「かかりつけ薬局は、性格も見ながら説明します」新患編

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かかりつけ薬局を決めておくことで効果的な投薬や残薬管理、お薬を重複してお渡しすることを防止する…など実はメリットがたくさん。 この連載では、地域住民からかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師として信頼を得ている「ゆきさん薬局」の薬剤師、ゆきさんの事例をご紹介。 病気、健康、薬についての知識をお伝えしながらも、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師の活用方法を身近に感じていただければと思います。 それでは、「患者さんを笑顔にして薬局を送り出すことが何より大切」をモットーとしているゆきさんの物語をお楽しみください。

 

登場人物

★ゆきさん  

雪原 匠(ゆきはら たくみ) 49歳 男性

ゆきさん薬局の管理薬剤師&オーナー

顔の見える薬剤師を目指し、日々奮闘中

 

★小倉 大樹

小倉 大樹(おぐら だいき) 55歳 男性

面倒くさがり

せっかち

 

石原 真優

石原 真優(いしはら まひろ) 25歳 女性

ゆきさんにあこがれて、ゆきさん薬局で働く薬剤師

素直で明るく、真優ちゃんと呼ばれ、スタッフにかわいがられている

 

名前が違うよ!

患者さんが集中して忙しかったのが少し落ち着き、ちょっとゆっくりできるかなというタイミングで、いかにも初めてという雰囲気で、男性がゆきさん薬局に入ってこられました。

 

新人の真優ちゃんが、元気に「こんにちは」と言いながら処方箋を受け取りに行くと、男性は「これで、いいの?」と面倒くさそうに応えながら処方箋を真優ちゃんに渡しました。

 

真優ちゃんは「お預かりします」と笑顔で受取り、パソコンで生年月日を入力して小倉さんが登録されているか調べました。

 

新患さん(初めて来られる方)であることを確認すると、真優ちゃんは処方箋に書かれているフリガナを見て、「小倉(こくら)さん、こちらの薬局初めてですね」と座っている小倉さんに話しかけました。

 

小倉さんは、返事もせず真優ちゃんをにらみつけました。

 

真優ちゃん、恐縮しながら話し続けました。

「ジェネリックの希望はどうされますか?」

 

小倉さん

「処方箋に書いてある通りで良いよ」

 

真優ちゃん

「一般名で書いてあるので、どこのメーカーの薬でもお選びいただけるのですが、どうしましょう」

 

小倉さん、吐き捨てるように言いました。

「まかせるよ」

 

真優ちゃん

「はい、わかりました。恐れ入りますが、こちらの薬局、初めての様なので、ご記入いただけますか」と初回質問票をお渡ししながらお願いをしました。

 

小倉さん

「書かなきゃいけないの」と言いながら受取り、「そもそも、小倉(こくら)じゃなくて小倉(おぐら)だよ」と不機嫌そうにつぶやきました。

 

真優ちゃん、「どうも、すいませんでした」と言って逃げるようにして事務さんに処方箋を渡しました。

 

何で保険証を見せなければいけないの?

ゆきさん、新患さんには保険証を確認させてもらうようにスタッフに指示しています。

 

事務さんは、通常通りの業務として小倉さんにお願いをしました。

「すいませんが、保険証を確認させていただけますか」

 

小倉さんは「何で見せる必要があるの」と言いながら、投げるようにして保険証を渡しました。

 

ゆきさんは、スタッフを助けようとしましたが、ここで話したら怒り出すと思ったので、思いとどまり少し時間をおいてから話すこととしました。

 

事務さんは、「病院が間違えることもあるので確認させていただいているんです。助かります。お預かりします」と言って、その場は終わりました。

 

薬の準備ができると、真優ちゃんはゆきさんに救いを求める目で見ています。

 

ゆきさん、会釈をして小倉さんの薬を持ってカウンターに向かいました。

 

ゆきさん

「小倉さん、ご用意出来ましたよ」

 

小倉さん、返事もせず呼ばれたカウンターに来られました。

 

ゆきさん

「ご不快な思いをさせたようで、すいませんでした」とお詫びから入りました。

 

ゆきさん、話を続けました。

「保険証は、間違いがあると私たち請求できなくなってしまうんです」

 

小倉さん

「そんなの、病院が悪いんだろ」

 

ゆきさん

「そうなんですが、病院が責任を取って支払ってくれることはありません」

 

小倉さん

「そうなんだ」

 

ゆきさん、「そうなんです。実際、今も間違ってきているんですよ」と言って処方箋を見せました。

 

「こくらとフリガナがふられてますでしょ。うちのスタッフはこれを見てこくらさんとお声掛けしてしまったんです」

 

小倉さん、ばつが悪そうにしていました。

 

ゆきさん、「小倉さんのご協力で助かりました。ありがとうございました」と言って保険証をお返ししました。

 

患者さんと勝負をしています!

ゆきさん

「それでは、お薬の説明をさせていただきますね。本日は喉が痛くておかかりになったようですね。抗生物質と喉の炎症を抑える薬、消炎鎮痛剤が出ています。抗生物質と喉の炎症を抑える薬は毎食後で飲み切って、消炎鎮痛剤は痛ければ飲むで構いません」

 

ゆきさん、風邪程度の時はあまりしつこい説明はしません。

あえて質問が出るくらい簡素な説明をして、患者さんから質問されるような環境を心がけています。

 

薬袋や薬情を見ればわかるような、決まりきった説明を望んでいない患者さんが多いからです。

 

小倉さんは、薬を受け取り、財布もしまい、帰る準備を始めました。

 

小倉さんが立ち上がりかけた時に、ゆきさんは声を掛けました。

「小倉さん、もしかして、ゆっくりお風呂に入っていませんか?」

 

小倉さん

「そうだけど、いけないの?」

 

ゆきさん

「早く治そうと思って、ゆっくりお風呂に浸かって温まる方がおられますが、それは喉の痛みを悪化させるんです。喉が痛いと言うことは炎症を起こしています。それを温めれば、腫れがひどくなって、痛みも増します」

 

小倉さん

「何だ、お風呂で温まっちゃいけないんだ」

 

ゆきさん

「はい」

 

小倉さん

「初めて聞いたよ。ありがとう」と小さい声で応えて帰りました。

 

患者さんが帰ると、ゆきさん、嬉しそうに真優ちゃんに話しかけました。

「真優ちゃんに話したことがあるかな。僕はいつも患者さんと勝負をしているんだよ」

 

真優ちゃん

「どんな勝負ですか」

 

ゆきさん

「患者さんが『ありがとう』と言ってくれるか、笑顔で帰ってくれれば勝ち、そうでなければ負けという勝負なんだ」

 

真優ちゃん

「うちでは、おばあちゃんから子供まで、みんなうれしそうに帰っていくので、連戦連勝ですね。でも、何でお風呂にゆっくり浸かっていると思ったんですか」

 

ゆきさん

「質問票の回答を見てごらん。怒っていたこともあるだろうけど、書きなぐっているでしょ。話していてもわかるけど、かなりのせっかちな人だよ。せっかちだからこそ、早く風邪を治そうと色んな事をしちゃうんだよね」

 

真優ちゃん

「へー、そうなんですね」

 

ゆきさん

「性格もわかった上で説明すると、喜んでもらえるんだよ。小倉さん、次回もうちに来てもらえると思うよ」とうれしそうに話すゆきさんでした。

 

※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションです。

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