中耳炎にはいくつかのタイプが!熱がでない中耳炎にもご注意を

中耳炎は多くの人が、子供の頃にかかったことがある病気です。中耳炎は耳の構造が未熟な子どもがかかりやすいとされていますが、もちろん大人が発症することもあります。

風邪の後などに細菌やウイルス感染が中耳に波及して発症するタイプの中耳炎は耳の痛みや高熱、耳垂れなどの典型的な症状が現れます。しかし一方で、発熱や耳の痛みなどがないタイプの中耳炎もあり、しばしば発見が遅れることがあります。

ここでは、中耳炎にはどのようなタイプがあるのか、熱が出ない中耳炎の注意点について詳しく解説します。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

※この記事を読んでいただいている皆様へ

処方せんネット予約サービスの普及の為に皆様から利用したいと思う薬局をお答えいただいております。
60秒ほどのアンケートにお答えいただき、ご協力いただいた方には 全員に500円分のAmazonギフト券を必ずプレゼントさせていただいております。
(2017/12/25現在、224,000人にの方にご回答をいただいております。)
ぜひアンケートにご協力ください。

今すぐアンケートに答える>

株式会社フリービットEPARKヘルスケア一同

1.中耳炎ってどんな病気?

「中耳炎」はありふれた病気であり、一度はかかったことがある人も多いのではないでしょうか。特に子どもは大人よりも中耳炎になりやすく、耳鼻科通いが必要となるケースも多々あります。

 

では、中耳炎とはどのような病気なのでしょうか?子どもがかかりやすい原因についても詳しく見てみましょう。

 

1-1. 「中耳」とは?

私たちの耳は、音を聴いたり、平衡感覚を維持するための大切な役割を担っています。

 

耳の穴に入った音の刺激は、外耳道を通って鼓膜に伝わります。鼓膜に伝わった音の刺激は、鼓膜に接した3つの小さな骨である「耳小骨」に伝えられ、「耳小骨」は更に耳の奥にある「蝸牛」に刺激を送ります。蝸牛の中には音の受容器があり、そこに刺激が加わることで私たちは初めて音を認識するのです。

 

中耳はこの音の通り道の中で、鼓膜から耳小骨までの部位のことを指します。つまり、中耳は音を蝸牛に伝えるための非常に重要な役目を果たしているのです。

 

1-2. 中耳炎は「中耳」の炎症

中耳は鼓膜によって外界との仕切りがあるため、通常は無菌状態となっています。しかし、中耳には、中耳内の圧と外気の圧を調節するための「耳管」があり、この耳管は喉と耳をつなぐ細い管のような構造をしています。耳管は平常時では常に閉じた状態となっており、喉と中耳のつながりはありません。しかし、外気と中耳内の圧バランスが乱れると、耳管が開いて圧を調節する仕組みがあるのです。

 

例えば、飛行機に乗ったときなど、急激に外気の圧が下がった状態になると、中耳の圧とのバランスが乱れ、耳が痛くなることがあります。このとき、飲み物や唾を飲み込むことで耳管が一時的に開くと、外気と中耳内の圧が等しくなり、耳の痛みが改善します。

 

このように、耳管は圧バランスを整えるための非常に重要な構造なのです。また、中耳内の分泌物を喉へ排出する役目も担います。耳管は私たちの体になくてはならない構造である一方、耳管を通して喉に感染した細菌やウイルスが中耳内へ波及すると、中耳内に炎症を起こすことがあります。これが、中耳炎の始まりなのです。

 

1-3. 子どもはなぜ中耳炎になりやすいの?

耳管の形は成長によって変化します。大人では、耳管が長く、喉に対して傾斜があるため、細菌やウイルスが中耳内へ混入しにくい構造になっています。一方、子どもの場合には、耳管が短く、傾斜のない垂直な構造をしているため、中耳内に細菌やウイルスが流れ込みやすくなるのです。

 

このため、大人が中耳炎を発症することは少ないですが、小児は咽頭炎などを発症すると容易に中耳内に病原体が侵入して中耳炎を引き起こすのです。

 

2.中耳炎にはどんな種類があるの?

このように、中耳炎は、本来無菌状態の中耳に耳管を通して細菌やウイルスが入り込むことで発症します。このような典型的な中耳炎を「急性中耳炎」と呼び、中耳炎といえば多くは急性中耳炎のことを指します。

 

しかし、急性中耳炎が悪化したり、完全に治らないまま慢性的な炎症を生じていると別のタイプの中耳炎を引き起こすことがあるので注意が必要です。

 

では、中耳炎にはどのようなタイプがあり、それぞれどのような症状が見られるのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

2-1. 急性中耳炎

中耳炎といえば、一般的には急性中耳炎を指すことが多いです。急性中耳炎とは、喉の細菌やウイルスが耳管を通して中耳内に侵入して炎症を引き起こす病気のことです。

 

