「かかりつけ薬局は、受診の必要性を考えます」日焼け編

かかりつけ薬局を決めておくことで効果的な投薬や残薬管理、お薬を重複してお渡しすることを防止する…など実はメリットがたくさん。 この連載では、地域住民からかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師として信頼を得ている「ゆきさん薬局」の薬剤師、ゆきさんの事例をご紹介。 病気、健康、薬についての知識をお伝えしながらも、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師の活用方法を身近に感じていただければと思います。 それでは、「患者さんを笑顔にして薬局を送り出すことが何より大切」をモットーとしているゆきさんの物語をお楽しみください。
※この情報は、2017年8月時点のものです。

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登場人物

★ゆきさん  
雪原 匠(ゆきはら たくみ) 49歳 男性
ゆきさん薬局の管理薬剤師&オーナー
顔の見える薬剤師を目指し、日々奮闘中

 

★工藤 菜月
工藤 菜月(くどう なつき) 23歳 女性
スポーツ大好きのOL
花粉症で毎年春に来局している

 

B.A プロテクター

日焼け最中に寝てしまった!

いつも花粉症のシーズンにうれしそうに薬局を訪れてくれる工藤さん。

鼻水で苦しんでいるようでもないのに、ゆきさん薬局を訪れました。

 

工藤さん
「ゆきさん、今日は処方箋が無いけれどもご相談があって来ました」

 

ゆきさん
「あら、どうしました。美人の訪問はいつでもウエルカムですよ」と言って出迎えました。

 

工藤さん
「ゆき先生、ほめても何も出ませんよ。それより、先日友達と海に行って寝てしまったの。それでこんなに日焼けしちゃって。どうすれば良いですか?」

 

よく見ると薄着のブラウスから、日焼けで首の部分がただれているのが見えます。

 

工藤さん、続けて質問しました。
「日焼け程度で、受診してよいのかしら?」

 

ゆきさん
「もちろん、大丈夫ですよ。それだけ日焼けしたら、痛いでしょう」

 

工藤さん
「ええ」

 

ゆきさん
「日焼けのひどいのは、やけどと同じです。その状態だとステロイドを塗らないと追いつかないと思います。市販でもステロイドは販売していますが、首の部分はそれでも良いけど、他の肩とかは、それよりも強いステロイドの方が良いでしょう。ステロイドには、スプレータイプもあります。広範囲だし、塗るのも痛くて大変でしょうから、スプレーが楽じゃないかな。皮膚科に行って相談してみてください」

 

工藤さん
「それじゃ、皮膚科に行っても大丈夫ですね」

 

ゆきさん
「はい。それから、ついでにビタミンCももらっておくと良いです。ビタミンCはご存知の通り、色素沈着を防ぐので、美白に利用するビタミン剤です。医師に相談してみて下さい。児玉先生なら、私は面識もあるので、ゆきさんに紹介されたと言って相談して下さい。強面な先生だけど、『ゆきさんの紹介か』と笑いながら処方してくれるから」

 

工藤さん
「それは良かった!それじゃあ、すぐに行ってきます」と言って、皮膚科に向かいました。

奥の深い保湿剤の利用方法

ゆきさん、工藤さんが出られた直後に児玉先生に電話しました。
「児玉先生、お世話様です」

 

児玉先生
「雪原先生、こちらこそ、いつも患者さんをご紹介いただきありがとうございます」

 

ゆきさん
「先生、これから工藤さんという女性の患者さんが日焼けの相談でお伺いすると思います」

 

児玉先生
「そうですか、早いものでそういう季節になりましたね」

 

ゆきさん
「本当に、そうですね。それでその患者さんに、スプレータイプのステロイドがあることをお話したのですが、うちに今あるのがフルコートスプレーになります」

 

児玉先生
「患者さんも急いで利用したいでしょうから、それを処方すれば良いのですね。了解しました」

 

ゆきさん
「よろしくお願いします」と言って電話を切りました。

 

工藤さん、しばらくして処方箋を持って戻って来られました。
「ゆきさん、電話してくれていたのですね。児玉先生とスムーズに相談ができました」

 

ゆきさん
「予定通りでしょ!」

 

工藤さん
「えー助かりました。でも、打合せとは別に薬が処方されたのだけど、これは何で出たのですか?」

 

ゆきさん
「ヘパリン類似物質外用スプレーとヘパリン類似物質油性クリームですね。これは保湿剤ですよ」

 

工藤さん
「ステロイドだけでは、ダメなんですか?」

 

ゆきさん
「ステロイドは、ただれた肌を治療するのに利用します。治療だけを考えると、ステロイドだけで良いと思うかもしれませんが、皮膚は傷つくとバリア機能が損なわれて、水分が不足します。保湿剤は、そのバリア機能の役割をすると共に、直接水分を補う役割もしています」

 

工藤さん
「なるほど、傷んでいるところを治すだけではなく、バリア機能を高めてより速く治るようにするんですね」

 

ゆきさん
「そうなんです。工藤さんの場合は、まず悪いところにフルコートスプレーをしてください。それを皮膚になじませてから、ヘパリン類似物質油性クリームで閉じ込めるように塗るとより効果があります。それほどひどくはないところは、ヘパリン類似物質外用スプレーで水分を補って、同じくヘパリン類似物質油性クリームで閉じ込めるように塗ると保湿力を高めます」

 

工藤さん
「液体となるスプレータイプを、先に使用した方が良いのですね」

 

ゆきさん
「薬を油性クリームで閉じ込めるので、それが良いです。通常、ステロイドを利用するときは、悪い部分だけに塗りたいので、保湿剤の後に利用することをお話ししていますが、今回はステロイドが液体なので、先に塗った方が良いと思います」

 

工藤さん
「いつも、親切に説明ありがとうございます!」

サングラスの選び方もお知らせします!

ゆきさん
「ところで、工藤さん、サングラスはしていたの?」

 

工藤さん
「えー、していました」

 

ゆきさん
「UVカットだった?」

 

工藤さん、笑いながら答えました。
「若いから、見た目重視です。UVカットまで気にしていませんでした」

 

ゆきさんも笑いながら、話しました。
「若くなくても、デザインは重視するんだよ」

 

工藤さん
「それは、そうですよね。失礼いたしました。それで、サングラスでもUVカットの必要があるんですか?」

 

ゆきさん
「紫外線は、肌や髪だけでなく、目にも様々な病気をおこす原因になります。また、目に入る紫外線は日焼けの一因とも言われているんですよ。だから、紫外線をカットすることは重要なんですよ」

 

工藤さん、冗談交じりに話しました。
「サングラスは、黒ければ良いのかと思っていました」

 

ゆきさん
「そう思うでしょ。ところがUVカットが無ければ、逆効果なんですよ」

 

工藤さん
「えっ、どうしてですか?」

ゆきさん
「サングラスの色が濃かったら、瞳孔が開くでしょ。ということは、多くの紫外線を目に取り込むことになってしまいます」

 

工藤さん
「やばーい。良いこと教えてもらいました。ありがとうございます」

「そう、やばいんですよ!気を付けてね」と笑いながら答えるゆきさんでした。

 

※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションです

 

B.A プロテクター
執筆
薬剤師:鶴原 伸尚
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