中耳炎の種類と治療法は?期間や費用、最新の無痛治療について解説

耳が聞こえづらいため病院を受診したところ、中耳炎と診断された。実際に次回から治療がはじまるが、どれぐらいの期間治療が続くのか、痛みがないのかなど不安を抱えている方もいるのではないでしょうか?

ひとことに中耳炎といっても種類があるため、それぞれの症状に応じた治療法が存在し、治療期間も症状によって異なります。薬物療法が基本で、必要に応じて手術療法が行われます。

今回は、中耳炎について基本的な知識を解説するとともに、中耳炎の種類に応じた治療法、また、最新の無痛治療などについても説明していきます。
※この情報は、2017年11月時点のものです。

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1.中耳炎の特徴

耳は、鼓膜より外側の音の通り道である「外耳」、鼓膜より奥の音を増幅させる「中耳」、さらに奥の音の感知センサーや平衡感覚を司る器官が集まる「内耳」に分かれています。

この3つの区域のうちの「中耳」に細菌やウイルスなどが感染して炎症が起きる病気が中耳炎です。

「急性中耳炎」「滲出性中耳炎」「慢性中耳炎」など様々な種類がありますが、一般的に中耳炎と言うと急性中耳炎のことを指します。

 

2.中耳炎の主な原因は?

外耳は鼓膜で仕切られていますが、中耳は耳管と呼ばれる細い管で鼻腔や咽頭と繋がっています。

このため、風邪を引くなどして鼻やのどに炎症が起こっていると、細菌やウイルスなどが耳管を通って内耳に侵入し、中耳炎(急性中耳炎)を引き起こします。特に、子供は、耳管が大人より太くて短く、水平であるため、細菌やウイルスが侵入しやすく、中耳炎が起こりやすいです。

原因菌としては、気管支炎や肺炎を起こす菌であるインフルエンザ菌、肺炎球菌の2つが最も多いです。

滲出性中耳炎や慢性中耳炎は、急性中耳炎が元で起こります。詳細は、「中耳炎の種類」で説明いたします。

3.中耳炎の一般的な症状

急性中耳炎の主な症状は、「耳痛」と「発熱」です。

急性中耳炎が重症化した場合や、滲出性中耳炎や慢性中耳炎の状態になると、耳の聞こえが悪くなる難聴や耳から膿が漏れ出てくる耳漏、が起こってきます。

 

3-1. ズキズキした耳の痛みが突然に起こる(耳痛)

耳管から侵入した細菌やウイルスによって、中耳や耳管に炎症が起きることで痛みが発生します。

中耳は鼓膜によって外耳と仕切られているため、中耳や耳管に炎症が起こって腫れあがると、中耳の内圧が上がり、鼓膜を内側から押すようになり、激しい痛みが起こります。

赤ちゃんなどは痛みを言葉で訴えることが出来ませんので、急に泣き出したり、不機嫌になったりした場合は要注意です。

3-2. 発熱

風邪や上気道炎をきっかけにして中耳炎が起こることが多いので、発熱が耳の痛みと同時に起こります。

微熱程度である場合もあれば、38度~40度の高熱が出る場合もあります。

3-3. 耳の聞こえが悪くなる(難聴)

中耳に液体が溜まる滲出性中耳炎、鼓膜に穴が開く慢性中耳炎が起こると、耳の聞こえが悪くなります。

どちらも急性中耳炎に引き続いて起こることの多い中耳炎ですので、耳の痛みや熱は治まったのに、耳が聞こえにくい場合は、注意が必要です。

3-4. 耳漏(じろう)

中耳に起こった炎症が酷いと、膿が出てきて、中耳に溜まります。

膿で中耳がいっぱいになると、逃げ道を探して、鼓膜を突き破ります。

鼓膜が破れると、中耳に溜まっていた膿が外耳に流れ出すため、黄色い膿が耳からでてきます。

これを耳漏と言います。

耳漏を起こすと、中耳の内圧は下がるため、耳の痛みは軽くなります。

 

4.中耳炎の種類

4-1. 急性中耳炎

風邪などの上気道感染症をきっかけにして、細菌やウイルスが耳管を通して中耳に侵入して起こる中耳炎です。

主な症状は、突然の激しい耳の痛みと発熱です。0歳から5歳の乳幼児に多くみられます。

 

乳幼児は、言葉で痛みを訴えることが出来ないため、急に不機嫌になったり、泣き止まなかったり、耳を触れることを嫌がったりしますが、風邪とセットで起こることが多いために中耳炎を起こしていることに気が付きにくいです。重症化すると、中耳内に膿が大量にたまり、鼓膜が破れてしまうこともあります。

鼓膜が破れると痛みは軽くなりますが、耳の聞こえが悪くなったり、耳漏が起こったりします。

 