上気道炎はウイルス性が多いのに対し、急性中耳炎は細菌が原因となることが多く、特にインフルエンザ菌と肺炎球菌が原因菌となることが多いとされています。

 

症状は様々ありますが、発熱、耳の痛み、耳垂れが代表的です。発熱は38℃以上の高熱になることが多く、乳幼児では脱水症状を引き起こすケースも少なくありません。

 

耳だれは中耳内に溜まった膿が鼓膜を突き破って排出されたものです。多くは黄色~淡緑色の粘り気のある液体で、異臭を伴うのが特徴です。しかし、このような耳垂れが排出されると、膿によって圧迫されていた鼓膜の張りがなくなり、耳の痛みが軽減していきます。

 

耳垂れは全ての急性中耳炎で見られるわけではありませんが、症状が快方に向かっているサインと考えてよいでしょう。

 

2-2. 滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、中耳内に滲出液が溜まった状態のものを指します。急性中耳炎が完全に治らずに、中耳の炎症が慢性化すると発症します。

 

中耳に炎症が生じると、粘膜から「漿液」という液体成分が分泌されます。急性中耳炎でもこのような漿液の分泌は盛んに行われますが、多くは2~4週間で自然とよくなるとされています。しかし、元からアレルギー性鼻炎がある人などでは中耳の炎症が慢性化し、長期間にわたって漿液が中耳に貯留することがあるのです。

 

中耳に貯留した漿液は、鼓膜を内側から圧迫し、音の伝達を妨げます。その結果、滲出性中耳炎を発症した方の耳のみに聴力の低下や耳の中の違和感を生じます。滲出性中耳炎は、中耳の慢性炎症によって生じますが、急性中耳炎のように発熱や耳の痛みなどの症状が起こらないのが特徴です。

 

2-3. 慢性中耳炎

中耳炎がさらに慢性化すると慢性中耳炎を発症します。急性中耳炎や滲出性中耳炎が完全に治りきらず、鼓膜に穴が開くことで耳垂れを生じやすくなり、その穴から中耳内に細菌やウイルスが入りやすくなって炎症を繰り返すのが特徴です。

 

また、鼓膜に穴が開くだけでなく、中耳炎を繰り返すことで組織が球状に増殖して耳の構造を破壊する真珠腫性中耳炎を発症することもあります。球状に増殖した構造物が真珠のように見えることから「真珠腫性中耳炎」と呼ばれていますが、中耳だけでなく耳周辺の骨や神経を破壊しながら大きくなり、難聴やめまい、顔面神経麻痺などの重篤な後遺症を遺すことも少なくありません。

 

慢性中耳炎は、細菌やウイルス感染を繰り返した場合には発熱や耳の痛みなどの症状が生じますが、発熱が見られないことも多く、難聴や耳垂れなどの症状のみのケースもが多々あります。

 

3.熱のない中耳炎にはご注意を…

中耳炎は発症の経過によって、大きく3つの種類に分けられます。最も多い中耳炎は急性中耳炎ですが、急性中耳炎よりもむしろ滲出性中耳炎や慢性中耳炎は発熱や耳の痛みなどが顕著でない一方で、重篤な後遺症を遺すこともあるので注意が必要です。

 

では、滲出性中耳炎や慢性中耳炎はどのようなことに注意すればよいのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

3-1. 音が聞こえにくくなる

滲出性中耳炎や慢性中耳炎は鼓膜や耳小骨に障害が及ぶため、「難聴」の症状が現れます。特に、これらの中耳炎は急激に発症するわけではなく、徐々に進行するため、難聴の存在に気づかない人も多いと考えられています。

 

また、言葉を覚える時期の子どもがこれらの中耳炎にかかると、言語発達に異常が生じることもあります。

 

3-2. こんな症状には注意しましょう!

大人の場合、耳の聞こえにくさや違和感は進行すれば比較的自覚しやすい症状です。しかし、子どもの場合では、不快な症状を言葉に上手く表すことができず、発見が遅れるケースが多々あります。

 

次のような症状がある場合には、滲出性中耳炎や慢性中耳炎の可能性もあるので注意しましょう。

 

・テレビの音を大きくする

・特定の方向から呼びかけても反応しない

・言葉の発達が突然遅くなった

・片方の耳をよく触る

・日中ボーっとしていることが多い

・枕やシーツに耳垂れがつくことがある

 

4.まとめ

中耳炎には高熱や耳の痛みなどを引き起こす急性中耳炎と、発熱が見られない滲出性中耳炎や慢性中耳炎があります。発熱がないタイプの中耳炎は徐々に症状が進行し、難聴や神経障害などの合併症を引き起こすことがあります。

 

子どもに多い中耳炎。発熱のないタイプの中耳炎は言葉の発達を妨げるだけでなく、活動性や意欲の低下を引き起こすことも少なくありません。

 

気になる症状がある場合には、早めに耳鼻科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

 

 

執筆
医師:ママさん女医あっきー
この執筆者の記事をもっと見る