは耳管の発達が未熟なため、中耳炎を発症しやすいことが特徴です。しかし赤ちゃんは言葉をうまく使うことができないため、どの部分に不調があるか意思表示をすることができません。

そのため、両親を中心とした周囲の大人が注意深く観察して、中耳炎を発症していないか気に掛ける必要があります。赤ちゃんの中耳炎の症状には以下のようなものがあります。

 

・急な発熱

・耳漏(耳から汁のようなものが出ること)がある

・鼻水が多い

・頻繁に耳を触る、気にする

・常に機嫌が悪い

・夜泣きが増えた

・首を振る

 

ただし赤ちゃんは免疫力が弱いため、上の症状が現れたからと言って中耳炎ではなく別の可能性もあります。なるべくすぐにかかりつけ医や小児科医による診察を受けるようにしましょう。

 

4. 赤ちゃんの中耳炎の治療は?手術は必要?

赤ちゃんの中耳炎の治療は大人と同じく服薬が基本となります。症状がごく軽度ならば、経過観察をすることもあります。軽度の中耳炎で発熱や耳の痛みが生じている場合、解熱鎮痛剤を服用することで痛みを止め、自然に治癒を促します。

 

中度以上の中耳炎ならば抗生物質の服用を行います。ただし抗生物質を服用する際は、完治するまできちんと服用し続けることが重要です。熱や耳の痛み、腫れなどが治まったからと言って勝手に服用をやめてしまうと、原因菌が抗生物質への耐性を獲得する可能性があります。

 

もし原因となる菌が抗生物質への耐性を持ってしまった場合、治りづらく、慢性的な中耳炎になってしまうこともあります。抗生物質は処方された分を飲み切り、しっかりと医師に完治したという診断を貰いましょう。

 

赤ちゃんの中耳炎は手術する?しない?

 

慢性中耳炎では時に手術を行う必要が出るときがあります。しかし赤ちゃんから2-3歳くらいまでの年齢の子どもには急性の中耳炎が頻繁に発症します。そのため、手術をするにしても小学生に上がるくらいまで待つことがほとんどです。 

5 : 赤ちゃんが中耳炎にならないための予防法

赤ちゃんが中耳炎を発症するリスクを低下させたいならば、まず鼻水のケアを十分に行ってあげるようにしましょう。赤ちゃんは耳管が太く短く、水平のため鼻水が容易に耳のほうに達してしまいます。市販されている赤ちゃん用の鼻水吸引機でこまめに鼻水を取ってあげるのは中耳炎の予防に効果的です。

 

またミルクを飲ませるとき、なるべく頭を起こすようにすることも重要です。横に寝かせた状態でミルクを飲ませると、ミルクが耳管を通って内耳に到達し、中耳炎の原因となることもあります。 

5.まとめ

中耳炎の感染源は「鼻」です。赤ちゃんは耳管が発達していないため、鼻から耳へ鼻水やミルクが入り込むことで細菌に感染し、中耳炎を引き起こしやすいという特徴があります。赤ちゃんはまだうまく喋られないため、耳の不調をきちんと伝えることができません。しかし中耳炎を発症した際にはなんらかのサインを出しているはずです。発熱とともに耳をよく触る、耳漏があるといった症状が出たら大人がしっかりと気づいたらかかりつけ医や小児科医の診察を受けるようにしましょう。

執筆
医師:大見貴秀
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