【抗不安薬】ワイパックスの副作用や依存症・耐性などのリスクについて解説

ワイパックスは、不安や緊張、気分の落ち込みなどの精神状態に効く薬です。

また、そうした精神的な症状によるストレスで起こる肩こりや頭痛などの身体的な症状にも使用されます。

不安や緊張を取り除く薬は何種類かありますが、ワイパックスは比較的作用が強いとされているため、副作用や依存症などの服薬上のリスクに注意が必要な薬です。

この記事では、症状改善のためワイパックスの服薬を継続していく中で、起こりやすい副作用、ほとんど起こらないが注意が必要な副作用、依存症や耐性、離脱症状、他の薬との飲み合わせなど考慮すべきリスクを詳細に紹介します。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.ワイパックスとはどういった薬?

ワイパックスは「ベンソジアゼピン系」という種類の薬の1つです。

 

ベンゾジアゼピン系は、脳の働きを落ち着かせる「GABA受容体」に作用して、次の4つの効果を発揮します。

 

・不安を取り除く(抗不安)作用

・筋肉をほぐす(筋弛緩)作用

・気持ちを落ち着かせ、眠気をもよおす(鎮静催眠)作用

・けいれんを抑える(抗けいれん)作用

 

ベンソジアゼピン系には多くの薬があり、上記4つの効果の強弱によって主に使われる用途が異なります。

 

ある薬は不安や緊張を取り除く「抗不安薬」として使われ、また、ある薬は眠りに導く「睡眠導入剤」として使われたりとさまざまです。

 

そうした中、ワイパックスは、抗不安作用が強いため、不安や緊張が強い場合に使われます。

 

同じ抗不安作用が強い薬として「デパス」があり日本では最も使われている抗不安薬ですが、デパスは発売されている国が少ないため、世界的にはワイパックスの方がよく使われています。

 

2.ワイパックスの副作用

2-1. 起こる可能性がある副作用

ワイパックスは抗不安作用以外に筋弛緩作用や催眠作用も一定の作用がありますから、次の3つの副作用として良く起こりやすく注意が必要です。

 

・眠気

・物忘れ

・倦怠感やふらつき

 

眠気と物忘れは催眠作用からくるものです。

 

記憶がなくなるほど脳の機能が低下するので、車の運転など危険な行動はしないようにしなければいけません。

ひどいと数時間前に起こったことを全く覚えていないことも起こることがあります。

 

また、筋弛緩作用からくる副作用としては、倦怠感やふらつきに注意が必要です。

ふらつきによる転倒のリスクが上がり、頭を打ったり骨折につながったりすることもあるのであなどってはいけません。

 

2-2. ほとんど起こらないが注意すべき副作用

まれに起こる副作用として、脳の呼吸を司る部位へ作用してしまうことによる「呼吸抑制」があります。

命に関わる可能性があり、起こる頻度は低いですが注意すべき副作用です。

 

2-3. 精神系の薬で起こりやすい副作用

他の精神系の薬では次の副作用の発生をよく聞きます。

 

・吐き気

・頭痛

・便秘

・口が渇く

・太る 

 

吐き気、頭痛、便秘は全ての薬(薬全般)で起こる可能性がありますのでワイパックスでも注意が必要です。

 

また、自律神経の1つである副交感神経を刺激する作用を持つ神経伝達物質のアセチルコリンの働きを抑えてしまうために、唾液分泌が低下して口が渇く副作用が起こる可能性が高いです。

ただ、1週間くらい使い続けると体が慣れて副作用が治まってくることもありますので、ひどくなければ様子をみるのも手です。

 

一方で、一部の抗うつ薬でよくある副作用の「太る」は、ワイパックスの場合は、ワイパックスの服薬により不安がなくなり食欲が増して太ってしまうと考えられており、ワイパックスの直接的な副作用として起こることは少ないと言われています。

 

3.ワイパックスの長期間の服薬によって起こるリスク

3-1. 依存症(ワイパックス無しでは生活できない)

ワイパックスが無いと落ち着かなくなってしまい、常にワイパックスを求めてしまう「依存」が起こり得ます。

不安や緊張を取り除く効果が強いため、効果に大満足できることが多く、つい頼ってしまい手放せなくなることがあります。

 

どのくらい使うと依存になりやすいかはその時の状況によりますが、1か月以上連続して使う場合は注意が必要です。

また、医師の指示を無視して自己判断で服薬すると依存になりやすく注意が必要です。

 

ワイパックスより作用の弱い抗不安薬がありますので、もし不安症状がそれほど強くない場合はワイパックスからの切り替えを医師と相談してみるといいでしょう。

 

3-2. 耐性(ワイパックスが効かない)

ワイパックスを長期間にわたって使いすぎるとワイパックスが効かなくなり、量を多くしないと満足する効果が得られなくなることがあります。

この場合は効かないからといって自己判断で薬を増量してしまいがちです。

 

そうすると依存にもなりやすく危険なため、医師の指示を守ることが大切です。

薬の効果に満足いかない場合は必ず医師に確認するようにしてください。

 

3-3. 離脱症状(体がワイパックスを求める)

ワイパックスを使い続けて、ある時にパタッとやめるとイライラや頭痛などいてもたってもいられなくなる離脱症状が起こることがあります。

 

ワイパックスを継続して服用しなければ症状が安定しなければワイパックスでコントロールすべきですが、その後良くなってきた時に自己判断で服薬を中止してしまってはいけません。

 

薬が体にある状態が体にとって「普通」の状態になっていますから医師と一緒に徐々に薬を減らしていくことが必要です。

薬が減っていることに体が気づかないくらいゆっくりと減らしていくのがベストです。

 

4.ワイパックスを飲んではいけない病気

緑内障の方はワイパックスの服薬には注意が必要です。

一部の緑内障では、ワイパックスによって眼圧が上がってしまうため、ワイパックスを服薬することができません。

眼圧が高い方や緑内障の診断を受けている方は、必ず医師に申し出てください。

 

ちなみに緑内障の方は、風邪薬や腹痛の薬など多くの薬を服薬できないことがありますので、医療機関を受診する時、ドラッグストアなどで薬を購入する時は、医師や薬剤師に必ず申し出るようにしてください。

 

5.他の薬との飲み合わせ

絶対に一緒に飲んではいけない薬はありません。

しかし、一部の精神系の薬と痛み止めで飲み合わせがよくありません。

他の医療機関を受診している場合は、必ず医師に申し出てください。

 

また、アルコールとも相性がよくありませんので、ワイパックスの服薬中はアルコールを飲まないようにしましょう。

アルコールとの飲み合わせや副作用は心配しなければいけないことですが、不安症状を優先して治療しなければいけない状況でしたら、ワイパックスを服用するべきでしょう。

 

「今日はアルコールを飲むから」「太るのが心配だから」等の理由でワイパックスの服用を自己判断でやめるのは、治療する上で適切だとは言えません。

 

 

6.まとめ

◆ワイパックスは、抗不安作用が強いベンゾジアゼピン系の向精神薬で、不安や緊張を主症状とする神経症やそれらによって起こる頭痛や肩こりなどの身体症状の治療に使われる

◆よくある副作用は、眠気・ふらつき・物忘れ

◆依存、耐性、離脱症状を起こさないためには、必ず医師の指示どおり服用し、自己判断で服薬・増量・中断してはいけない

◆一部の緑内障、一部の精神系の薬や痛み止めの薬とワイパックスは相性がよくない

◆ワイパックス服用中は飲酒しないようにする。

執筆
薬剤師:産業 薬剤師
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