食事由来のコレステロールを下げるゼチーアの効果、正しい服用方法を解説

従来のコレステロールを下げる薬は体内で作られたコレステロールがターゲットでしたが、食事由来のコレステロールを下げる薬「ゼチーア」も開発されました。

ゼチーアは従来のコレステロールを下げる薬と併用することで、より効果が向上するといわれています、また、食事由来ということからダイエットにも効果があるのではと巷では期待されています。

今回は、ゼチーアの成分、効能効果、正しい服用方法について説明するとともに、ダイエット効果についても示唆していきます。
※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.ゼチーアの成分と効能・効果

ゼチーアは小さな錠剤で、1錠中に「エゼチミブ」10㎎が含まれています。

成人を対象にした薬剤。1錠(10mg)を1日1回、食後に服用します。(年齢、症状に適宜合わせる)

 

ゼチーアの添付文書から引用しますと、

○高コレステロール血症

○家族性高コレステロール血症

○ホモ接合体性コレステロール血症

 

コレステロールはホルモンや細胞の構成成分でもあり、非常に重要な物質です。

しかし、血液中に過剰に蓄積(220mg/dl以上)すれば、高コレステロール血症という脂質異常症と診断されます。動脈硬化を誘発し、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)の発症原因となります。現在は、コレステロールの中でも悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロール値を重要視しています。

 

 

家族性高コレステロール血症について

 

家族性高コレステロール血症は、LDL受容体に関係する遺伝子が変異することで発症する遺伝性疾患です。生活習慣の乱れなどからくるLDLコレステロール値よりも増加しやすく、動脈硬化も進行しやすいことから高LDLコレステロール血症ともいわれています。

 

家族性は決してまれな疾患ではなく、治療を受けている人の8.5%が遺伝的な高コレステロール血症といわれています。

 

遺伝子は父親側、母親側から一つずつもらっていますが、どちらか一方に変異がある場合を「ヘテロ接合体」、両方とも変異がある場合を「ホモ接合体」といいます。


ホモ接合体性コレステロール血症は100万人に1人といわれ、先天的にコレステロール値が高く、450㎎/dl以上になることも。

そのため、幼少時から動脈硬化進行、早くも虚血性疾患を発症しやすいといわれています。

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2.ゼチーアの作用の特徴

ゼチーアは次のような作用をもち、上記の3疾患の治療薬として適用されています。

 

2-1. 食事由来のコレステロールを下げる

コレステロールは体内(肝臓)で合成されるのが80%、食事から得られるコレステロールが20%です。

コレステロールを下げる代表的なお薬として、スタチン系薬剤(メバロチンなど)がありますが、これらは、体内由来のコレステロールを低下させます。一方、ゼチーアは食事由来のコレステロールを下げる働きがあります。

 

2-2. ゼチーアは小腸コレステロールトランスポーター阻害剤

体内に入った食物中のコレステロールは、小腸にあるコレステロールトランスポーター(NPC1L1)によって吸収されます。

ゼチーアは、この小腸のコレステロールトランスポーターの働きを阻害することで、コレステロールを吸収されにくくします。

この働きが、ゼチーアが小腸コレステロールトランスポーター阻害剤といわれる由縁であり、脂質異常症の治療薬として認可されているわけです。

 

どの程度、コレステロールの吸収を阻害する?

 

では、ゼチーアがどれぐらいコレステロールの吸収を阻害するのか、気になるところです。

添付文書によりますと、海外の臨床試験ですが、ゼチーア2週間の投与でプラセボ群に対して54%の吸収を阻害したと掲載されています。

有意差がはっきりとしており、非常に有益な脂質異常症の治療薬ですね。

次もまた、ゼチーアの良さがわかる情報です。

 

2-3.  メバロチンなどのスタチン系薬剤との併用で効果的にコレステロールを下げる

コレステロールを下げる代表的なスタチン系薬剤は、HMG-CoA還元酵素阻害薬とも呼ばれ、ゼチーア同様、血中のコレステロールを下げる働きがあります。

 

本来なら、同じコレステロールを下げる薬を併用するのは避けたいところですが、コレステロールを下げるメカニズムがゼチーアとは異なるため、併用は可であり、併用することで互いの働きを補いながらコレステロールを下げるというメリットがあります。

 

スタチン系薬剤の作用メカニズム

 

スタチン系薬剤として代表的なのが、「メバロチン(プラバスタチン)」「リピトール(アトルバスタチン)」「クレストール(ロスバスタチン)」などがあります。

成分名に「〜スタチン」とつくため、これらをひっくるめて呼ぶ時、スタチン系薬剤といいます。

 

糖質・脂質・アミノ酸はエネルギーとなるとき、分解されます。この時できる物質がアセチルCoAといい、肝臓内でHMG-CoAに変わります。

そして、HMG-CoAがHMG-CoA還元酵素の働きで、さらにメバロン酸へと変わります。このメバロン酸が色々な変化を経て、コレステロールになります。

 

スタチン系薬剤は、HMG-CoA還元酵素の働きを抑え、メバロン酸をできなくすることで、コレステロールができるのを妨げます。。

これらの薬の歴史はゼチーアよりも古く、脂質異常症と診断された人にとっては、ゼチーアよりも身近な薬剤になります。

 

