【皮膚科医が解説】水いぼ、どうしていますか?~その治療法と対策・感染について

暑い季節には水遊び、プールをはじめ、肌を露出することが多くなります。そんな時期に毎年悩まれるのは水いぼです。

水いぼにかかっている子供のプール使用の可否については保育や学校の現場、プール施設において、対応が統一されていないのも悩ましい問題の一つとなります。

そこで、今回は水いぼについて、その症状や治療法、対処方法について、よくあるご相談への回答とともに解説していきます。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.水いぼの正体について

1-1. 水いぼの見た目や分布など、他の皮疹との区別について

水いぼの正式名称は「伝染性軟属腫」といいます。見た目は数ミリから5mm程度、表面の皮膚はやや光沢を帯びていて、その皮膚の中には白い色を透けてみることのできる、ぷくっとしたできものです。初めはごく小さい赤い針先程度のこともあります。中には中央が少しだけへこんだようなものもあります。

 

一般的には症状はありませんが水いぼの周りの皮膚がやや乾燥したりすると周囲に淡い赤みを持ち、かゆみを伴うこともあります。

 

水いぼは体のどの部分にも発症しますが、特に腋や足の付け根、肘や膝などの皮膚同士が密着するような部分に複数の水いぼが集簇(しゅうぞく)していることがあります。

 

水いぼの個数については治療をしなければ数日から1週間単位で増加していきます。

 

1-2. 水いぼが好発する対象年齢などについて

水いぼの発症は、ほとんどは乳幼児から小学校低学年までで、子供の病気という認識が一般的です。これは水いぼの発症が皮膚の免疫力と大きく関連しており、小学校の高学年くらいになると水いぼの原因となる伝染性軟属腫ウイルスに対する免疫力を身につけるため発症しなくなります。

 

しかし、その免疫力が体に備わるまでは繰り返し水いぼにかかることとなります。また、大人であって水いぼが発症することがごくまれにあり、治療や病気などにより免疫力が低下していることがほとんどですが、発症した際には免疫力低下のサインとしてその他の全身症状の検索などが必要となることもあります。

 

1-3. 水いぼの感染力について

水いぼは、その中の白色っぽい液体に含まれる伝染性軟属腫ウイルスによる接触によって感染します。一般的に健康な皮膚は外来のウイルスなどを含む微生物、化学物質などが侵入しないようにバリア機能が備わっていますが、皮膚の乾燥や小さな傷があったりなどで、皮膚のバリア機能が崩れている部位に微細なウイルスが入り込みます。

 

そして皮膚の免疫力がない際にはそのウイルスを排除することなく水いぼを発症します。そのためアトピー性皮膚炎や乾燥肌、小さな搔き傷がある人であるほど、水いぼの発症する確率や増大する個数、速度が増えます。

 

皮膚にウイルス付着した直後の時点では水などで洗浄することで発症を防ぐことができます。皮膚にウイルスが付着してから感染が成立するまでの正確な時間などの報告はありませんが、感染してから水いぼが症状として発症するまでには概ね数週間程度かかると報告されています。

 

1-4. 水いぼの対処方法について

水いぼの正体は伝染性軟属腫ウイルスですが、現在その伝染性軟属腫ウイルスに対する抗ウイルス薬としての内服薬や外用剤、あるいはワクチンは存在しません。

 

水いぼに対する可能な治療法は、肉眼的に確認できる水いぼに対してピンセットで取り除く方法、液体窒素で症状のある部位に対して浅い凍傷を発症させてかさぶたとして脱落させる方法があります。

 

いずれにしても痛みや精神的な苦痛を伴う治療法であるという欠点があります。またこれらの物理的な治療は確認できる発症が完成した水いぼに対してのみしか行えず、既に感染しているが潜伏状態である部分に対しての治療方法はありません。

 

治療後の瘢痕(はんこん)についてはピンセットで摘除した場合と、液体窒素で脱落させた場合を比較し、ピンセットでつまんだ方が傷は小さくすみます。また、病院によってはこれらの処置の前に痛みを軽減させる麻酔のテープや塗り薬で前処置を受けることができますが、その場合は30分から1時間程度、麻酔が効くまで待機することが必要となります。

 

この他には、治療効果は格段と落ちますが、患児の苦痛の少ない治療として化学物質(硝酸銀)による腐食やヨクイニンという漢方薬の内服がありますので、治療に耐えられない場合には試してみてもよい方法です。

