「かかりつけ薬局は、適切な対処法をお知らせします」熱性けいれん編

かかりつけ薬局を決めておくことで効果的な投薬や残薬管理、お薬を重複してお渡しすることを防止する…など実はメリットがたくさん。 この連載では、地域住民からかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師として信頼を得ている「ゆきさん薬局」の薬剤師、ゆきさんの事例をご紹介。 病気、健康、薬についての知識をお伝えしながらも、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師の活用方法を身近に感じていただければと思います。 それでは、「患者さんを笑顔にして薬局を送り出すことが何より大切」をモットーとしているゆきさんの物語をお楽しみください。
※この情報は、2017年9月時点のものです。

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登場人物

★ゆきさん
雪原 匠(ゆきはら たくみ) 49歳 男性
ゆきさん薬局の薬剤師
優しくて、おだやかな性格

★浅井 美香
浅井 美香(あさい みか) 3歳
熱性けいれんになってしまった
ママ友の紹介で初めての来局

ママ友の紹介で来ました!

見慣れない患者さんが、ゆきさん薬局に自転車で訪れました。

処方箋をお預かり、パソコンで生年月日を入力して確認しましたが、やはり初めての来局でした。

ゆきさん
「浅井さん、こちらの薬局に来られるのは初めてですか?」

浅井さん
「えー、初めてです」

ゆきさん
「自転車で迷わずさっそうとおいで頂きましたけど、何故うちの薬局をお選びいただいたのですか?」

浅井さん
「『ゆきさん薬局なら、親切な先生がいて色んなことを教えてくれる』とママ友の間では評判ですよ。だから、私も来てみたんです」

ゆきさん、「そうなんですね。それはうれしいなあ」と素直に喜びながら返事をしました。

浅井さん「でも、ママ友の評判は怖いわよ!どこかで悪いことをしていたらすぐに見つかるから」と、初対面のゆきさんをからかいました。

ゆきさんも「それは困るなあ。評判はうれしいけど、夜に出歩いていたら見つかりますね」と笑いながら答えました。

浅井さん
「そんなことよりも、ゆきさんで教えてもらいたかったのでこちらに来たんのですが」

ゆきさん
「あーそうでしたね。すいません、きちんと仕事します」

浅井さん笑いながら「お願いします」と言って、相談を始めました。

2種類の坐薬の使い方

「今日は熱性痙攣で病院を受診したのですが、色々質問したくても混んでいたら、気が引けるでしょ。説明はしてもらったのですが、よく理解していなくて。もう一度教えて欲しいんです」

ゆきさん
「なるほど、そうですね。今日は2種類の坐薬が出ています」

浅井さん
「解熱剤と痙攣を抑える薬でしょ」

ゆきさん
「はい、アンヒバという解熱剤とダイアップという痙攣を抑える薬です」

浅井さん
「熱が出た時に、どのように使えばよいのですか?」

ゆきさん
「熱性痙攣は、熱が上がるときに起こりやすいです。目安として37.5度を超えてきたら、早急にダイアップ坐薬を挿入して下さい」

浅井さん
「先に解熱剤ではないんですか?」

ゆきさん
「ダイアップは油に溶ける性質があります。一方、アンヒバは油に溶かし込んで作られています。アンヒバを先に使う、もしくは同時に利用してしまうと、アンヒバの油にダイアップの主成分が溶け込んでしまって、効果が現れるのが遅くなってしまいます。それで、ダイアップを先に利用してほしいんです」

浅井さん
「そうなの!せっかくダイアップを挿入しても、アンヒバを先に入れていると効くのが遅れるのね。ダイアップは挿入してから、どれくらいの時間で効果が出るんですか?」

ゆきさん
「効果が現れるには、30分程度かかります」

浅井さん
「それでは、ダイアップの効果が現れる30分ほど待ってから、アンヒバを利用すればよいのですね」

ゆきさん
「えー、その通りです」

熱性けいれんの対処法を紹介します

浅井さん
「熱性けいれんに対して、注意することはありますか?」

ゆきさん
「熱性けいれんは子供のころ、具体的には5歳くらいまでに起きるのがほとんどで、8歳以上になるとほとんど起こらないと言われていますから、あまり悲観的にならないでください」

浅井さん
「それを聞いて安心したわ」

ゆきさん
「とはいえ、1度けいれんを起こすと再発をする確率は意外と高いので、対処法は覚えておいた方が良いですよ」

浅井さん
「えー本当ですか。この間は怖くてすぐに救急車を呼びましたけど、いけなかったのかしら」

ゆきさん
「救急車が来たころには、けいれんは落ち着いていたでしょ」

浅井さん
「はい」

ゆきさん
「隊員によっては、怒られるかもですよ。まずは落ち着いて時間を確認してください。たいていの場合は2~3分で治まります」

浅井さん
「ただ様子を診ているだけで良いのですか」

ゆきさん
「見ているだけというのはおつらいかもしれませんが、ゆすったり、大きな声で呼びかけないでくださいね。その刺激でけいれんが長引いてしまうことがあります。衣類が苦しそうなら緩めてあげたり、嘔吐しそうなときは、顔を横に向けて吐いた物がのどに詰まらないようにして下さい。気道を確保するために、いずれにしても体を横に向けてあげた方が良いです」

浅井さん
「どんな場合に救急車を呼んだ方が良いのですか」

ゆきさん
「けいれんが10分以上続いていたり、けいれんが治まっても意識が無かったり、嘔吐、頭痛がある場合は、迷わず救急車を呼んでください」

浅井さん
「落ち着いてできるかしら」

ゆきさん
「発熱時に、予防としてダイアップ坐剤を挿入してあげれば、けいれんを起こすことは無いでしょう。利用すると、一時的に眠気、ふらつきが出たり、かえって興奮することもあるかもしれませんが、2~3時間で治まりますから、心配しないでください」

浅井さん
「これで安心したわ」

ゆきさん
「あともう一つだけ注意してください」

浅井さん
「え、まだあるんですか」

ゆきさん
「熱性けいれんを起こしやすくする薬があるんです。風邪やアレルギーに使う抗ヒスタミン薬や、ぜんそく治療に利用するテオフィリン製剤です。熱が高くない時に利用するのは問題ありませんが、熱が上がってきたときは控えた方が良いですよ」

浅井さん
「本当にありがとうございました」

「紹介してくれたママ友によろしくお伝えください。そして今後とも、お手やわらかにしてくださいね」とうれしそうに見送るゆきさんでした。

※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションです。

執筆
薬剤師:鶴原 伸尚
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