2-4. ゼチーアとスタチン系薬剤の併用による効果

ゼチーアとスタチン系薬剤を併用することによって、より高いコレステロールの改善効果を期待することができます。

 

ゼチーアとスタチン系薬剤を併用すると、以下のようなメカニズムがおきます。

 

ゼチーアがコレステロールの小腸への取り込みを阻害するため、肝臓内のコレステロール量が減少します。そのため、肝臓は危機感を感じて、代償的にコレステロールを作りだそうとします。そこにスタチン系薬剤がきて、HMG-CoA還元酵素の働きを抑えるため、コレステロール量は増えず、減っていくというわけです。

 

つまり、まず、ゼチーアが食事由来のコレステロール量を減らしたため、肝臓内の全体のコレステロール量も減っていきます。そして、スタチン系薬剤が肝臓内のコレステロールが作られないように働きかけるため、血中のコレステロール値が低くなります。

 

添付文書によりますと、上記のような併用によるコレステロール値改善効果は、海外における高コレステロール血症と診断された人を対象にした臨床試験などで報告されたようです。

 

そこで、考えませんか?この有効な薬剤を別々に併用するのではなく、一つの錠剤に入った薬があればいいのにと……。

 

それが、2017年にできました。ご紹介しましょう。

アト―ゼット配合錠といいます。ゼチーアとリピトール(アトルバスタチン)が一つの錠剤に入っています。

 

先述のとおり、コレステロールは体外から入ってくるよりも、体内でできるコレステロールのほうが随分多いので、ゼチーアの出番があるのかと思われることでしょう。

しかし、体内のコレステロール生成量を減らすスタチン系薬剤の効果が十分、発揮できていない場合があります。このようなとき、医師はゼチーアも処方することがあります。

食事の欧米化が進み、コレステロールを含む食事をたくさん摂っているのであれば、なおのこと、ゼチーアの薬効も有益なものとなります。

 

3.ゼチーアとダイエットの誤解

食事由来のコレステロール量を減少させるとあって、すぐにダイエットと結びつけたくなる気持ちはよくわかります。しかし、これは完全な早合点です。

近年、糖質制限ダイエットがブームになり、糖質制限はやりすぎなければ、健康にもダイエットにもいいという専門医、研究者が非常に多くなっています。

もはや、現在は、脂質よりも糖質のほうがダイエットにおいてタブー視される傾向があります。

 

確かに脂質もカロリーが高いため、摂り過ぎれば、健康にもダイエットにもマイナスポイントです。しかし、コレステロールの高い食品は必ずしもカロリーが高い食材ばかりではありません。カロリーの低いものも多いです。

 

さしむき、肥満に直接結びつくのは、カロリーの高い炭水化物(糖質)です。

健康やダイエットの敵といわれる中性脂肪だって、元の原料はエネルギーになれなかった糖質です。

ゼチーアがコレステロールだけでなく糖質の吸収も抑制するのならわずか、ダイエットにも貢献できるかもしれませんが……。

 

ただ、ゼチーアを飲む必要があると医師から診断された人は食事や運動療法も兼ねていることが多く、自然と、痩せてくるかもしれません。

しかし、これはゼチーアのおかげではなく、ご本人の努力の結果ですから、勘違いされないようにお願いいたします。

 

 

4.ゼチーア服用上の注意点

4-1. ゼチーアの副作用

臨床試験の段階で副作用が18.8%(95例/504例)ありました。

 

副作用の詳細

・便秘 3.0%

・発疹 2.4%

・腹痛 2.0%
・腹部膨満感・悪心嘔吐 1.6%

 

血液検査では異常値が12.1%みられました。その中で一番、異常がみられたのが、γGTPの項目で2.6%が上昇したとありました。

 

そして、最も気になるのがCK(CPK)の項目です。

CKは、スタチン系薬剤の重大な副作用である横紋筋融解症などで上昇する項目です。

ゼチーアの副作用において、CK上昇が2.2%にみられたようです。

ゼチーアと横紋筋融解症の因果関係はまだ不明とされていますが、まれに横紋筋融解症の報告もあるようなので、脱力感や筋肉痛などの有無、CKの異動に注意していく必要があります。

 

4-2. 注意を喚起したい人

高齢者はたとえ、健康であっても、生理機能が低下しているため、副作用が出やすく、用法用量には配慮が必要です。

また、妊娠中、妊娠の可能性がある場合、安全性が確立されていないため、そのリスク以上に治療効果を期待できると判断された場合のみ服用という限定枠があります。

 

授乳中の場合、ラットにおいて乳汁への移行が認められたことから、飲まない方がいいのですが、医師がやむを得ず、処方する場合、その間は授乳しないようにします。

 

その他、小児以下は安全性が確率されていないという理由で、飲むことがNGになっています。

 

5.まとめ

ゼチーアは今までのコレステロールを下げる薬とは一味、違った薬です。この異なる作用メカニズムのおかげでスタチン系薬剤との併用も可能というメリットがあります。

しかし、ゼチーアがダイエットにも有効かもしれないとコレステロールが低くもないのに飲むのは有害以外、何物でもありません。

ゼチーアも食事や運動療法などを行っても、コレステロール値が改善されない場合に飲む薬だということをしっかりと認識しましょう。

 

執筆
薬剤師:村田 直子
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