 

水いぼは、健常な小児であれば自然消退するケースもあり、積極的な治療は必要ないという意見もあります。しかし、自然消退までには数カ月から半年、長い場合では数年単位を要することもあり、またその間、無治療であれば数や範囲は増大します。その結果、水いぼに合併した湿疹やとびひを引き起こしたり、周囲の子供に感染させる可能性があります。 

 

 効果的に治療を行うためには子供にとって苦痛が伴う病気であり、自然治癒も望めますが、その間に悪化や周囲への感染が危惧される、治癒しても改めて感染発症することがあるなどの点より、水いぼに対する対処方法は医師によっても意見が分かれることがあります。

 

ピンセットで取り除いたり液体窒素を行う際の実際の痛みは、皮膚をつねる程度の大人にとってはたやすく受容できる程度の痛みですが、たいていの子供は恐怖が先立ちますので、治療で泣いたり逃げ回ったりします。

 

そのため、親御さんにとっても我が子の苦痛な治療を目の当たりにすることに耐えがたく、自然治癒を望まれるケースがあることも事実です。しかし、放置することで本人並び周囲に感染拡大させる病気であり、治療を受けることで速やかに治癒を望めそれらのリスクを減らすことができることは明確です。

2.水いぼに関するよくある相談

2-1. 治療後の注意点は?

水いぼをピンセットで取り除いた後には少量の出血を伴いますので、医療機関では衣服への血液付着を防止するために処置後に小さなカットバンを貼ることが多いです。ピンセットで取り除いた後のウイルスが他の皮膚に付着している可能性もあり、帰宅後はできるだけ早く、少なくとも当日中にシャワーなどを浴びることをお勧めします。

 

液体窒素を施行した後はかさぶたになって脱落するまで特にカットバンなどを貼ることなくそのまま放置します。触ってしまった際には、触った手指にウイルスが付着する可能性がありますので、手洗いをすることが大事です。

 

2-2. 感染しないように注意することは?

日常的にありふれたウイルスであり、予防接種などもない実情としては、どの時点ででもウイルスをもらう可能性があります。感染経路は接触によるものなので、特に夏季やプールなどの肌の露出が多くなる季節では、肌の接触やビート板、浮き輪、タオルなどの共有によって感染者は急増します。

 

ひとたび水いぼを発症した場合には、水いぼの存在が気になったり稀にかゆみを伴うことで皮膚を掻きむしり、皮疹の中のウイルスが飛び出して皮膚の他の部分に付着することで自他ともに感染を増大させます。

 

 肌と触れ合った後、プールを終えた後、水いぼを触った後には水洗いでよいので洗い落とすこと、また水いぼに罹患している患児が皮膚に付着したものを共有して使用しないことなどが大事です。

 

2-3. 学校、保育園での対処方法について?

 まずは疑わしい皮疹が出現しているときには、速やかに医療機関などを受診したうえで水いぼなのかどうか、治療方針や治療を受けるかどうかの選択、日常生活の注意点を、患児や家族が把握することが大事です。そして発症している場合には、学校や保育園に報告することで、皮膚に接触する可能性のあるものを共有しないように注意することなどができます。

 

また、学校や保育園によっては、水いぼの治療を行わなければプールなどに入水できない場合もあります。これは医師から強制している水いぼの対応策ではありません。

 

水いぼは皮膚への接触するものを共有しなければ他児への感染は避けられ、その点に留意してプールに入ることは必ずしも禁止するべきことではなく、感染している患児が不当な差別を受けQOLを著しく損なうべきとは考えません。

 

しかし、少なからず治療を受けること他児への感染機会をなくすことができるという社会的な観念を重視する学校、保育園側の理念も否定することはできません。お互いの方針が異なった際には相談などが必要となる難しい課題です。

 

3.まとめ

 

今回水いぼについて、その性質や治療、対処方法についてご説明しました。水いぼはある程度の年齢までは症状を繰り返すありふれた疾患であり、子どもに痛みや精神的な苦痛を与えて治療をするべきかについては以前から様々な意見があります。

 

しかし、治療を受けることで患児のかゆみや外見的な改善、とびひなどの合併症をなくし治癒すること、他児への感染をなくすことができます。私個人的な意見としましては、数が少ないうちに早く取る、ということを最も推奨します。いずれにしても、健やかな皮膚で、どうか明るい日々をお過ごしください。

執筆
医師:ミーマンバナナ
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