治療として、原因となっている細菌を殺すため抗生物質を投与したり、痛みを軽減するため消炎鎮痛剤を服用などがあります。

中耳内に大量の膿が溜まっている場合には、鼓膜に穴をあけて膿を外に出す鼓膜切開が行われます。

鼓膜切開により鼓膜に開いた穴は1週間程度で自然に閉じます。

耳の痛みや発熱は、数日で治まりますが、完治するまでには数か月かかります。

 

4-2. 滲出性中耳炎

急性中耳炎が長引くことにより、耳管の働きが悪くなっておこる中耳炎です。

その他、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻の病気や、扁桃腺が大きい場合などでも耳管の働きが悪くなり、滲出性中耳炎になりやすくなります。

炎症により細胞粘膜から染み出た液体が中耳に溜まった状態で、急性中耳炎のような痛みや発熱はなく、難聴や耳鳴りが主な症状です。

 

治療としては、中耳に溜まった液体を抜く鼓膜切開や耳管の通りを良くするため耳管を通して中耳に空気を送る耳管通気などが行われます。

頻繁に滲出性中耳炎を繰り返す場合は、鼓膜がすぐに閉じないようにするために、鼓膜切開した後に、チューブを挿入する鼓膜チューブ留置術を行うこともあります。

アレルギー性鼻炎副鼻腔炎、扁桃腺の肥大など鼻やのどの病気がある場合は、一緒に治療します。

多くの場合は、1年以内に完治しますが、状態によっては、数年かかる場合もあります

 

4-3. 慢性中耳炎

3か月位以上にわたって中耳の炎症が長引くことで起こる中耳炎です。

単純慢性中耳炎(化膿性中耳炎)」と「真珠腫性中耳炎」の2つがあります。

 

中耳炎を起こして大量の膿が溜まると鼓膜が圧力に耐え切れず、破れてしまいます。

適切に治療すれば、鼓膜に開いた穴は自然にふさがりますが、治療が不十分であったり、中耳炎を何度も繰り返したりすると、鼓膜に開いた穴はふさがらなくなります。そして、この穴から細菌やウイルスなどが侵入し、中耳炎が持続した状態となります。これを「単純慢性中耳炎(化膿性中耳炎)」と言います。

 

単純慢性中耳炎では、常に鼓膜に穴が開いている状態で、中耳に溜まった膿が外に膿が漏れ出てきますので、主な症状は耳漏と難聴です。

治療としては、抗生剤を耳の中に入れて感染を防ぐ治療を行い、時期を見て、鼓膜に開いた穴をふさぐ鼓膜形成術を行います。

 

一方、真珠腫性中耳炎は、中耳側にへこんだ鼓膜に耳垢がたまり(真珠腫)、そこに細菌感染が起こり、中耳の骨などを破壊していく中耳炎です。放置すると、中耳の奥の内耳、さらには頭蓋内まで炎症が及び、命を落とすこともあります。

主な症状は、耳漏、難聴、耳鳴りです。病気の進行に伴い、めまいや頭痛、麻痺などの神経症状も出てきます。

急性中耳炎の繰り返し、長引く滲出性中耳炎などが、真珠性中耳炎の原因と考えられています。

治療としては、真珠腫摘出手術と破壊された骨を作り直す鼓室形成術が行われます。

 

中耳炎の治療にかかる費用は?

今回の記事で説明しているように中耳炎の症状は様々で、治療にかかる費用も、治療方法や期間によって大きく変わってきます。

そのため、一概にどれぐらいの費用がかかるかについては記載することが難しくあります。

 

治療が長引けば長引くほど、費用もそれだけかかってきます。

ご存知の通り、基本的には、医療保険を利用することが可能なので、0割〜3割の負担で治療を行うことができますのでご安心下さい。

 

5.中耳炎、最新の無痛治療とは?

鼓膜は最も麻酔しにくい場所で、従来の麻酔薬を小綿花に含ませ、それを鼓膜に当てて麻酔する方法では、鼓膜切開時の痛みを完全に抑えることはできませんでした。

しかし、近年、麻酔薬を電気分解して鼓膜を麻酔する「イオン浸透圧鼓膜麻酔法(イオントフォレーゼ法)」の開発により、完全無痛状態で鼓膜切開などの処置を行う事が可能となっています。

 

6.まとめ

中耳炎の症状及び治療法について説明してきましたが、中耳炎は早めに気づくこと、そして、しっかりと治療を受けることが重要で、早期に気づき治療受けることで重症化を防ぐことが出来ますし、しっかりと根気強く治療を続けることで滲出性中耳炎や慢性中耳炎に移行してしまう事を防ぐことが出来ます。

少しでもおかしいな?と感じたら、はやめに、専門医の診察を受けるようにしましょう。

 

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執筆
医師:豊田早苗
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